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「チャレンジ自然農法」、まずはトマト・後作にキャベツ類の連作を無肥料・無農薬で [各論:トマトとキャベツ類の二毛作]

(この記事は2020-09-09 が最終追記で、その後の状況は、トマトについては新規記事「自然農法:種蒔きから育てたトマト苗の連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。キャベツ類についても同様です。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

(2017年10月30日)
 トマト栽培はけっこう難しい。以前、収穫前に全部立ち枯れして無収穫のこともあった。最近は固定種(F1種つまり交配種ではない)「世界一トマト」で好成績を収めているので、より成果を挙げようと、2016年から種取りも自家採取とした。

 「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と稲藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、サツマイモは晩秋に掘ってみないことには分からないが、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、これまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。
(後日追記:サツマイモを3箇所で栽培していたが、大した効果はなかった感がする。)

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。

 さて、2017年のトマト栽培だが、2つある畑の片方(自宅前)は従前どおりの慣行農法でいき、もう一方の畑(須賀前)で「たんじゅん農」を採用することにした。
 以下、須賀前での2017年トマト栽培の結果について記す。
 トマトの前作は、部分的に若干位置がずれるが、1畝はメロン&サツマイモの混植、もう1畝は山芋である。前作で使った肥料は苦土石灰の他は有機肥料であるが、けっこう残留肥料があるかもしれない。
 今年のトマト苗は、自家採取した種を用い、ハウス育苗(以前はお隣さんのハウスで育苗管理をしていただいていたが、高齢となりハウスを止められた)ではなく、種蒔きから全部冷床育苗となり、ほぼ1か月遅れで定植し、成育も1か月遅れとなった。
 なお、2、3年前に同一品種について時差収穫しようと、冷床育苗したことがあったが、そのときは肥料過剰からだろうが、ツルボケし、ほとんど無収穫であった。
 その心配があったが、苗の定植時に植え付け穴に牛糞を少し入れ(本当は入れてはいけないが)、苦土石灰も振ってしまった。何も施肥しないのでは全然生育しないかもしれないとの恐れから、ついそうしてしまったところである。慣行農法が染み付いてしまっているから、こういうことになってしまった。
 その結果、どうなったかというと、葉の付き方、葉の色艶は従前どおりであったが、今年は昨年に比べて若干背丈が低く、虫食いもけっこうあって、収穫量は半減した感がするが、期待した以上の出来である。評価★★☆☆☆ 
 なお、ここ3、4年は虫食いがあってもトマトは無農薬で通している。
 2、3年前に冷床育苗で無収穫であったことを思えば、今年は成功したと言えよう。ただし、収穫量の半減は、大いなる失敗とも言える。加えて、ヘタにけっこう虫が入ったのはまだまだ免疫力が弱かったからということになろう。
 若干背丈が低くなった原因は、以前にも遅植えしたとき背が低かったから、定植時期の違いによるものだろうと思っている。
 
 来季(2018年)はどうするか。トマトは連作が利かず、3、4年は空けよと言われるが、連作に挑戦することとしている。今、トマトの後作として、2畝ともキャベツ類を栽培しているが、これは完全無肥料とした。
 なお、畝作りにあたっては、今後は省力化のために基本的に畝を固定したいので、畝間が広いところは狭め、狭いところは広めるといった若干の畝位置の調整を行い、その作業を行うときに高炭素素材を入れ込むのがいいのだが、残念ながら藁がなくなってしまったので、雑草の枯草や枯れたトマトの残骸を畝の法面に埋め込んでおいた。
 キャベツ類2畝とも順調に生育しており、虫食いもさほどのことはなく、キャベツ(1畝)は順次収穫できており、今のところ成功している。ブロッコリーやカリフラワー(合わせて1畝)もうまくいきそうだ。
 なお、キャベツ類は全て、ここ何年も無農薬できているから、今年も農薬は使わない。

 キャベツ類の収穫が終わったら、刻み藁をどれだけか表層近くに埋め込んで、今度は完全無肥料で再びトマト栽培に取り組むこととしている。
 なお、「たんじゅん農」では、深く耕すと土壌細菌がかき混ぜられすぎて、せっかく正常な菌層になりつつあるものが台無しになるとのことである。
 その点、無肥料・無農薬の「自然栽培」をすすめておられる河名秀郎さんが、その著「ほんとの野菜は緑が薄い」という本に『土の「凝り」をほぐす、つまり、「肥毒」を早く抜くために、積極的に耕すこと』とされていることと間逆になるが、ここは「たんじゅん農」に従おうと思っているところである。その選択理由は、“重労働になることは極力避け、手抜きに徹する”ことにある。

 こうして、「トマト・後作にキャベツ類」の自然農法1年目は何とか無難に乗り越えられそうだが、2年目が勝負となろう。なんせトマトの連作を無肥料でやろうという冒険をするのだから。
 これが失敗しても、トマトは自宅前の畑でも購入接木苗で1畝栽培するから、自家消費には事欠かない。自然農法2年目が失敗しても、3年目も同様にチャレンジだ。

(2017年12月19日)
 キャベツ類(キャベツで1畝、ブロッコリーとカリフラワーで1畝)は、トマト2畝跡に、前述したとおり雑草の枯草や枯れたトマトの残骸を畝の法面に埋め込むだけで無肥料栽培としたが、今季の天候不順や低温にもかかわらず例年並みに成育してくれ、収獲が順調に進んでいる。特にキャベツの生育がよく、例年以上に大きな玉になっている。評価★★★☆☆
 ただし、ここ何年か無農薬で栽培しているが、虫害は例年どおり出ているものの、寒くなったせいか、虫害はほとんど進まなくなってきた。
 前作のトマト栽培で、たぶん残留肥料は底を突いていると考えるのだが、これだけ生育がいいところをみると、まだ残留肥料があるのではないかと思えないでもない。
 トマトといいキャベツ類といい、順調にいった2017年である。

<2018年夏作:トマト>
(2018年3月25日)
 カリフラワーは1月には最終収獲し、今日ブロッコリーを最終収獲。ブロッコリーの残骸を鎌で切り刻み、ブロッコリー・カリフラワー畝にばら撒き、刻み藁を若干ばら撒き、腐敗(発酵)を促すために、鍬で畝間から土を削って被せる。
 この作業手順により、かなり高畝となってしまった。最初に畝の土を削り落とし、最後にその土で覆うべきであった。
(4月23日)
 キャベツはまだ数株残っているが、そろそろトマト用の畝を整備せねばならない。位置が少し西寄りになっており、少し東へ移動させたほうがいい。そこで、キャベツ畝の東側に刻み藁をばら蒔き、ビッチュウではつり込み、若干の土移動を行った。まだ粗整形であり、キャベツ収穫後に本整形する。
 なお、4月15日にはトマト種を冷床種蒔きし、その詳細は「固定種「世界一トマト」は冷床種蒔きからの栽培、2年目」に記録する。
(8月9日)
 トマト栽培を須賀前の畑で、2畝とも無肥料連作という冒険をしたのだが、まずまずの合格点が付けられたのではないかと思っている。
 立ち枯れするものは終盤に少々出ただけだし、実の虫食いは昨年よりかなり少なかった。ただし、初期に病気で腐る実が散見され、心配したが、その後は腐りは少なかった。
 トマトの収穫についての2018年の評価は★★☆☆☆(少々甘いか)。

<2018年冬作:キャベツ類>
(8月15日)
 本日、キャベツ類の苗定植用の2畝を完成させる。
 畝の両サイドに溝を掘り、枯れたトマトの残骸と枯草を埋め込む。
 そして、スコップで畝起こしもどき(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら、10~15cmピッチで順次行っていく。参照:三浦伸章「ガッテン農法」の一手法)を行っておいた。
(10月1日)
 8月26日からキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの購入苗を順次定植。キャベツは例年以上に虫に芽を食われる被害が出て、6株を購入し植え替え。生育は、皆、順調である。
(11月25日)
 昨年は10月下旬にはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーともに、もう食べ頃なものがけっこう出来ていたが、今年は随分と遅れている。去年の11月は寒く、今年は逆に暖かい。無肥料がたたって成育スピ-ドが悪くなったようだ。
 キャベツはまだ玉が小さいが、今日やっと昨年と比べて1か月遅れで1個初収穫した。カリフラワーは昨年より2週間遅れで食べ頃になった1玉を初収穫。ブロッコリーも昨年に比べて2週間遅れでまもなく初収穫となろう。
(2019年3月3日)
 他の冬野菜も一般的な傾向として無肥料は成育スピードが鈍る。キャベツは玉の巻き方が一般に小さく、また、ほとんど巻かないものもあり、不作だった。品種による影響もあろうが、やはり肥料不足だろう。評価★★☆☆☆
 ブロッコリー、カリフラワーは生育に遅れはしたが、平年並みの出来で無肥料を感じさせない。評価★★★★☆

<2019年夏作:トマト>
(5月30日)
 キャベツ類の跡に今年もトマトを栽培する。キャベツ類収穫後に、スコップを差し込み「畑起こしもどき」しておいた。冷床種蒔きして育苗したトマト苗を本日定植。
(8月18日)
 その後のトマトの成長は芳しくなく、収穫は7月末からほんの少々しか出来ず、チョウ不作となった。8月18日に処分。評価☆☆☆☆☆

<2019年冬作:キャベツ類>
(8月23日)
 前作のトマト跡は18日に鎌で丁寧に草刈り。畝は休耕田から持ち込んだ枯草やこの畝で生えた雑草の枯草でけっこう覆われており、土がふわふわしていそうであるから、何もせず、枯草をかき分けてキャベツ類を定植予定。
 8月23日にキャベツ苗をJAで苗を30株購入し、近日、東畝に定植予定。
 9月2日にブロッコリー・カリフラワー苗を西畝に定植予定。
 8月26日に各畝の西法面下部に菊菜の種を撒き、コンパニオンプランツとする。
(12月1日)
 今期はネキリムシの被害がキャベツ・ブロッコリー・カリフラワーとも、けっこうあり、9月半ばに欠損箇所に新たに買った苗を植えた。また、キャベツ・カリフラワーは芽を齧られるという滅多にない被害も出た。
 今年は暖かな11月ということもあってか生育がいい。
 ブロッコリー・カリフラワーは無肥料3年目だが、従前と遜色なく(気持ち小振りか?)、毎年調子良く生育し、順次収穫を始めたが、今年も収穫量もほとんど落ちていない感がする。
 キャベツは無肥料2年目はパッとしなかったが、今年は従前と遜色なく、今日、2玉収穫できた。なお、芽を食われたキャベツは脇から複数の小さな玉が付き、芽欠きして1玉にしたが、これは期待が持てそうにない。
(2020年1月29日)
 今冬は暖冬につき、12月以降の生育もいい。
 ブロッコリー・カリフラワーは葉や茎の生育はいいが、蕾の付き方が良くないものが多かった。これは苗が悪かったからであろう。また、ブロッコリーの脇芽の蕾もばらけたものが多く、これも苗のせいだろう。葉や茎の評価★★★☆☆、蕾の評価★★☆☆☆
 キャベツは1月になってからも異常な暖冬で玉がぐんぐん大きくなった。といっても、有機肥料栽培時に比べると小玉だが。なお、芽を食われたキャベツで脇から複数の小さな玉が付き、芽欠きして1玉にしたものも、けっこう様になってきた。評価★★★☆☆

<2020年夏作:トマト>
 連作・無肥料栽培3年目となる今年。スコップで畑起こしもどきを3月に行い、西畝(牡蠣殻粉末&草木灰入れ込み)はそのとおりとするが、東畝(牡蠣殻粉末のみ入れ込み)は同じナス科の白ナス連作・無肥料栽培畝跡とし、違いを見てみることにした。→結果は大差なしで終った。
 冷床種蒔きで育てた苗を5月30日に定植。
 7月24日に初収穫でき、その後も順調に収穫。8月13日にはガクンと収穫が落ち、9月2日に最終収穫。評価★★★☆☆(少々甘いか)

<2020年冬作:キャベツ類>
 8月末にスコップで畑起こしもどきし、蛎殻粉末を入れ込んだ。
 8月31日に東畝にキャベツ苗、西畝にブロッコリー・カリフラワー苗を定植。
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