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3.22 無肥料栽培で虫がうーんと少なくなった [自然農法:雑感]

(別立てブログで投稿した記事ですが、このブログに関りが深いので再掲します。)

 野菜に取り付く虫は、野菜の品種によって多かったり少なかったりする。うちで一番目立つのはキャベツである。キャベツの内葉は幾重にも巻き、何枚かの外葉は広がる。真冬であっても、外葉の付け根辺りにイモムシが潜んでいて糞を大量にこき、糞だらけとなる。無農薬栽培すると、こうなる。
 イモムシの糞は決して汚いものではない。もっぱらキャベツの外葉を食べて未消化のものが排泄されるだけのことであるし、匂いもないし、洗えば簡単に流せる。そして、イモムシは色の濃い外葉が好物のようで、人間様が食べるしっかり巻いた白い内葉は食べないから、敵視する必要はどこにもない。
 しかし、厳冬期となると、イモムシはやがて内葉の付け根に潜り込み、出たり入ったりし、彼らの食事時が終われば付け根に潜り込んで寒さをしのぐ。
 よって、収穫するときには、内葉の付け根に潜り込んでいるイモムシごと収穫してしまうことになるから厄介である。長く冷蔵庫保管しておくと、彼らにとっては不味い葉っぱだろうが順次これを食べ始め、1か月も置こうならキャベツの中身をどんどん食い荒らしてボソボソにしてしまい、人間様にはまったく食べられたものではなくなる。
 食べるんだったら必要の都度、1個1個収穫してくることになるし、芯周りに潜んでいるイモムシを除去するために、いったん水に漬けておく必要がある。こうすると、イモムシが酸欠になって浮き上がってきて、かなり除去できるが、全部は除去できず、早めに使ってしまわねばならない。
 こうしたことから、1匹でもイモムシがいたら“キャッ”と声をあげる御仁には無農薬キャベツは、とてもじゃないが調理できない。幸い我が女房は抵抗感がないから使ってくれるが、時には何十匹もいたりして、そうしたときはやはり気持ちが悪いという。
 さて、ここ1、2年、多種類の野菜について無肥料栽培に取り組んできた。普段通りに生育するものもあれば、そうでないものもある。キャベツについては、これで2年無肥料連作で、間に挟む夏野菜も無肥料だ。肥料がスッカラカンになっているのは間違いなかろう。まだ、土壌細菌が十分な状態になっていないようで、キャベツの玉の巻き方は貧弱なものだ。いいものであっても、通常の半分ないし3分の1程度の重量しかない。
 ところが、である。例年、外葉の付け根辺りは糞だらけとなっているのだが、今期はそれがまったく見当たらない。イモムシがまったくいないのである。無肥料栽培がうまくいくとイモムシは付かないと聞いているが、まさしくそうなった。
 ただし、虫がぜんぜん取りつかなくなったかというと、そうでもない。今日、女房に聞いてみたら、小さな虫が少しは見つかるという。通常のイモムシとはまた違ったイモムシがしつこく取り付いているらしい。
 野菜全般、無肥料栽培がうまくいくと虫は一切付かない、とは、何とも不思議な現象だが、うちの畑はそうなりつつあり、ビックリさせられる。
 そして、味のほどは、キャベツに関しては有機肥料栽培していたときと変わらず、甘くておいしい。話に聞くと、無肥料栽培野菜は、自然な味がし、有機肥料栽培のような誇張された味はしないとのことであるが、その違いは今のところ小生の舌では判別できず、である。ただし、同様に無肥料栽培しているニンジンは、有機肥料栽培の時よりも匂いが若干抑えられたような感がし、これじゃあ化学肥料栽培と一緒じゃねえか、と思ったりする。
 無肥料栽培にはまってしまった小生、百姓がますます面白くなってくる。  
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