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自然農法:果樹周りの半日陰でジャガイモの自然農法 [自然農法:ジャガイモ]

 半日陰での自然栽培、これは「たんじゅん農」のやり方とは全く異なり、別物であるが、畑の日陰部分、垣根の淵、そして果樹園の中での栽培をいろいろ目論むこととしたが、ジャガイモも新たに取り組むこととした。
 別立てブログで、ある記事を投稿したところ、読者の方から「野人エッセイす」を紹介いただいた。あまりに記事数が多く、どこに自然農法の詳細が記されているか、探すのに時間がかかったがやっとそれを見つけた。次のものである。
 協生農法 実践マニュアル2016年度版
 これも一つの自然農法として参考になろうと思っている。その基本は、福岡正信(著:無「Ⅲ」自然農法)のそれと同じと思われ、不耕起・無施肥・無農薬で雑草との共生であるが、より具体的に栽培方法が書かれている。
 そのなかで興味を引いたのは、「P.20 野菜は半日陰でよく育つ。果樹との混合栽培が望ましい。」というものであり、うちの果樹園でも取り入れたいと感じたところである。その部分を以下に抜粋する。
 <野菜はなぜ半日陰でよく育つ?>
 一般の常識に反して、無肥料状態では野菜は日向より半日陰でよく育つ。これは、野菜の原種がもともと他の植物との混生密生状態で進化し、樹木の半日陰などの適した光合成効率を進化させてきたことに由来する。
 野菜類中心の収穫をする場合、果樹は育っても2~3m高に収まるよう剪定し、…果樹については収穫が目的ではなく、野菜が育ちやすい環境づくりが優先である。果実の収穫は副産物と考える。
 果実中心の収穫をする場合、果樹を他種混生し大きく育ってしまってよい。野菜類は果樹園の下草として補助的に生産できる。(引用ここまで)

 ところで、より良い作物にするには、やはり土壌細菌の適正化をより図らねばならないであろう。そこで、2017年11月13日、柿の木の西淵と南淵をビッチュウで起こし、枯草と藁を3段重ねで敷き込んだ。そして、11月28日には、畝をテボで少々崩し、手で刻み藁を混ぜ込みもした。
 なお、南西の角に桑の木を移設したから、将来的には、より日陰が多くなろう。

 福岡正信(著:無「Ⅲ」自然農法)によると、果樹園でのジャガイモ栽培(野草化栽培)について次のように書かれている。
 ジャガイモは一度果樹園の中に植えておくと、その場所に毎年出来るようになって、地上を1、2メートルはって強大な生育をして、雑草にも負けないものである。…小芋だけを掘って…多少掘り残しておけば、種切れすることはない。
 野菜の野草化栽培は果樹園…とか空地利用が主目的であって、…多収を目指すと失敗しやすい…。それはたいてい病害虫の被害によるものである。…混植されて雑草とともに共存共栄させるという形になると、その被害はわずか…。
 野菜が出来ない所は雑草も出来ないのがふつうで、雑草の種類とその生長量を見れば、その場所が痩せているか、特別な欠点があるかもわかるものである。その欠点を自然に解消せられるような手段をとっておけば、案外巨大な繁茂した野菜を得ることができる。(引用ここまで)

 ということで、慣行農法では連作を避けねばならない(4、5年空けよ)とされているジャガイモを少々作付けし、同じ場所で永年栽培することにした。

<2018年産>
 初めての取り組みであり、2017年11月に中央の柿の木の淵(南、西)をビッチュウで軽く起こし、枯草と藁を3段重ねで敷き込み。そして、畝をテボで少々崩し、手で刻み藁を混ぜ込む。なお、畝が若干小さい気がして、果樹園側からビッチュウで土を少々削り上げておいた。これで、下ごしらえは完了。
 2018年3月中旬に植え込む。5月下旬には順調に生育。6月中旬に収穫。中央の柿の木の南淵はほとんど日陰となったからだろう、散々な出来であった。柿の木の西淵は西日が当たり、1株に50~100g程度の芋が数個。なお南淵は1~2個。
 なお、小さな芋を掘った跡に埋め込んでおいたところ、10月には、雑草と競争しながら幾株かジャガイモが生育していた。ただし、生育は悪く、12月に掘ったところ、埋めた小さな種芋と同程度のものが2、3個できていただけで、全部処分。無収穫となった。
 柿の葉や枯草を埋め込みながらビッチュウで起こし、来春の畝づくりをしておいた。

<2019年産>
 2月に草木灰をどれだけか撒き、畝を少し大きく作り直しておいた。3月上旬に植え付け、6月には 昨年並みに地上部が茂ったが、無収穫の株がほとんどで、収穫量は種芋の量を若干上回った程度。連作障害か、無肥料の影響か、なんともお恥ずかしいかぎり。
 6月に掘り出したとき、小さな芋が残っていたのであろう、8月には芽が数株出て、10月にビッチュウで掘ったところ、各1、2個まあまあの芋がついていた。ただし、どれも小さな虫食いが幾つもあり、処分。

<2020年産>
 3連作目に向けて、2019年10月に土壌改良を行う。
 まずビッチュウで畝の土を両サイドに退け、凹地をさらにビッチュウで掘り、休耕田の枯草を2層に敷き込む。再び枯草を敷き、片側の土を被せ、また枯草を敷き、もう片側の土を被せる。最後に飛び出している枯草を、鍬で畝を整形しながら畝尻の土で覆う。これで枯草が何層にも入り、土壌細菌の餌となろう。再び休耕田の枯草を持ち込み、畝をすっぽり覆い、雑草抑えとする。
 3月初めに所定の場所に植え付け。3連作となる。生育はさほど良くない。6月中旬に収穫。去年より少しはましだが不作で、小芋が多い。種芋の2倍量の収量に過ぎない。なお、初栽培した東の柿の木の南側も不作であった。

<2021年産>
 2020年11月に来季に向けて、柿の木周りは酸性土壌になってはいまいかと思い、それを改善するために苦土石灰(牡蠣殻粉末がなかったので)を振り、刻み藁を撒いて、ビッチュウで畝幅を拡張しながら起こし、どれだけか刻み藁をすき込んだ。
 2月末に所定の場所に植え付け、4月初めに発芽しだした。しかし、その後の生育は良くなく、6月上旬には大半が枯れてきて、収穫したところ、昨年と同程度で、種芋の2倍量の収量に過ぎない。なんとも寂しい限り。

2022年産
 2021年11月に来季に向けて中央の柿の木の南淵の土壌改良を行う。籾殻が大量に入手でき、まず籾殻をビッチュウで耕しながらすき込む。日を改めて再度行い、これで随分と籾殻が入ったが、加えて刻み藁も後日すき込む。なお、東の柿の木の南淵は昨年ショウガを栽培したが、ここもジャガイモとし、ここには十分に籾殻が入っているし、ショウガもよく出来た。
 その結果、中央の柿の木の南淵は種芋を畝に並べただけで植え付けを忘れ、1週間後に知って植え付けたため、不発芽やか弱く生育しただけでほとんど無収穫に終わった。新たな栽培地(東の柿の木)は生育も良く期待されたが、種芋の2倍量の収量程度で終ってしまった。
 不作の原因は、生育期に柿の木の葉でほとんど日が当たらなくなるからではなかろうか。

 なお、昨年、小芋を放置しておいた中央の柿の木の西淵で2株育ったが、ほとんど無収穫であった。こうしたことから、うちの柿の木周りでのジャガイモの自然栽培は不可能と感じ、敗北宣言し、来年以降は栽培をあきらめることにした。

 
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