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自然農法:山芋(むかごからの2カ年栽培)の連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:山芋]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。
 なお、「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。これは1回の処置で終わらせたが、サツマイモには大した効果はなかった感がした。「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであり、「百姓モドキの有機農法講座」に“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていた。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 山芋は幾種類もあるが、うちで栽培しているのは、2012年の秋に富士五湖へ行った折、忍野八海で河口湖産の丸芋を売っており、これを買ってきてトロロにしたら、けっこう天然の山芋に近い味であり、ゴツゴツしていない芋であるから調理もしやすかったので、種芋として一部を残し、2013年から栽培を始めた。その後、芋の形状がイチョウイモに変わり、そして、短径芋に変わった。この様子からすると、品種はどうやら大石芋(富士河口湖町大石地区産)らしいことが分かった。土壌や気候で芋の形が変わるのが大石芋の特徴とのこと。
 そして、大石芋の本場では、むかごからの2か年栽培をしているというので、2017年から順次2か年栽培に切り替え、2021年からは4畝栽培(各2畝を1年ずらしてむかご植え付け、植えっ放しの2か年栽培)とした。
 山芋栽培は2年空けよと言われているから、従前は連作しなかったが、2018年からは連作とし、無肥料とした。もちろん無農薬栽培である。

<2018-19年の2か年栽培:無肥料1畝>
 2017年12月、新たに予定した畝(永年栽培グラジオラスの一番西の畝)のグラジオラス球根を全部掘り出し、スギナが密生しているから、その地下茎を丁寧に除去し、畝作りを行う。
 「たんじゅん農」にのっとって無肥料栽培とするが、炭素素材としての刻み藁が底を突き、年数が経過した長藁を入れ込むこととした。なお、「たんじゅん農」も最初は深く耕すほうがいいようであり、また、山芋はイチョウ芋(その後短径芋)であってもけっこう深く伸びるから、可能な限り深く土起こしすることにした。
 土起こしに当たっては、上層、中層、下層の土が混ざったり逆転しないように注意しながら、順次藁を何層にも敷き込み、畝整形を行った。なお、整形後、休耕田の枯草を搬入し、雑草抑えと堆肥化を目論んで、厚く覆った。
 2018年4月下旬にむかご(一部小さな収穫芋)を畝に1列に47個を埋め込んだが、6月上旬になっても未発芽なものが3割あり、高畝につき発芽後に乾いて枯れてしまったかもしれず、その箇所に余っていたむかごを埋め込んでおいた。10月になって、まあまあの生育のものと生育が悪いものが半々という状態となった。
 翌2019年5月末にはほとんど全部が芽吹いた。10月に種にするむかごを収穫。
 11月初め、ほとんど全部枯れたので、芋を収穫。スコップで掘り進め、掘り進めるとともに枯草や山芋のツルそして刻み藁を混ぜ込む。
 さて、収穫量だが、昨年の2か年栽培収穫のものは有機肥料での1列栽培で25.6kgあったが、今年収穫の畝は無肥料での1列栽培で19.4kgと、まずまずの成績。

<2019-20年の2か年栽培:無肥料1畝>
 栽培畝は2017-18年のむかごからの2か年栽培畝と同じ個所とし、畝づくりの詳細は2018-19年栽培と同様だが、2018年11月、それに追加して硬盤層くずしを行った。耕土の下部は砂質土となっており、芋がここにぶち当たると先端が黒ずんでしまい、それ以上には深く芋が伸びていかないようなのだ。
 そのため、硬盤層をさらに20cmほど掘り出し、スコップにより畑起こしもどき(10cm間隔でスコップを刺し、前方に少し押す)を行い、山芋のツル、刻み藁、土混じりむかご(むかごの処分のため)を投入し、100倍散の竹酢液をジョウロで適当に散水。酢は土壌細菌の増殖を促すとのことであるから使うことにした。
 2019年4月下旬に畝の峰やや東側に大きそうなむかごを1列、約30cm間隔で並べつつ、約5cmの深さに埋め込んでいく。畝がけっこう広幅だから、畝の峰やや西側にくずっぽい小さな種芋をもう1列植え付けた。
 むかごは5月に概ね芽吹いたが、小さな種芋の発芽は思いのほか少なかった。6月下旬には休耕田の枯草を運び込み、山芋の畝に雑草抑えのため敷き込んだ。
 過去2年のむかごからの栽培1年目に比べ、ツルの勢いが悪い。これではたいした芋ができていないと思われる。なお、1年目につき、むかごはほとんど生っていなかった。
 11月上旬、ほとんど全部枯れ、支柱を除去し、ツルが伸びていた箇所には目印に短い棒を差したが、けっこう歯抜けになっており、そうした箇所には、今年収穫した単年栽培畝2畝のイチョウ芋で小さなもの(200g~50g)を植え付けることとした。40か所ぐらい植え付けて、目印の棒を差しておいた。また、2、30gのものが10個ほどあったので、これを東面の法の上部に埋め込み(ここだけ3列栽培)、目印の棒を差しておいた。けっこう広幅の畝につき、これもけっこう生育するのではなかろうか。
 11月下旬に雑草抑えと堆肥化のため、休耕田から搬入した枯草を補充し、畝全体を覆う。そして12月にビニールシートで覆って防寒することに。(2月下旬に外す。)
 2020年3月下旬に目印の棒を抜き、支柱を立てる。全部で95本。
 その後、幾度か草刈機で草を刈ったり、手で引いたりし、10月にはむかごが畝にこぼれないよう、全部収穫。若干はこぼれたであろう。
 11月半ばに収穫。欠損株はほとんどなく、まずまずの出来。28.1kgと昨年の5割増しだが、株数が昨年の倍であるから、喜べない。
 掘るときに、2021-22年産のために刻み藁や枯草を混ぜ込もうかと思ったが、出来はまずまず良いし、掘る作業がやりにくくなるので、混ぜ込みせず。

<2020-21年の2か年栽培:無肥料2畝>
 ネギ連作栽培の両側の畝(東畝はむかごからの2年がかりの栽培で昨年収穫、西畝は単年栽培で昨年収穫)で、今年むかごからの2年がかりの栽培を行う。
 2019年11月の山芋収穫時に、スコップで掘り進めるとともに、枯草や山芋のツルそして刻み藁を混ぜ込む。最後に刻み藁を畝にばら撒き、小型ビッチュウで畝尻の土をかき揚げ、粗整形。
 4月下旬にむかごを植え付け。まず支柱を差し、畝がまあまあ広幅ゆえ、2列植えとし、西畝に85個植え付け。東畝は支柱からして90個植え付けとなるも、むかごが14個不足。不足部分は秋に収穫の小芋を埋め込み、これは単年栽培を目論む。
 その後、何度か草刈り、草引きをし、10月に、少しばかり生ったむかごを収穫。
 11月に支柱を除去しつつ、目印に短い棒(折れた野菜用支柱)を差しておき、欠損箇所に今年収穫した小芋を埋め込み。田んぼから刻み藁を持ってきて、厚く覆う。12月に防寒のためビニールシート(西畝のみで、間違えて東畝は野ざらし)を掛け、2021年2月シートを外す。3月下旬に目印棒を引き抜いて支柱を差し直す。
 その後、何度か草刈り、草引きをしたが、大ざっぱにしただけ。
 どういうわけか今年はむかごが一つも生らなかった。
 今年は例年より早く10月初めに収穫。欠損株はほとんどなく、まずまずの出来。2畝合計で食用芋が41kg、種芋用が13kgであった。
 掘り進めるときに、堀跡には枯草や枯れツルのみ混ぜ込み。

<2021-22年の2か年栽培:無肥料2畝>
 サツマイモ畝の西側とヤーコン畝の東側の2畝(いずれも山芋単年栽培で2020年収穫)で、今年むかごからの2年がかりの栽培を行う。
 2020年11月の山芋収穫時に、東畝はスコップで掘り進めるときに枯草や山芋のツルそして刻み藁を混ぜ込む。最後に刻み藁や枯草で畝を厚く覆う。西畝は刻み藁などの混ぜ込みは省略し、刻み藁や枯草で畝を厚く覆う。
 2021年4月、支柱(2列)立てを行い、各畝に2列各40本を均等に差す。むかご約120個と昨秋に収穫したチビ山芋約40個を埋め込む。各畝80個栽培。
 その後、何度か草刈り、草引きをしたが、大ざっぱにしただけ。
 1年目は例年むかごの生りは少ないが、なぜか今年はむかごが一つも生らなかった。 
 今年収穫した山芋の中から、10月8日に食用にならない小芋のなかで少々大き目のもの約50個をツルが伸びなかった箇所へ埋め込み。
 昨年、間違えて防寒用ビニールシートを張らなかった畝であっても十分に収穫量が上がったので、支柱は差しっぱなしにして、防寒用ビニールシートを張らずに越冬させることに。ただし、枯草やサツマイモのツルを乗せ、そして刻み藁をたっぷり被せておいた。

<2021(秋)-23年の2か年栽培:無肥料2畝>
 2021年秋に収穫した2畝で、その秋に早々にむかごの代わりに小さな種芋(不足する分は食用芋の上部を切り取ったもので代用)を植え付け、22年に芋をある程度大きくし、23年に芋を十分に生育させることを目論む。
 これは、むかごが全くならなかったことによる代替措置であるが、過去にむかご代わりに極小さな種芋を使ったことがあり、問題なかろう。もっとも、発芽率が悪かったから、来年の欠損株の穴埋めが十分にできるかどうか、その点が心配ではある。
 21年秋の収穫後、刻み藁をどれだけかすき込んで畝整形し、小さな種芋を植え付け。なお、植え付けに先立ち短い支柱を差し込み、植え付け後に防寒用ビニールシートを峰にだけ張っておいた。12月半ばすぎにはシートの裾を峰にまで伸ばすことにする。シート押えはサツマイモのツル。 
 
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