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「チャレンジ自然農法」、イチゴの連作・無肥料無農薬栽培 [各論:イチゴ]

(この記事は2020-11-19が最終追記で、その後の状況は新規記事「自然農法:イチゴを植えっ放しで連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、サツマイモは晩秋に掘ってみないことには分からないが、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、これまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。
(後日追記:サツマイモを3箇所で栽培していたが、大した効果はなかった感がする。)

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。

 さて、イチゴ栽培であるが、近年、品種はずっと「早生ほうこう」ほぼ1本である。毎年親株から苗取りを行い、毎年全く違う畝で慣行栽培(苦土石灰と有機肥料敷き込み)してきた。なお、無農薬であることはずっと変わらない。
 ずっと苗更新をしなかったせいか、2016-17年(有機肥料栽培)の収穫はイマイチであったから、2017-18年(連作・無肥料栽培開始)は、作付けの3分の1(畝の南)を新規苗購入で行くことにした。なお、イチゴは連作障害が出るから2年は空けよと言われるが、連作にも挑戦することとした。
 連作・無肥料の何よりの利点は、苗作りや新たな畝作りをする手間がなくなり、親株を少々残して、ランナーが十分に走ったところで親株を引っこ抜き、秋に苗を選って藁敷きすれば済んでしまうことである。
 究極の自然栽培は、同級生のG君が小規模にやっているが、何十年も一切の手を加えず放置したままであるものの、まずまずの収穫を得ている。その状況を見たところ、少々小粒の実であり、1株に生る数も少なそうで、あまり褒められたものではないが、将来的にはこうした放任栽培もいいものだ。
 なお、通常、イチゴは早春に地温を高め成育を促進させるために黒ビニールのマルチを敷くと良いとのことだが、小生は、密閉してしまうと空気が通わなくなり、空気を欲しがる根っこが可哀想で、どうしても好きになれず、使っていない。その代わりに毎年冬なり春に藁(または刻み藁)をたっぷり敷くことにしている。そして、その藁はやがて朽ちて土壌に馴染むであろう。

 2017-18年から連作・無肥料栽培を開始したが、ずっと満足がいく収穫ができている。そして、2019-20年:無肥料・連作3年目からは、50数株栽培のイチゴのうち優良株を畝の所々に概ね1m間隔で10株ほど残し、これを親株とし、ランナーを畝全体に走らせ、数多く活着した子株のなかから概ね等間隔になるよう子株を残し、他を除去するというやり方をとることとした。一部移植せねばならないが、放任栽培に限りなく近いやり方で、これでうまくいきそうである。

 以下、各年の栽培概要を記す。
<2017-18年:無肥料・連作とも1年目>
(2017年9月1日)
 南3分の1程度は苗場になって入るから、それ以外の部分で畝作りを行う。
 2列植えの畝につき、中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたカボチャの残骸と引いた枯草を手で埋め込んでいき、最後に両端を鍬で軽く土寄せしておいた。
(10月1日)
 昨日、雑草の草叩きをしておいた。本日、畝整備。まず、籾殻(「たんじゅん農」推奨の「炭素素材」のつもり)を適当に撒く。畝幅が気持ち足りないから、両サイドの土をビッチュウで削り上げるとともに畝の上面を軽く覆土。テンワで整形して完了。
(10月8日)
 苗場はランナーを走らせっぱなしにしておいたから、密生しており、ひょろ長いものがほとんどだ。でも軸太のものがどれだけかあり、それをテボで掘り出し、適当な間隔で2列植えしていく。
 苗場のイチゴを全部掘り出して捨て、畝作りにかかる。前回と同様に中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたトマトの残骸と枯草を手で埋め込んでいき、最後に両端をテンワで土寄せし、整形。
 JA売店で「早生ほうこう」18株を買い、苗場跡に植え付け。
(11月9日、20日)
 けっこう雑草が生えている。テンワで法面を削り上げ、畝面の草削りをざっと行う。
 細かの雑草を引きながら、葉が地面に張り付かないよう、刻み藁を敷きこむ。
(2018年3月12日、25日)
 草引き、畝の両サイドを削り上げ。
(5月18日)
 5月2日からイチゴの収獲がピークに入った。購入苗は大半が好成績を上げ、繰り返し苗取りしてきた株も好成績なものがけっこうある。
 昨年の畝での連作で、施肥もしてないが、残留肥料があるであろうから完全な無肥料栽培ではなかろうが、思いのほか好成績を収めている。連作障害もほとんど出ていないのではなかろうか。
 なお、来季の苗取り用の優良株は、購入苗の中から5株を選抜し、棒を差してある。

<2018-19年:無肥料・連作とも2年目>
(2018年10月7日)
 南の方の更新苗で栽培したもののうち優良株5株を残し、ランナーを走らせて苗づくりを行い、ランナーが十分に伸びた7月10日に親株を鎌で刈り取ったが、例年どおり苗が密に育ってしまった。よって、苗はひょろ長いものが大半となり、その中からなるべく軸太のものを選んで苗とするしかなかった。
 8月20日に、空き畝部分について、昨年と同様に、中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたカボチャの残骸と引いた枯草を手で埋め込んでいき、今年と同様に2列植えの畝づくりを行なっておいた。
 本日、北のほうから順次、良さそうな苗を定植して行き、苗場に差し掛かったところで、定植位置に良さそうな苗があれば、それを残そうと思ったが、ひょろ長の苗が多く、3割程度しか思惑どおりにいかなかった。
(10月29日)
 定植した苗は全部が活着した。田んぼから刻み藁を運び、畝全体にたっぷり敷く。
(2019年4月28日)
 刻み藁を十分に乗っけたせいか、今年は全然草引きせずに今日まで来たが、かなり大きな雑草もあるので、ほぼ全部の草を引く。
(5月24日)
 株の成長、実の生りようとも例年並みで推移し、例年より豊作となった。これは、前年度に苗更新し、その苗ばかりでの栽培となったからだろう。

<2019-20年:無肥料・連作3年目>
 今期から、より自然農法に近づけた栽培法を実行する。その目論見は次のとおり。
 50数株栽培のイチゴのうち優良株を畝の所々に概ね1m間隔で9株残し、これを親株とし、ランナーを畝全体に走らせ、数多く活着した子株のなかから概ね等間隔になるよう子株を残し、他を除去するというやりかたである。なお、刻み藁は敷きっぱなしにし、いずれ堆肥化させるが、毎年刻み藁は補充し、熟したイチゴが汚れないようにする。 
(2019年9月8日)
 収穫後の6月以来、数回にわたって草引きし、伸びだしたランナーの位置を整える。
 概ね十分に子株が定着したが、部分的にランナーが伸びなかった箇所があり、その空白域には畝の法尻などで十分に育った子株を移植。親株を全部引き抜き、ランナーを全部切り、小さいものや密に生えているものを除去し、粗く選る。
(9月15日)
 移植苗は活着したようだ。概ね3列配置になるように最終選り。草削り、畝整形し、カボチャの敷き藁代わりに使った枯草をたっぷり敷き詰め、雑草抑えとする。
(10月21日)
 昨日、細かな草を叩きながら、イチゴの枯葉除去、伸びたランナー除去、除去できなかった苗の除去を行なった。
 敷き藁代わりの枯草が薄いので、近くの田(地主さんの了解を得て)から刻み藁を本日搬入し、厚く敷いておいた。これで、草抑えとイチゴが熟したときの腐り防止・土跳ね防止になる。
(2020年3月16日、29日)
 暖冬・暖春のせいか雑草の生え方が例年よりすごい。鎌で刈りながら小さなものは手で引く。取り残しを2週間後に丁寧に引く。
(5月27日)
 株の成長、実の生りようとも昨年よりいい感じで、株数が4割増し程度多くなったこともあり、大豊作となった。今日がピーク。
 味もまずまずで、無肥料・連作3年目で軌道に乗った感がする。 

<2020-21年:無肥料・連作4年目>
 今期から昨年と全く同様な栽培法を取る。放任栽培に近い自然農法である。
(2020年9月6日)
 収穫後の6月以来、数回にわたって草引きし、伸びだしたランナーの位置を整える。親株は半月前に全部株元から刈り取ってある。
 概ね十分に子株が定着したが、部分的にランナーが伸びなかった箇所があり、その空白域には混みあった箇所や畝の法尻などで十分に育った子株を移植。
 概ね株間30cm強、3列になるようにし、余分な苗は全部除去。
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