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三浦伸章「ガッテン農法」を知る [自然農法:基本論]

(このページは、2018-08-16に投稿しましたが、このブログの基本となるものの一つですから、投稿日を最新の日付に更新して常時トップ2のページに来るようにしています。)

 副題に「農薬・肥料に頼らず自然の好循環でおいしい野菜づくり」とある三浦伸章著「ガッテン農法」を先日購入した。
 慣行農法から無肥料栽培への移行期間の農法も書かれ、なかなか親切な本であり、大いに参考にしたいと考えている。
 自然農法に関しては、「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培」との出会い に従って順次進めているが、今回知った「ガッテン農法」も一部取り入れたい。そうした部分について、以下、書き記しておこう。

(P.16)ガッテン農法の畝づくり:畝を立てるのは最初の1回だけ
①畝を立てる場所の中心に溝を掘る
 幅50cmの溝を掘り下げる。耕土が20cmの場合:表層10cmを片側に、その下の10cmを反対側に積み置く。土壌細菌叢が違うから、耕土を混ぜないようにするのがポイント。
②硬盤層をショベルで崩す
 10cm間隔でショベルを刺して土を崩す。掘り返すのではなく、空気を入れるつもりで行う。水や空気の通り道を作るのが目的。
③溝に有機物を埋める
 籾殻燻炭、酢水、枯れススキ、落ち葉、米糠、籾殻燻炭、水の順番で入れ込む。燻炭は微生物の棲家になり、酢水は「微生物が、植物に根が生えてきたと勘違いし、自ら増殖する」効果があり、枯れススキは稲藁(お勧めしない)と違って空気と水をよくキープするから。麦、セイタカアワダチソウなどもよい。米糠は、ススキと落ち葉では窒素分が不足するから適量入れ込む。
④土で埋め戻して畝を作る
 最初に掘り出した耕土を順番を間違えないように戻す。最後に通路の土を少々削って乗せる。
⑤野菜の植え付けまで有機物マルチで畝を養生
 畝も通路も枯れススキで覆っておくとよい。
 なお、ネギをランダムに植えておくと土壌の微生物活性が高まる。

(P.28)通路でも土づくりをする
 通路や畑の周囲に緑肥作物を育てる。イネ科のソルゴー、エンバク、ライムギなど。夏野菜の定植時に通路に種をばら蒔いてもよい。大きく育たず夏には枯れるが畑全体の生物活性を高める。
 土はどこもかも裸にせずに草を生やしておくなり、枯草を敷いておくのがいい。
 通路が硬くなったら、ショベルを10cm間隔で刺して前方に少し押し、空気を入れる形で行う。生物活性が高まる。
 
(P.29)畝の利用法とメンテナンス
 雑草も収穫が終わった野菜も根を残しておく。根が分解された跡は微細なパイプ状の穴となり、水はけや通気性が向上し、また、この穴は微生物のかっこうの棲家となる。
 野菜を片付けて後作を栽培するとき、土が硬くしまった状態になっていたら、ショベルで空気を入れる。通路と同様のやり方で、ショベルを10cm間隔で刺して前方に少し押す。これで、生物活性が高まる。
 畝が低くなったときは、通路の土を枯草とともにショベルで掘って、積み上げ、大きな塊のまま積んでおき、1週間から10日後にザックリ崩して畝の形を整える。このとき土を細かくしないこと。

(P.38)植えつけとタネ蒔きの極意
<植穴復元植え>
 乾いた表層の土と、湿った下層の土を混ぜないこと。
 植えつけ前に植え穴に水を注ぐのは避けたほうがいい。
 しっかり鎮圧して新しい根の伸長を助ける。
 水やり不要。土が湿りすぎているときの植えつけは避ける。
★植えつけ前に酢水(合成酢でないもの、300倍散)に漬けて底面吸収させる。「有機酸によって土壌微生物が活性化し、根の活着を助ける」効果がある。
★植えつけた苗は風にあおられないよう細い棒で支え、根の活着を促す。
<踏みつけ蒔き>
 タネに土をかぶせたら、体重をかけてしっかり踏む。タネと土が密着して水分を吸収しやすくなる。水やり不要。土が湿りすぎているときは、タネ蒔きはお休みにする。
 野菜は競争相手がいると早期育成がとてもよくなる。
・バラまき ネギの苗づくり、緑肥作物栽培
・スジまき 小さな野菜(小松菜、カブ、ホウレンソウなど)
・点まき  大きな野菜(大根、白菜など)
★最初の間引きは、他の根を傷めないよう、引き抜かないで株元からハサミで切る。株間が広がったら引き抜いてよい。
<コンパニオンプランツ>
 ネギ類は多くの野菜と相性がいい。根鉢に添えて植え、根が絡んで育っていくようにする。アブラナ科とキク科の混植(例:白菜と春菊)もおすすめ。

 以上が総合編であり、個別の野菜についての留意点で参考にできるものが数多いが、それは逐次個別野菜の栽培で参照することとする。

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