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6.29 万田酵素よ、効いてくれ! [自然農法:雑感]

(別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、チャレンジ自然農法に関するものは、このブログで再掲することにします。)

 無肥料栽培に取り組んで2年目(一部のトマトは3年目)の今年、夏野菜の生育が昨年以上に思わしくない。長年の慣行農法、といっても化学肥料は使わず、気持ち控え目に有機肥料だけ施肥して、これまでやってきたのだが、その残留肥料も底を突き、肥気がスッカラカンになっていようから、成育がとんと悪いのであろう。加えて、慣行農法で連作は避けるべしとなっている野菜も連作しているから、それが追い打ちをかけている。
 肥料分が完全に抜けて無肥料栽培がうまくいくようになると、野菜や雑草の根っこがビッシリ張り、それが土中で枯れれば、それを栄養として土壌細菌が増殖し、その土壌細菌が植物に必要な栄養分を供給してくれるようになるとのことである。そして連作障害も出なくなるという。これにかかる年数は、通常3年と言われる。
 今年は正念場である。無肥料栽培2年目の今年、いかに生育が悪くても一切の施肥をせず、じっと我慢すれば、3年目の来年は野菜がすくすく育ってくれる可能性がある、そう信じて肥料袋には一切手を付けないでいる。
 しかし、である。キュウリ第1弾(早期栽培の購入苗)は葉の色は薄く、どれだけも背が高うならず、ちょちょっと生っただけで、今や枯れようとしている。無農薬栽培1年目の昨年の半分も収穫できず、一昨年の施肥栽培に比べれば8割減の収穫量だ。トマト(早期栽培の購入苗(接木))にしたって一向に背が伸びず、幾つか実が生っているが、これも昨年の半分程度の収穫量に終わるだろうし、一昨年の施肥栽培に比べれば4分の1程度の収穫量になるだろう。紫ナス(早期栽培の購入苗)は、昨年は初期にどれだけか収穫できたのだが、今年は遅々として成長せず、実が生るかどうかさえ危うい状態で、ひどいものである。
 このように早期栽培のキュウリ、トマト、紫ナス、この3種類はいかにも惨めな状態になり、自家消費にも事欠き、お隣さんからいただいたりしている。
 成育が悪いものはこれに止まらない。種を自家採取して冷床種蒔きした白ナスと世界一トマトの生育も昨年より悪い感がする。なお、白ナスは2畝あり、1畝は親戚からいただいた温室育苗した早期栽培の苗で、初期は、うちで冷床種蒔きした通常期栽培の白ナス苗より大きかったが、今では逆転してしまった。前者は化学肥料栽培で種を自家採取して育てた苗につき、その生命記憶から無肥料土壌に面くらって、生育をストップさせてしまったように思われる。その点、後者は無肥料栽培の生命記憶があるだろうから、どれだけかは救いである。
 まだ、ある。ゴーヤは昨年以上に生育がのろく、いつになったらツルが伸び上がるのか見当が付かない。はたして実を付けてくれるか、心配になる。カボチャも昨年よりツルの伸びが悪い。一昨年の施肥栽培に比べて昨年は4分の1の収穫量、つまり1株に1個しか生らなかったのだが、今年はそれすら難しいかもしれない。
 チョウ悲惨だったのはトウモロコシ。わりと順調に生育してくれたものの、雌花は過半が付かず、付いても小さいから、収穫はゼロに近い。第2弾、第3弾、追加種蒔きした第4弾も望み薄だろう。
 昨年無肥料でも成功したオクラ、十六豆(白種、黒種の2種類)、メロンは、今年も昨年同様の生育をしてくれているようであり、これはうまくいきそうだ。
 他に夏大根があるが昨年以上に成績がいい。一方、夏キャベツは生育遅れだ。この2種類は、空き畝があるから栽培しているだけだから、たいして期待はしていない。

 さーて、多くの夏野菜が生育不良だから、何とかしたくなる。肥料を欲しがるのは、トウモロコシを筆頭にして、カボチャ、ナス、ゴーヤ、キュウリと続く。トマト、十六豆、オクラはたいして肥料を欲しがらない。
 そこで、肥料を欲しがる野菜に草木灰を振ろうかどうか、その誘惑にかられたが、自然農法家の意見は二分しており、草木灰はけっこうな量の在庫があるも、その使用を見送ることにした。やはり土壌細菌の適正化には余分なものを与えないほうがいいのではなかろうかと思って。
 しかし、施肥もせず、草木灰も振らず、何もしないで傍観していていいのか。
 そこで、思い出した。万田酵素が残っている。これを使おうじゃないか。これを買ってから数年以上は経過しているが、使ったり使わなかったりで、その効果のほどは判明していない。ここ2、3年の無肥料栽培には使っておらず、使ったのは有機肥料栽培下であったから、無肥料栽培ともなると効いてくれるかもしれない。万田酵素はヒトに例えるならユンケルにようなもので、植物の滋養強壮剤だ。息絶え絶え、空腹感に打ちひしがれている夏野菜に元気を付けてくれるかもしれぬ。
 思い立ったが吉日。早速、今朝、万田酵素を葉面散布することにした。9リットルの噴霧器に500倍散(仕様書では1000倍散となっているが、雨で葉が濡れており、今日は雨が降るかもしれぬから濃くした)をいっぱいにし、畑に出かける。
 今にも雨粒が落ちてきそうな天気。雨が降り出せは流れ落ちてしまい、葉っぱからの吸収はできなくなる。“お天道様、雨を降らせたもうな”と祈りつつ、各種夏野菜に噴霧。大丈夫そうなメロン、十六豆には使わず、やっても無駄と思われるトウモロコシはパス。不要と思われるオクラ、大根とキャベツにも噴霧。ゴーヤはやり忘れ。
 その後、天気のほうは、一時ほんのかすかに霧雨が降ったが、時折日が射しそうになるほどの好天に恵まれ、葉面吸収が概ね進んだことであろう。お天道球に感謝、である。
 さあ、やることはやった。なお、万田酵素の噴霧は、定期的に3回はやるといいとのことであるから1週間ないし10日間隔で、あと2回は噴霧しようじゃないか。
 あとは、夏野菜君たちに、“頑張ってくれ!”とお願いするしかない。
 手探りで無肥料栽培にチャレンジしている小生です。来年の今頃、“無肥料栽培、大成功!”という記事を書きたいものです。

(備考)
 うちでは、全部が全部を無肥料栽培しているわけではありません。当地特産「徳田ねぎ」は小生の自信作であり、今の味を落とさないよう慣行農法(有機肥料を主に、苦土石灰と石灰窒素を少々)で栽培しています。なお、これの栽培にあたっては頻繁に土寄せせねばならず、土壌をかき混ぜてしまいますし、雑草もほとんど生えませんから、土壌細菌の増殖ができず、無肥料栽培には適していないと考えられます。
 そして、果樹の場合、栽培して間もないビワは今年は甘味が落ちましたので、収穫後に米糠をたっぷり振り撒いておきました。これは甘夏がそうだったですから、その例によりました。当面、鶏糞や草木灰も撒く予定です。
 草木灰の利用については、この春、ニンニクにけっこうな量を撒きました。というのは、肥料を欲しがるニンニクですし、成育が前年より悪かったので、このままでは小さな玉しかできそうにないと思い、そうしたところです。そのせいかどうか分かりませんが、ニンニク栽培は成功しました。
  
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6.18 人生最後の畑での大仕事 [自然農法:雑感]

(別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、チャレンジ自然農法に関するものは、このブログで再掲することにします。)

 昨年に古希を迎えた小生であり、ビッチュウを使っての畑仕事は余程のことがないかぎり止めにした。ましてやスコップまで持ち出しての深掘りは金輪際しないと昨年決めた。
 そんなおかしなこと、なんだ?と言われよう。耕運機を使えばいいじゃないか、深掘りならトラクターを頼めばいいじゃないか、そして天地返しと言って深さ1mほどの土をひっくり返すショベルカーだって導入すりゃいい、これが普通一般常識である。
 しかし、機械を使うと、その自重で土が硬く締まってしまうし、細かく耕し過ぎるから、これまた土が硬く締まりやすくなる。つまり、酸欠状態となり、土壌細菌が貧相なものになってしまう。加えて、上層、中層、下層と土壌細菌は棲み分けており、機械だと万遍にかき混ざってしまい、土壌細菌が面食らう。天地返しなんてしようものなら土壌細菌はびっくら仰天、大幅に数を減らす。おまけに、一般的な慣行農法では化学肥料を使うから、より土壌細菌が少なくなってしまう。
 こうしたことから、本当の野菜作りには、土壌細菌を増やし、土壌細菌を適正化するのが最重要となるからして、機械は使ってはダメだし、有機肥料だって害になる。これは、ヒトの腸内細菌の適正化と同じようなものである。
 この観点に立って土づくりをするのが、自然農法の基本となっており、土はあまりいじらす、大がかりに耕すのは1回こっきりとし、入れ込むのは基本的に枯草だけで、それも何を入れるかは吟味して取り掛からねばならないのである。
 さて、大がかりとは言えないものの、昨年4月に、晩秋にエンドウを種蒔きする畝をいったん壊してけっこうな深さの凹状にし、藁を2段に敷いて畝の作り直しを行なった。
 そのとき、慎重さを欠いて、処分が面倒だからと生の冬野菜の残骸も畝の一部に埋め込んでしまった。そうしたところ、生の冬野菜の残骸を埋め込んだ部分は、極端にエンドウの生育が悪く、収穫も少なかった。他の部分は無肥料ながら平年並みに生育し、収穫量も平年並みであった。
 来期はこの畝にタマネギを作付けする。慣行農法では、タマネギは連作は避けたほうがいいし、エンドウともなると連作は問題で4年は空けよと言う。自然農法が軌道に乗れば連作が可能となるとのことであるが、それに取り組んでまだ2年しか経っていないから、いまだ不完全と思われ、当面、タマネギとエンドウは交互作を考えている。
 そのタマネギであるが、無肥料2年目の今年は不作、無肥料1年目の一昨年も不作。タマネギは肥料を欲しがるというから、無肥料がたたったのかもしれない。
 そこで、考えた。このままだと、エンドウが不作だった畝の一部、約4mであるが、その後作のタマネギはチョウ不作となりはしないか。ここは、本格的に大がかりな土の耕しをしなきゃいかんだろうと。
 それを今朝実行。昨年は40cm弱の耕しだったが、今年は60cmほどの耕しに加えて、その下層はスコップを差し込んで空気を入れるという作業も追加した。基本は「たんじゅん農」を元に三浦伸章著「ガッテン農法」を応用したやり方だ。
 その作業手順は次のとおり。
 まず、表土15cmほどをビッチュウで東側に退け、畝は概ねフラットになる。次に、その下の20cmほどの土をビッチュウで西側に退ける。大きな凹状になる。
 ここからが大変。その下の土をスコップで掘り、土を凹地に積み置く。これで深さ20cmほど掘り進んだ。次に、スコップを差し込んで前方に押し、空気を入れる。
 休耕田から運び込んだ枯草(大半はヨシの類似品、これがよさそうだ。)を少しずつ敷きながら、退けた土を順次埋め戻していく。枯れ草は都合4層入れた。
 要作業区間は4m。たったこれだけで2時間を要した重労働。早朝作業だったが、汗でビッショリ。ここまで大がかりに土を耕したのは、昨年に山芋用に畝を作った2畝、総延長20m以来だ。あの時は、丸一日かけて畝を1本作り、最後はバテバテになった。そのとき、こんなことはもう二度とやるまいと決めていたものの、今日はたった4mだからと安易に考えてやったのだが、これほど大変な作業とは思わなかった。
 昨年決めたことだが、金輪際かような大仕事は、我が人生最後とした次第。
 何とかして大いなる手抜き農法つまり“耕さない、除草しない、施肥しない”という「三ない農法」へ将来的にはもっていきたいものだ。
  
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