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「チャレンジ自然農法」、サツマイモとメロンの列を交互作付け・無肥料・無農薬栽培 [各論:サツマイモ&メロン混植]

(この記事は2020-11-19が最終追記で、その後の状況は少々作付け方法が異なりますが、新規記事「自然農法:サツマイモの連作・無肥料無農薬栽培」及び「自然農法:メロンの連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前(2016年晩秋から翌春)に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、場所によってはサツマイモにけっこうな被害が出ていて、ずっと畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、2017年晩秋にサツマイモを掘ってみたところ、ほとんどその効果は感じなかった。また、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、被害がひどい須賀前の畑の一番西(別記事)以外はこれまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。

 さて、サツマイモとメロンの混植栽培であるが、ここ2、3年、基本的には広幅1畝の中央に1列メロンを植え、その両側に各1列サツマイモを植えるという方法を取り、メロンの収穫が終わりかけた頃からサツマイモのツルが畝全体を覆い、メロンは枯れてサツマイモだけの畝になり、効率よく2つの作物の収穫をしてきた。もっとも、湿り気が多い土壌のせいかメロンは実る前に枯れることが多い。
 そうした畝が5畝あり、うち3畝はサツマイモを連作し、メロンは苗の定植位置を変えたり、カボチャにしたりしていた。メロンは連作を避けよ(3年空ける)とされているからである。

 来年(2018年)は、広幅畝といっても畝幅が少々足りない畝(自宅前の畑2畝)は、若干の作付け変更を行うこととした。ここは、サツマイモとメロンを各1列植えとして畝を立て直し、連作障害を少しでも回避するために交互作付けすることとした次第。須賀前の畑の真ん中辺りに連続して2畝ある広幅畝(輪作し毎年場所移動してきた)は、連作とし、サツマイモとメロンで3列(真ん中にメロン)栽培とし、メロンの連作障害がいかほどのものか、これも実験だ。
 なお、ネコブセンチュウ被害がひどい須賀前の畑の一番西の広幅畝は先に書いたように別記事とするが、今年はサツマイモの栽培を中止し、マリーゴールド栽培でお茶を濁す。
 この作付け計画にのっとり、晩秋には土づくりをすることとする。
 その方法としては、昨年ネコブセンチュウ対策で取った方法と同じだが、枯れたサツマイモのツルと藁を埋め込んでの畝整形である。勿論、サツマイモもメロンも毎年無肥料でいく。

 サツマイモは連作が利くし、肥料は少なくて済むから、今まで連作していた箇所は少々の施肥としていたし、従前、輪作していた作付け箇所は残留肥料があろうから無肥料としていた。よって、2018年は土づくりが不十分であっても若干の残留肥料で収穫量が激減することはなかろう。一方のメロンは、残留肥料はあろうが、連作障害が危惧されるし、例年早々に枯れてしまうことがけっこうあるから、大幅な収穫減も予想されるが、2品種で5列もの栽培をするのだから、どこかの畝で自家消費分は十分に賄えることだろう。

 このページでは、自宅前のサツマイモとメロンの交互作付けについて記すこととし、須賀前の「サツマイモとメロンで3列(真ん中にメロン)連作栽培」については、別ページで書くことにする。

<2018年 自宅前畑でのサツマイモとメロンの作付け>
(2017年12月4日)
 自宅前の畑の南区画(2017年は紅あずまとペポカボチャ各1列栽培の跡地)2畝の広畝(※)作りを行う。刻み藁が足りなくなるかもしれず、使わないことした。ビッチュウで起こしてから中央部に凹を付け、サツマイモのツルの残骸を埋め込んだ。そして、畝の両サイドに鍬で溝立てし、藁を入れ埋め戻し。
(※)その後、春に畝直しを行い、広幅2畝を普通幅4畝にした。
(5月27日)
 普通幅4畝にした後、草叩きと畝整形を2度ほど行い、西からメロン・サツマイモ・メロン・サツマイモの順に植え、メロンの収穫が終わったところで、4畝とその両側にサツマイモのツルを這わせることとした。来年は、栽培種を入れ替え、交互作付けとする予定だ。
 本日、種蒔きして育苗したメロンのポット苗を定植し、ウリハムシがけっこういそうなので、寒冷紗でもって防虫ネットトンネルを作る。
 なお、自宅前でのメロン栽培は、「自宅前の畑でのメロン栽培(苗の定植以降)」で詳細を記す。
(6月2日)
 2日前に届いたサツマイモ苗を今日定植。西の畝に「紅はるか」、東の畝に「紅あずま」を各20本ずつ植える。
 なお、自宅前でのサツマイモ栽培は、「自宅前畑でのサツマイモ(紅あずま・紅はるか)&メロンの混植栽培」で詳細を記す。
(8月17日)
 今年は早く梅雨明けし、その後、雨がほとんど降らず、メロンの根腐れがなく、枯れることがなかった。8月5日から収穫を始め、本日で終了。残留肥料だけであるが、例年以上に豊作であった。
 サツマイモのツルも順調に伸び、葉っぱの勢いもいい。
(10月26日)
 本日、サツマイモ(紅はるか、紅あずま)の収穫。従前は紅あずまの施肥栽培(有機肥料を少なめ)であったが、無肥料栽培の今年の1株当たりの収量は、2016年並み、2017年の2割減となり、まずまずの成績となった。
 芋掘りにあたっては、後作(メロン)の畝づくりを兼ねて、刻み藁をばら撒いてから、小型ビッチュウで畝起こしをしながら刻み藁をすき込んだ。1畝にダンボール箱1箱としたが、とても足りず、倍量入れる必要があった。
(11月14日)
 ネコブセンチュウ被害は、土がついた状態では1、2割程度に思えたが、洗ってみたら過半に何らかの被害がある。そこで、ネコブセンチュウ退治薬剤(ネマトリンエース:ホスチアーゼ粒剤)を先日JAで買い、今日、これをすき込むことに。
 まず、刻み藁を少々ばら蒔く。粗畝が完成しているメロン畝(今年サツマイモ栽培)とメロン収穫後そのままにしてある畝(来年サツマイモ栽培)の両方にネマトリンエースを規定量振りまく。
 サツマイモのツルは、まだ十分に枯れていないが、来年のメロン畝を再度起こしながら埋め込む。来年のサツマイモ畝は、半分堆肥化しかけた藁(メロンの敷き藁)と少々の刻み藁を畝起こししながら埋め込む。

<2019年 自宅前畑でのサツマイモとメロンの作付け>
 メロンは昨年のサツマイモ畝に5月25日に定植。品種は「網干メロン」で湿気に強く、長梅雨であったが根腐れすることなく、豊作であった。
 6月14日にサツマイモ苗を昨年のメロン畝(後作にネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)を栽培)に定植。東畝に紅はるか25本、西畝に安納芋25本とした。株間30cm弱。紅はるかは生育がいいが、安納芋は勢いが弱い。
 8月12日にメロン跡にネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)の種蒔きをしたが、順調に芽吹いた。晩秋に刈り取り。
 11月9日にサツマイモ2畝とも掘る。約7m畝(25株)で、紅はるかは11.5kg、安納芋は9.5kg。昨年の紅はるか(20株)が15.6kgであったから、無肥料2年目で収穫量がだいぶ落ちた勘定になる。
 なお、ネコブセンチュウ退治薬剤が効いたのであろう、被害はだいぶ軽微となったが、ネコブセンチュウに強いと言われる紅はるかは良かったが、安納芋は被害がどれだけか生じた。

<2020年 自宅前畑でのサツマイモとメロンの作付け>
 メロンは昨年のサツマイモ畝に5月25日に定植。品種は「網干メロン」で湿気に強く、長梅雨であったが根腐れすることなく、豊作であった。
 6月15日にサツマイモ苗を昨年のメロン畝(後作にネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)を栽培)に定植。2畝(各畝約7m)とも紅はるか27本。
 8月2日にメロン跡にネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)の種蒔きをしたが、順調に芽吹いた。晩秋に刈り取り。
 11月9日にサツマイモ2畝とも掘る。約7m畝(25株)2畝で、紅はるかの収穫量10.7kgと不作に終わった。
 なお、ネコブセンチュウ対抗植物が効いたのであろう、被害はだいぶ軽微となった。

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「チャレンジ自然農法」、サツマイモ2列メロン1列の混植・連作・無肥料・無農薬栽培 [各論:サツマイモ&メロン混植]

(この記事は2020-11-19が最終追記で、その後の状況は新規記事「自然農法:サツマイモの連作・無肥料無農薬栽培」及び「自然農法:メロンの連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前(2016年晩秋から翌春)に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、場所によってはサツマイモにけっこうな被害が出ていて、ずっと畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、2017年晩秋にサツマイモを掘ってみたところ、ほとんどその効果は感じなかった。また、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、被害がひどい須賀前の畑の一番西(別記事)以外はこれまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。

 さて、サツマイモとメロンの混植栽培であるが、ここ2、3年、基本的には広幅1畝の中央に1列メロンを植え、その両側に各1列サツマイモを植えるという方法を取り、メロンの収穫が終わりかけた頃からサツマイモのツルが畝全体を覆い、メロンは枯れてサツマイモだけの畝になり、効率よく2つの作物の収穫をしてきた。もっとも、湿り気が多い土壌のせいかメロンは実る前に枯れることが多い。
 そうした畝が5畝あり、うち3畝はサツマイモを連作し、メロンは苗の定植位置を変えたり、カボチャにしたりしていた。メロンは連作を避けよ(3年空ける)とされているからである。

 来年(2018年)は、広幅畝といっても畝幅が少々足りない畝(自宅前の畑2畝)は、若干の作付け変更を行うこととした。ここは、サツマイモとメロンを各1列植えとして畝を立て直し、連作障害を少しでも回避するために交互作付けすることとした次第。須賀前の畑の真ん中辺りに連続して2畝ある広幅畝(輪作し毎年場所移動してきた)は、今年から連作とし、サツマイモとメロンで3列(真ん中にメロン)栽培とし、メロンの連作障害がいかほどのものか、これも実験だ。
 なお、ネコブセンチュウ被害がひどい須賀前の畑の一番西の広幅畝は先に書いたように別記事とするが、今年はサツマイモの栽培を中止し、マリーゴールド栽培でお茶を濁す。
 この作付け計画にのっとり、晩秋には土づくりをすることとする。
 その方法としては、昨年ネコブセンチュウ対策で取った方法と同じだが、枯れたサツマイモのツルと藁を埋め込んでの畝整形である。勿論、サツマイモもメロンも毎年無肥料でいく。

 サツマイモは連作が利くし、肥料は少なくて済むから、今まで連作していた箇所は少々の施肥としていたし、従前、輪作していた作付け箇所は残留肥料があろうから無肥料としていた。よって、来年は土づくりが不十分であっても若干の残留肥料で収穫量が激減することはなかろう。一方のメロンは、残留肥料はあろうが、連作障害が危惧されるし、例年早々に枯れてしまうことがけっこうあるから、大幅な収穫減も予想されるが、2品種で5列もの栽培をしているから、どこかの畝で自家消費分は十分に賄えることだろう。

 このページでは、須賀前の「サツマイモとメロンで3列(真ん中にメロン)連作栽培」について記すこととし、自宅前の「サツマイモとメロンの交互作付栽培」については、別ページで書くことにする。

<2018年サツマイモとメロンで3列栽培>
 栽培の詳細は、「須賀前の畑でのメロン栽培(苗の定植以降)」、「メロン&サツマイモ(安納芋)の混植栽培」でを記す。
(2017年12月4日)
 須賀前の畑(2017年安納芋2列、中央にメロン1列栽培の跡地)2畝の翌年用の畝作り(連作)を行う。刻み藁をばら撒き、ビッチュウで起こしてから、中央部に凹を付け、サツマイモのツルの残骸を埋め込んだ。
(後日追記)鳴門金時の栽培予定地は1年間休ませ、マリーゴールドを植えるから、安納芋4列中1列は鳴門金時とし、安納芋は3列を予定する。
(2018年4月23日)
 粗整形した広幅2畝は畝の中央部が凹んでおり、これではメロン苗植え付けに適さない。今日、雑草叩きしつつ、土を中央に若干寄せる。これで概ねフラットな状態となった。
(5月27日)
 1週間前に草叩きし、土寄せしてメロンのために畝の中央部を少々盛り上げておいた。
 本日、種蒔きして育苗したメロンのポット苗を定植し、ウリハムシがけっこういそうなので、寒冷紗でもって防虫ネットトンネルを作る。
(6月5日)
 サツマイモ苗を購入して1週間経つが、やっと明日雨模様だから、今朝、サツマイモ苗を植え付け。防虫ネットトンネルの両際に「安納芋」3列(101本)、「鳴門金時」1列(30本)を植える。
(8月8日)
 メロンは無肥料・連作という厳しい条件(ただし残留肥料はあろう)ではあるが、予想外の豊作となった。なお、枯れるのが遅れて熟したものが多く収穫できたのは、梅雨明けが7月9日と早く、その後も25日に20mmの降雨があっただけで、土の湿り気が少なかったからだろう。
(10月26日)
 広幅2畝で計4列栽培のサツマイモのうち鳴門金時1列を今日掘る。収穫量は15.6kg(1株当たり0.5kg)と少ないものとなった。2015年に鳴門金時6株で5kg強の収量があったから、肥料不足か。
(11月11日)
 安納芋を3列全部収穫。ここ2年、約10m2畝、計4列(100株)を作付けし、2016年171kg、2017年150kgの収量を得たが、今年2018年は株数は同じだが3列としたところ、95kgの収量を得る。株数からいうと3、4割減、作付けメートルからいうと1、2割減となった。
(11月12~14日)
 安納芋など栽培した広幅2畝について、ネコブセンチュウ退治薬剤(ネマトリンエース:ホスチアーゼ粒剤)を先日JAで買い、今日、これをすき込むことに。
 まず、刻み藁をけっこうな量、田んぼから拾ってきてばら蒔く。その後、ネマトリンエースを規定量散布し、畑起こししながら混ぜ込む。
 広幅2畝につき、5列の畑起こしをし、真ん中の列を起こした後、両サイドの各2列に振り分ける。さらにスコップで土を両サイドに振り分け、テンワで土移動させて整形。
 休耕田の枯草を軽トラで運び、畝全体を枯草で覆う。
 後日、一番西の畝(休耕しマリーゴールド栽培)についても同様の措置をした。

(2019年8月19日)
 5月25日に広幅3畝の中央列にメロンを定植。例年どおり生育は良く、無肥料にもかかわらず実も十分に付けた。ただし、長梅雨のせいか梅雨明け前後から根腐れしたのだろう、どんどん枯れてしまい、完熟メロンの収穫はわずかしかなかった。
 6月14日に、中央列メロンの両隣に各1列サツマイモ苗を定植。10m強の畝に1列37本。株間は26cmほど。広幅3畝中、中央部の西畝を除いて、2畝とも東列に紅はるか、西列に安納芋を作付け。
 中央部の西畝は今年はサツマイモは作付けせず、ネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)を栽培すべく、メロンの収穫後に種蒔きし、直ぐに芽吹き、順調に生育中。
(11月8日、13日)
 サツマイモを掘る。両方の広幅畝ともに、西列の安納芋は、東列の紅はるかのツルの伸びに負けてしまい、成育が悪かった。
 安納芋は、西端畝(約10m畝37株)が14.8kgの収量で、昨年の5割を切る不作。中央畝(同規模)が6.9kgの収量で、昨年の2割の出来と不作。
 紅はるかは、西端畝(約10m畝37株)が45.5kgの収量で、豊作。中央畝(同規模)が36.1kgで、まあまあ豊作。
 なお、ネコブセンチュウ被害は、これに強いという紅はるかにはほとんどなく、安納芋に若干あっただけにとどまったが、これは退治薬剤が効いたからだろう。

(2020年11月19日)
 5月24日に広幅3畝の中央列にメロンを定植。例年どおり生育は良く、無肥料にもかかわらず実も十分に付けた。ただし、昨年と同様に梅雨明け前後から根腐れしたのだろう、どんどん枯れてしまい、完熟メロンの収穫はわずかしかなかった。
 6月15日に、中央列メロンの両隣に各1列サツマイモ苗を定植。10m強の畝に1列40本弱で昨年と同様。今年の作付けは全て「紅はるか」。
 中央部の東畝は今年はサツマイモは作付けせず、ネコブセンチュウ対抗植物(コブトリソウ)を栽培。メロンの収穫後に種蒔きし、順調に生育し、11月9日に刈り取り。
 11月1日、2日に収穫。西端畝の収穫量50.4kg、中央部の西畝の収穫量23.6kgと昨年に比べて物足りない収穫となった。
 なお、ネコブセンチュウ被害は、ほとんどななかった。これは、退治薬剤なり対抗植物が効いたからだろう。

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「チャレンジ自然農法」、里芋の連作・無肥料無農薬栽培 [各論:里芋]

(この記事は2020-11-19 が最終追記で、その後の状況は新規記事「自然農法:里芋の連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

(2017年11月11日)
 さて、里芋栽培であるが、里芋は連作を嫌い4年空けよと言われており、今までうちもそうしてきた。でも、2018年からは連作とし、無肥料とする。もちろん無農薬栽培である。
 2017年の作付けは、慣行農法によったうえに、石灰窒素が好成績を収めるとのことで、けっこうな量を敷き込んだ。加えて、冬季の種芋保存に失敗し、植え付けはクズ芋が過半であり、生育も悪かったから、かなりの肥料分、特に窒素分が相当量残っているであろう。よって、2018年は無肥料と言えども、半分施肥栽培ということになる。
 
 今年(2017年)の里芋の収穫は、ぎりぎり粘って11月下旬に掘ろうと思っている。掘り終って幾日か経ち、里芋の地上部が枯れたのを見計らって、同じ畝を大きく凹状にし、枯れた里芋の地上部と十分な量の藁を敷き込み覆土、これを2回行って、畝立てしておくことにしている。刻み藁を使うと満遍なく土に混ざるのだが、在庫不足で、こうするしかない。なお、雑草の枯草も利用すると良かろうが、里芋の畝は何度か土寄せを行ったから、大して雑草が生えなかった。

 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとし、里芋に欠かせない土寄せも控えたほうが良かろう。となると、畝作りに当たっては、通常のカマボコ型とはせず、頂を凹状にした少々ツンボリ高いものにしておき、ある程度生育後に凹みを埋めることにしたほうがいいだろうが、果たして思惑どおりにうまくいくか、少々疑問ではある。
 また、来年の収穫時には、掘り起こすときの土移動は最小限とし、畝の再整形に当たっては表層10cm程度に刻み藁などを混ぜ込もうと目論んでいる。

 土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものであるが、里芋に関しては、連作障害と土いじりの問題があり、長丁場を覚悟して取り組むしかなかろう。
 里芋が豊作のときは、自家消費は2割ほどで、残り8割は親類縁者などに差し上げているのだから、不作続き(今年がそうだろう)であっても困らない。そうした余裕があるから、連作・無肥料の「たんじゅん農」にチャレンジできるといったところだ。 
 なお、里芋の畝はスギナがけっこう生える。「たんじゅん農」が成功すれば、スギナも絶え、雑草もほとんど生えなくなるとのことであり、それを夢見ている。

(2017年11月22日)
 5日前に収獲した跡(自宅前の畑、南区画中央3畝)に、今日、来季の畝作りを行った。当初予定とはだいぶやり方を変え、次のとおり。
 まず、田んぼから刻み藁を持ってきて、収穫後の畝にばら撒き、ビッチュウで起こす。
 次に、畝の法面下方(法尻の少し上)の位置を鍬で溝立てし、藁を敷き込み、土を戻す。その後、畝の峰を鍬で大きく溝立てし、ここにも藁を敷き込み、土を戻す。続いて、反対側の法面下方の位置を鍬で溝立てし、藁を敷き込み、土を戻す。
 これにより、畝の下に藁が3列敷き込め、刻み藁が満遍なく土に混ざり、「高炭素素材」(藁はそれほど高炭素ではないが)を十分かどうかは分からないが、まずまず入れられたのではなかろうか。
 初年度につき、このように、なるべく深く掘り、丁寧に藁入れを行ったところである。
 5月半ばまで、このまま養生し、土壌細菌が藁を食べて増殖してくれるのを祈るのみである。

<2018年>
(5月6日)
 ここ2年は種芋保管に失敗し、それがために不作であったが、今年は成功し、4月15日に芽出しのため発泡スチロール箱に埋め込み、全体に芽吹いてきた5月6日に所定の3畝に定植。
 詳細は「里芋の栽培」で記す。
(10月15日)
 残留肥料があったせいか、3畝のうち東2畝はその後も順調であったが、10月になって中畝は委縮しだした。西畝はそれが顕著。連作障害が出たのか、これでは大幅収穫減になりそう。
(11月17日)
 今年の里芋の生育は、地上部を見ている限り、最悪の状態にあった。近隣の多くの農家が、今夏の異常高温と旱魃で出来が悪いと言われる。うちの畑の場合、隣のお寺の高木と反対隣の工場により影となって通常より日照時間が短く、異常高温の影響は少なかったであろうし、納屋からホースを延長して散水もしたから、旱魃の被害もなかろう。
 でも、これから芋が肥大するであろう10月になってから成育が極端に悪いのである。もっとも3畝の状態は異なり、西畝は悲惨な状態、東畝ははっきりした生育不足、中畝はその中間であった。
 この生育不足は、無肥料であることと、連作のダブルパンチに違いないと思っていた。よって、今年は里芋はどれだけも採れないだろうとあきらめていた。
 悲惨な状態の西畝を昨日掘ったのだが、予想に反して出来がいい。それどころか型のいい小芋ばかりがついている。良品の採れ具合は昨年以上だ。これには驚いた。無肥料・連作の1年目、大成功である。(もっとも、昨年は種芋保存に失敗し、それがために不作であったっから、平年並みの出来といったところだが。)
 もうひとつ驚かされたのは、親芋がとても小さいことだ。去年までなら、こんな小さな親芋には小振りの小芋が数個付いていればいいといった状態なのに、今年は立派な小芋が10個ほど付いているのである。なんとも不思議。
 今日、まず中畝を掘ってみたら、西畝より若干収量が多かったが、親芋、小芋の状態は同じであった。そして、この畝だけは昨年より落ちるがまあまあの収量が得られないかと期待していた東畝は、中畝より若干収量が多かったが地上部の生育具合ほどには違わなかった。違ったのは、親芋がまあまあの大きさになっていたことである。親芋は味噌田楽にして食べると美味しいから、今年は足りないくらいだが、そうぜいたくを言ってはいかん。メインの小芋が予想していた量の何倍も採れたのだから。
 ということで、無肥料・連作の1年目の大成功に大喜びしているところです。無肥料・連作で、さぞ面食らった里芋君たちに感謝、感謝、感謝! 
(11月18日)
 今日、2年目の無肥料・連作栽培に向けての畝づくり。今季の畝づくりとほぼ同様だが、ビッチュウで作付け位置あたりを少々起こしながら、生えっ放しにしてあった、ほぼ枯れた雑草(少々足りないから休耕田の枯草を補充)を埋め込みつつ、概ねフラットな畝にする。
 次に、刻み藁を適量ばら撒き、小型ビッチュウで畝の両サイドの土をかき上げ、昨年よりやや低い広幅の畝に仕上げる。水を好む里芋だから、畝は低い方がいいからだ。
 最後に、休耕田の枯草を運び込み、畝全体を覆う。草抑えと乾燥防止のためだ。

<2019年>
(4月28日)
 4月15日に発泡スチロールの箱の中で保温し、芽出し作業に着手。かすかに芽吹いてきたので、本日、定植。3年目の無肥料・連作栽培である。
(8月7日)
 株周りには雑草はたいして生えていないが、畝全体が雑草の繁茂で里芋が負けそう。鎌で雑草を刈り取り、畝に敷いておいた。
 昨年以上に生育は悪い。脇芽が出ている株は極めて少ない。脇芽は鎌で欠き取る。
(10月27日)
 地上部が枯れたものがほとんどになり、今日、3畝全部を掘る。無収穫株がけっこうあり、3畝とも非常に凶作。買い物籠ちょうど1杯といったところ。
 無肥料・連作1年目はけっこう調子が良かったが、2年は悲惨なものとなった。昨年は子芋26kg、親芋7kgであったが、今年は小芋7kg強、親芋2kg弱で、くずを除くと小芋5kg、親芋1kgほどとなってしまった。
(11月12、13日)
 無肥料・連作2年目がチョウ不作となったので、来季のために土壌改良を行う。先日、畝に刻み藁をけっこうな量撒いておいた。小型ビッチュウで畝の片側を軽く起こしながら、刻み藁や枯草を埋め込んでいく。もう片側は軽く起こして土を被せ、畝を整形。
 11月22日に休耕田の枯草を一輪車で運び、たっぷり被せておいた。

<2020年>
 連作3年目、そして無肥料栽培も3年目の里芋栽培である。大冒険だ。3畝あるが、うち2畝は昨年11月に枯れたブルーベリーのエリアへ畝を伸ばした。
 4月に畑起こしもどきをしながら牡蠣殻粉末と覆いの枯草を入れ込んだ。
(4月27日)
 本日、種芋の植え付け。昨年はチョウ不作であったので、良品の種芋は1畝分しかなく、これは中畝に使い、小芋を東畝、親芋(小さいもの)を西畝に使う。各畝(約7m)に約30cm間隔で並べて置き、順次、埋め込み。
(6月18日)
 10か所ほど未発芽や小さな芽吹きにつき、堆肥場で大きく芽吹いたものを移植。
(7月29日)
 梅雨の長雨で、昨年に比べてどれだけか生育がいいが、芳しくはない。ただし、昨年11月に枯れたブルーベリーのエリアへの新規作付け部分は、連作エリアに比べてはっきりと調子いい。でも、他の方の畑に比べれば、完全に見劣りする。
(11月2日)
 今日収穫するも、昨年同様に悲惨な収穫量。計量せず。
 どう土壌改良していいやら、途方に暮れる。
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幾つかの野菜を半日陰で自然栽培 [自然農法:総論]

 半日陰での自然栽培、これは「たんじゅん農」のやり方とは全く異なり、別物であるが、畑の日陰部分、垣根の淵、そして果樹園の中での栽培について、今までの取り組み状況や今後の計画を記すこととする。  

 別立てブログで、ある記事を投稿したところ、読者の方から「野人エッセイす」を紹介いただいた。あまりに記事数が多く、どこに自然農法の詳細が記されているか、探すのに時間がかかったがやっとそれを見つけた。次のものである。
 協生農法 実践マニュアル2016年度版
 これも一つの自然農法として参考になろうと思っている。その基本は、福岡正信(著:無「Ⅲ」自然農法)のそれと同じと思われ、不耕起・無施肥・無農薬で雑草との共生であるが、より具体的に栽培方法が書かれている。
 そのなかで興味を引いたのは、「P.20 野菜は半日陰でよく育つ。果樹との混合栽培が望ましい。」というものであり、うちの果樹園でも取り入れたいと感じたところである。その部分を以下に抜粋する。
 <野菜はなぜ半日陰でよく育つ?>
 一般の常識に反して、無肥料状態では野菜は日向より半日陰でよく育つ。これは、野菜の原種がもともと他の植物との混生密生状態で進化し、樹木の半日陰などの適した光合成効率を進化させてきたことに由来する。
 野菜類中心の収穫をする場合、果樹は育っても2~3m高に収まるよう剪定し、…果樹については収穫が目的ではなく、野菜が育ちやすい環境づくりが優先である。果実の収穫は副産物と考える。
 果実中心の収穫をする場合、果樹を他種混生し大きく育ってしまってよい。野菜類は果樹園の下草として補助的に生産できる。(引用ここまで)

 さて、小生のこれまでの取り組みであるが、慣行農法であっても、日の当たり加減というものも重要なファクターになることを思い知った。日陰がいいものがけっこうあるし、半日陰がいいものもある。それを紹介しよう。
 薬味として利用するミョウガ、ミツバ、青シソは、垣根の淵や隣接民家の北隣なり、畑の隅なり、柿の木の下なりで随分昔から放置したままだが、毎年芽を吹き、一人生えしてくれていた。
 最近、垣根を縮小したり、畑の利用拡大をしたり、柿の木などの周りにクローバ(残念ながら雑草に負けてしまった)を生やしたりといった整備をしたことに伴い、これらを移植したり、種を別の場所に蒔いたりする必要が生じた。

 そこで、まずミョウガだが、2016年2月3月にミョウガはみかんの木の北側で全く日が当たらない場所や隣地(工場建屋)の陰になる部分に移植した。土をどれだけか起こして植え付け、有機肥料や草木灰は後から振っておいた。その結果、みかんの木の北側は順調に生育し、随分と背丈が伸びて2016、17年ともけっこう収穫できたものの、工場建屋の陰は2年とも不作であったし、一部は枯れた。ミョウガは日陰がいいというが、後者が不良になった原因は不明である。よって、ミョウガは、みかんの木の北側だけとし、工場建屋の陰は廃止した。
 もう1箇所ミョウガを栽培しているが、こちらは別の畑で、隣接民家の北隣であり、全く日が当たらない。もう40年にはなろうか、放置したままの栽培である。雑草もけっこう生え、背が低いがミョウガはまずまず収穫できていた。2015年からだろうか、雑草が気になっていたから、芽吹く前の4月に他の場所のついでにミョウガの場所にも除草剤を噴霧している。そうしたところ、ミョウガが優勢となり、少々広がりもみせ、密生もし、ミョウガがたくさん採れるようになった。施肥をしたかどうか記憶にないが、たぶん何もしていないと思う。年に1回、軽く除草剤を噴霧するだけで、あとは放置したままの栽培であるから、自然栽培と言っていいであろう。これは、土壌がミョウガにピッタリの状態になっていると考えるしかなかろう。
 → ミョウガの栽培

 次にミツバだが、これは畑の隅でけっこう日が当たる場所に群生しており、随分と背が伸び雑草と競争状態にあった。そして、虫食いも多かった。ミツバは他にも自生していて、2016年4月に樹木畑の開墾のため、所々で自生していたミツバをあちこちに移植した。そうしたところ、一番成績が良かったのは甘夏の木陰である。日がほとんど当たらないからか背は伸びない(2年目からは随分と背が伸びるようになった)が、葉っぱは日焼けしないし、虫食いも少なく、翌年には群生してくれたから雑草もほとんど生えない。初夏に質のよいものが採れ、真夏にいったん枯れてしまうが、その後再び芽吹き、秋深まった頃に質のよいものが採れる。
 ミツバは無肥料であり、そもそも丈夫なのかもしれないが、甘夏の木陰は虫食いも少ないのだから、土壌条件がミツバにピッタリ合っているのではなかろうか。
 →  一人生えミツバの栽培地移転、日陰が一番成績が良い

 3つ目が青シソである。所々で自生していたものの、虫食いが激しく、薬味としてほとんど使い物にならなかった。まずまず使えたのが、日が当たらない柿の木の下である。ここは2016年にクローバ一色にしようと、枯れかけて種を付けたものを少し移動させて柿の木の北淵に置いておいた。ここも夏は全く日が当たらないが、一人生えし、驚くほどに繁茂し、虫食いも少なく、薬味としていつでも使える状態となった。2、3年前まで堆肥場とし、雑草や野菜の残骸を置いておいた場所であるから、土壌が肥沃であったからかもしれない。
 → 今年も一人生えの青シソがそこら中に

 こうして、うちで薬味として利用するミョウガ、ミツバ、青シソは、全部が日陰ですくすく育つようになってくれた。日陰であってもうまくいかなかった場所があるが、そこは土壌条件が合わなかったのであろう。
 これらは、たいていどこでも育つというものかもしれないが、うちではだめだった場所もあるし、虫の付き方も場所によって大きな違いがある。やはり最適な土壌条件であって、はじめて良い野菜が採れるということになりはしないか。

 他にも慣行農法において半日陰のほうがいい作物がある。フキがそうだ。
 垣根の淵、柿の木の下にフキが自生していたのだが、垣根を縮小したり、柿の木周りをクローバ一色にしようとして、2016年初頭にフキを別の場所(日当たりが良い)へ移植した。そこは長年盆栽置き場になっていた場所で、ビッチュウで起こして十分に有機肥料を敷き込んだところ、初夏に高収穫ができた。収穫後は、翌年のために真夏に日除けでもしようかと思うも、面倒だからしなかった。そしたら、2017年(施肥は草木灰を振った)は前年に比べるとかなり不作となった。真夏の日除けも前年同様にしなかった。こうなると、2018年はもっと不作となるだろう。
 そこで、2017年10月に、隣地(工場建屋)の陰になる部分、ここはミョウガ栽培に失敗した場所だが、ここをフキ栽培の中心にしようと考え、まだ残っていた柿の木の下のフキや最初の栽培場所からはみ出していたフキを10数本移植しておいた。なお、有機肥料を敷き込んだ慣行農法とした。これでもって、栽培比較してみようと考えている。その結果はというと、フキの隣のミョウガ同様に生育はとんと悪く、細いものばかりで食用にならず。よって、工場建屋の陰になる部分での栽培はあきらめるしかない。柿の木の下や淵は成績がいいから、その隣辺りに移植して栽培地を変えることとする。 
 →フキの栽培

 次にニラ。これも半日陰のほうが都合がいいようだ。たぶん葉が柔らかくなるのであろう。
 2014年に種を買って日向で栽培するも、成績は悪かった。一方、一人生えしていたニラも移植して並べて栽培したら、こちらのほうが成績が良かった。2016年10月に栽培場所を変え、しだれ梅の枝先でちょうど隠れる辺りに、従前からのニラだけを移植(有機肥料を敷き込んだ慣行農法)したところ、雑草の生え方が少なく、かつ、好成績が得られた。ここは木漏れ日がせいぜい数時間射す程度の場所だ。ここで、雑草防止のため籾殻を時折被せるも、植えっ放しで毎年ニラを何度も刈り取っているが、当初にくらべ痩せてきた感がする。そこで、2020年1月に米糠を撒き、6月には牛糞堆肥を撒いた。
 →しだれ梅の陰でニラの栽培

 以上、うちの半日陰(というより全く日が射さないか、射してもほんの少々)での栽培5品種を紹介したが、最初は有機肥料敷き込みをしたものがあるものの、今後は無肥料でいくこととする。
 なお、ニラについては時々草引きしないと収穫時に困るが、それ以外は草引きもせず放任栽培できるのではなかろうか。
 ところで、より良い作物にするには、やはり土壌細菌の適正化をより図らねばならないであろう。そこで、冬には刻み藁(または籾殻)なり休耕田から搬入した枯草を敷くといった「たんじゅん農」による「高炭素素材」の補給を考えている。


(ここから下の、ジャガイモショウガチマサンチュについての2021年以降の栽培は、別ページで、それぞれ最初の取り組みも含めて概要を記すこととした。)
 来年(2018年)の計画だが、果樹園の半日陰となる場所が所々にある。ここには、まだ栽培したことがないジャガイモ栽培に挑戦することとしている。
 ビッチュウで少々起こして、「たんじゅん農」にのっとって刻み藁を入れ込むという方法を取り、施肥なしでいくこととしている。
 なお、福岡正信(著:無「Ⅲ」自然農法)によると、果樹園でのジャガイモ栽培(野草化栽培)について次のように書かれている。
 ジャガイモは一度果樹園の中に植えておくと、その場所に毎年出来るようになって、地上を1、2メートルはって強大な生育をして、雑草にも負けないものである。…小芋だけを掘って…多少掘り残しておけば、種切れすることはない。
 野菜の野草化栽培は果樹園…とか空地利用が主目的であって、…多収を目指すと失敗しやすい…。それはたいてい病害虫の被害によるものである。…混植されて雑草とともに共存共栄させるという形になると、その被害はわずか…。
 野菜が出来ない所は雑草も出来ないのがふつうで、雑草の種類とその生長量を見れば、その場所が痩せているか、特別な欠点があるかもわかるものである。その欠点を自然に解消せられるような手段をとっておけば、案外巨大な繁茂した野菜を得ることができる。(引用ここまで)
 ということで、慣行農法では連作を避けねばならない(4、5年空けよ)とされているジャガイモを少々作付けし、同じ場所で永年栽培することにしたい。
 →2017年11月13日 枯草と藁敷き込みで果樹園の淵にジャガイモの畝作り
 で、その結果はというと、初年度はまずまずであったが、2年目、3年目はチョウ不作となった。どれだけか土壌改良(深く起こして枯草や刻み藁投入)したが効果はほとんどない。そこで、2020年収穫後に苦土石灰を少々撒き、刻み藁もどれだけかすき込んだ。

 もう一つあった。それはショウガである。
 ここ2年、ショウガ栽培に取り組み、里芋の株間での作付けである。2018年から里芋は「たんじゅん農」にのっかて栽培することにし、併せてショウガも同様にできるであろうが、晩秋には全部掘り出さねばならない。
収穫したショウガの保存はけっこう面倒な感がする。
 そこで、ショウガはミョウガほどではなかろうが日陰を好むだろうから、フキ栽培のメインにしようと考えている隣地(工場建屋)の陰になる部分、その続きの西側をショウガ栽培用地としよう。
 今冬に土づくりをするにあたっては、「たんじゅん農」にのっかり、藁をすき込むだけの無肥料栽培とし、雑草に負けそうになったら草引きはするが、極力放任することとしよう。
 →2017年11月22日 ショウガの栽培
 その結果はというと、生育初期に日が当たらず、真夏にはけっこう日が当たるという条件の悪さから、収穫量が思いのほか少なく、この場所はあきらめるしかなくなった。そこで、2020年からは生育初期には日が当たり、真夏には日陰となる、柿の木の南淵での栽培に切り替えた。なお、土づくりは、隣地(工場建屋)の陰の場合と同じ。
 2020年、柿の木の南淵で無肥料栽培したところ、非常に好成績を収め、来年以降も、ここで連作することにした。 

 果樹園の周りには、まだまだ空きがあり、新たに2つ栽培することにした。
 一つは、いただいたキクイモ。随分と背丈が伸びるとのことであり、2018年1月に東果樹園の北東角(ビワや柿の北側)に2個植え付けた。
 →2018年1月2日 キクイモ(菊芋)を栽培してみよう
 →2018年10月 成長著しかったが、2本とも枯れてしまい、たぶん芋は出来ておらす、失敗に終わったと思ったが、翌年発芽し、少しばかり収穫できた。2020年は掘り残しの小芋からいっぱい芽吹き、間引きして10本ほどを生育させることにした。
 ところで、キクイモはたいしてうまいものではなく、類似したヤーコンで代用できるから、キクイモの栽培は2021年からは一人生えの小規模栽培に止めることとした。

 もう一つは、チマサンチュである。これは、ここ2年、南区画の一番西(日照時間が少ない)の畝で栽培していたが、東果樹園(東の柿の木)の南淵で種蒔きして栽培することとする。
 →チマサンチュの栽培
 2020年は栽培場所を中央の柿の木の南淵に移し、栽培しているが、どちらも十分な生育をしている。

 さらに栽培品種を追加。2019年2月24日、注文しておいたワラビの苗(地下茎)5株が届き、みかんの木の際に2株、その続きのタラの木の間に3株植え付けた。
 →ワラビの栽培
 これは残念ながら凍みてしまったようで発芽しなかった。 

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11.18 イカ入り芋の煮っころがしがうまい [自然農法:雑感]

(別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、チャレンジ自然農法に関するものは、このブログで再掲することにします。)

 毎年、里芋を栽培している。大昔から収穫した里芋から優良な小芋を種芋にし、繰り返し栽培している。里芋は連作を嫌うから、数年空け、有機肥料もたっぷり入れて、高収穫を続けていたが、ここ3年は無肥料連作という無謀な栽培に挑戦。そうしたところ、とたんに生育が悪くなり、無収穫株が出るなど惨憺たる(さんたんたる)結果となった。
 作付けは3畝(総延長約20m)で60株とすごい量ではあるが、まあまあの小芋は60個ほどしか取れなかった。これを全部来年作付けの種芋に回しては、口に入るのはクズ芋だけとなる。これでは、女房が皮むきするのに手間がかかり過ぎる。よって、大きいものから40個ほどを食用とし、種芋は大半が小さなクズ芋とせざるを得ない。
 毎年、なにがしかの土壌改良をしているが、その成果はなく、来年はまた一つ何らかの手を打たねばいかんだろうが、妙案は浮かばない。
 まあ、今年並みでも、夫婦2人で食べる分は確保できるし、広い畑を単に守りしているだけだから、豊作にならなくても困らないから、問題はないが。

 さて、この里芋、小生の好物料理は、イカと一緒に煮たものである。イカの旨味が里芋に絡みつき、味は絶品である。ところで、イカは近年不漁続きでスーパーの店頭に並んでいないことが多いという。そこで、女房が随分前に買い込んで冷凍保存しておいたイカを戻して、今日、イカ入り芋の煮っころを作ってくれた。
 初日はイカそのものを味わい、2日目はイカの旨味が絡みついた里芋を味わい、3日目は残り汁をご飯にかけて食べる。3日目が一番うまい。
 こうして、今日から3日間、イカ入り芋の煮っころを賞味する。
 グルメ万歳! 
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