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「チャレンジ自然農法」、単年栽培の山芋の連作・無肥料無農薬栽培 [各論:山芋]

(山芋の単年栽培は2020年産でもって終了。それ以降は、むかごからの2か年栽培のみとなります。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、サツマイモは晩秋に掘ってみないことには分からないが、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、これまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。
(後日追記:サツマイモを3箇所で栽培していたが、大した効果はなかった感がする。)

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。
(2017年1月11日)
 さて、山芋栽培であるが今年5年目に入った。品種は不明であるが、2012年の秋に富士五湖へ行った折、忍野八海で河口湖産の丸芋を売っており、これを買ってきてトロロにしたら、けっこう天然の山芋に近い味であり、ゴツゴツしていない芋であるから調理もしやすかった。よって、種芋として一部を残し、2013年から栽培を始めた。
 河口湖産となると、標高900メートルであるから夏は涼しく、当地(海抜10mの濃尾平野)とは気象条件が大きく違い、ちゃんと収穫できるか心配であったが、十分に収穫できた。ただし、年々芋の形が変わってきて、イチョウ芋となり、それがまた長くなり、物によってはふと短い長芋となった。でも、味のほうは変化なく、購入時より若干水分が増えた感がするが、すりおろしたときトロロとしてちょうどいい水分量である。
 栽培は、収穫した山芋の上部を切り取って種芋とし、1畝(10m)で行っていたが、芽吹かないものがけっこうあって、2017年からは自然薯(むかご)からの2年がかり栽培の畝を新設し、2畝栽培とした。自然薯はほぼ100%発芽し、欠損株が生じないからだ。2018年からもう1畝自然薯2年栽培を新設し、毎年2畝収穫を目論む。
 このページでは、単年栽培の山芋の連作・無肥料無農薬栽培について記し、山芋(むかごからの2カ年栽培)の連作・無肥料無農薬栽培は別ページで記す。

 例年、連作とせず、栽培したことのない畝での作付けとしていたが、2018年からは連作とし、無肥料とする。もちろん無農薬栽培である。
 さて、今年(2017年)収穫する畝については、来年も、小芋や山芋の上部を切り取った種芋を作付けするのだが、もう少し深く耕そうと考えている。
 というのは、ここの畑は、60年ほど前に行われた圃場整備のとき、かなり強く踏み固めてから畑土が乗せられたようで、30cmぐらい下は非常に固い土の層(砂混じり粘土)になっている。よって、山芋が長く伸びたとき、その硬い層にぶち当たり、それ以上は入り込めない状態にある。
 硬い層には土壌細菌も少ないであろう。よって、今年、山芋を掘るときに、硬い層が現れたら、刻み藁を撒いて掘り進め、上層の土壌を混ぜ込みながら埋め戻し、かつ、昨年同様に上層にも刻み藁を混ぜ込もうと考えている。これでもって土壌細菌も増殖し、無肥料であっても山芋が十分に生長してくれるのではなかろうか。

(2017年11月29日)
 本日、山芋掘り。栽培は1畝(10m強)であり、昨年は2時間で掘り終えたが、今年は4時間もかかった。来季もこの畝で連作するから、可能な限り深く掘って、芋が十分に生長しやすいようにしようとしたからである。昨年は大きく生育した芋が硬盤層にぶち当たって、黒く凍みたような芋が幾つかあった。この経験を踏まえて、そうすることにした次第。
 まず、スコップでなるべく深く掘り、芋が折れないようにして掘り出す。そして、さらに硬盤層(黄色っぽく、砂が気持ち多い固まった土)を10cmほど掘り出し、田んぼから集めてきた刻み藁(だいぶ地上微生物分解が進み、望ましくなかろうが)をまぶしながら若干埋め戻しつつ、順次掘り進めていく。なお、耕土を掘るときにも少しずつ刻み藁をばら撒いていった。こうして、例年より深く掘っていったから、倍の時間がかかった。
 掘り終わった後、来季の畝作りを行う。掘るときに刻み藁が概ね混ざっているが、さらに掘り跡に刻み藁をばら撒き、小型ビッチュウで大雑把に畝作りを行う。次に、鍬でざっと畝整形。最後に畝の法尻を鍬で軽く土さらいし、高畝にして、畝作り完成。

<2018年の栽培管理>
 4月23日に種芋切り分けを行い、切り口に草木灰を付け、4月29日に芽出し場に埋め込む。まだ芽吹きは少ないが5月17日に掘り出し、所定の畝に支柱を立てながら定植。6月5日には7割方が発芽したが、未発芽なものも多い。腐ってしまったかもしれず、その箇所に自然薯(むかご)の余りを埋め込んでおいた。
 詳細記事は「山芋(イチョウ芋)の栽培」で記す。
(2018年11月5日)
 ほとんど枯れているので、今日、山芋掘り。計量したら21kgであった。輪作・肥料投入して栽培した昨年は28kg、同一昨年は26kgであったから、連作・無肥料栽培初年度は3割減の収穫となったが、高畝のため夏の旱魃被害もあったかもしれない。枯れてしまって芋が全くできていない株が今年は幾株かあったからである。
 大きな芋は硬盤層に入り込んでいたものが若干あったが、先っちょが黒ずむものはなかった。これは、昨年、割と深くまで掘って刻み藁を入れたからだろう。
 よって、今年は、掘り進めながら刻み藁は投入したが、単に掘るだけとした。
(11月8日)
 本日、畝づくり。まず、刻み藁を追加して全体に少々振り撒く。畝に生えていた雑草の枯草と半分堆肥化しかけた休耕田から運び込んで畝の覆いに使った枯草がサツマイモ側に退けてあるので、それを畝の法面に埋め込むべく、鍬で溝を掘り、畝の粗整形をしつつ埋め込む。
 次に反対側法面を鍬で粗整形。けっこうな量の刻み藁が入った感がする。
 先日畝づくりを行なった、むかごからの2カ年栽培畝と同様に、前年と同程度の高畝となったが、法面の傾斜が緩い幅広の畝となった。
 後日、雑草抑えと畝の乾燥防止のため、休耕田の枯草で覆うこととする。→11月14日にサツマイモのツルも足してたっぷり覆う。

<2019年の栽培管理>
(4月27日)
 昨年の収穫時に、小さな種芋がけっこうあり、3割ほどは保存中に凍みてしまったが、それで事足り、本日、30数個を植え付け。同時に支柱も植え付け際に差しておいた。また、草引きし、枯草の覆いを直しておいた。
(9月1日)
 成育は芳しくない。枯れてしまった株もけっこうある。
(11月4日)
 ほとんどが枯れてしまったので、今日収穫。2017年有機肥料栽培で28kg、同じ畝で連作し無肥料とした昨年は21kg、3連作・無肥料2年目の今年が6.5kg。これは、連作と無肥料のダブルパンチで悪い成績となったこともあろうが、今年の種芋は前年より悪かったし、数も少なかった面もある。

<2020年の栽培管理>
 昨年、新品種2種類の試験栽培と在来品種を3分の1ずつ栽培した畝で、在来品種のみの単年栽培を連作で実施。
 欠損株やごく小さな芋しかできていなかった株があり、水洗い後の計測で、収穫量は8.4kgと少なかった。連作無肥料が災いしたようだ。
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