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「チャレンジ自然農法」ニンニクの連作・無肥料・無農薬栽培 [各論:夏野菜各種、冬野菜各種の二毛作]

(この記事は2020-09-09 が最終追記で、その後の状況は、「自然農法:ニンニクをトウモロコシとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。
 無肥料の農法で土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。

 自宅前の畑は野菜栽培が4区画あり、ニンニクの連作・無肥料・無農薬栽培は北東区画のうち1畝を使って行うこととした。
(2018年6月)
 北東区画の畝数を1つ減らすこととし、ネギを除いて5畝に作り直しを3月に着手し、ニンニク畝はニンニク収穫後に少しずらして畝づくり。畝づくりにあたっては、1年前にニンニク畝に敷き込んだ刻み藁とニンニクの残骸(枯れてから)を深めにはつり込んだ。 
 ところで、「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことで、こうしたはつり込みは今回だけとする。なお、その後は、収穫後の畝の再整形に当たり、刻み藁や残骸は畝の法面に埋め込むのを原則とする。
 何もかも連作を基本としており、ニンニク畝は後作にトウモロコシを作付けする二毛作としたい。どちらも肥料を欲しがるから少々厄介ではあるが。
 
<北東区画:第3畝=トウモロコシ第3弾、その後作はニンニク>
 →詳細記事:「トウモロコシの栽培」、「ニンニクの無肥料(減肥料)栽培

<2018年冬作:ニンニク>
(8月15日)
 前作のトウモロコシから無肥料栽培し、収穫がすでに終わっており、本日、畝の両サイドに溝を掘り、3畝分の枯れたトウモロコシ、トマトの残骸そして枯草を埋め込む。そして、スコップで畝起こしもどきを行っておいた。
(9月17日:ニンニク種片植え付け)
 今年からニンニクを無肥料栽培する。昨年と同様に株間12cmで2列並べで置いていった。そしたら、かなり余り、もう1列並べたらちょうどぴったりとなり、3列植えすることにした。列幅20cm。
 ところで、「無肥料栽培を実現する本」を著された岡本よりたか氏によると「無肥料では必ず成長の悪くなる玉ねぎ、にんにくなど、ユリ科の作物…」と解説されており、ニンニクは玉が小さいと調理しにくくなるから、一考せねばならない。「よりたか農法」によれば、野菜全般に栄養不足の恐れがある場合は「草木灰を足し込み、必ず希釈した酢を一緒に撒く」とある。
 よって、庭木の剪定ごみなどを休耕田で燃やしてできた草木灰といただきものの竹酢液を散布することとした。なお、毎年、刻み藁をたっぷり乗せることにしており、これはニンニク収穫後のトウモロコシや翌年のニンニクの栄養となろう。
(10月28日)
 おおむね順調に生育中。本日、刻み藁をたっぷり覆う。
(11月9日)
 ニンニクは肥料を欲しがるとのことであり、無肥料栽培にはならないが、朝、雨が降り出したところで、草木灰を列間と法面に適当量を撒き、竹酢液100倍散をジョウロで6リットル撒く。草木灰は強いアルカリ性、酢は強い酸性であり、打ち消し合って中性になる、ということであるが、その塩梅が分からないものの、アルカリ度を弱めてくれたのではなかろうか。
(2019年6月2日)
 その後ニンニクは順調に生育し、本日収穫。3列植えと少々密に植えたせいか、若干小振りであり、小さ過ぎるクズも昨年の倍生じた。3列中、南の列は十分な大きさのものが多かった。ほとんど無肥料での3連作でありながら、まずまずの成績だ。評価★★☆☆☆

<2019年冬作:ニンニク>
(8月12日)
 8月上旬に無肥料栽培トウモロコシの収穫を終えたが、昨年と同様に背は低く生育はあまり良くなかった。実も小さかったが味は良好。
 畝の両サイドと峰に鍬で溝立てし、刻んで置いておいたトウモロコシの残骸や半分堆肥化した刻み藁を溝に入れ込み、手で埋め込んで畝整備。最後に畝間を鍬で軽く削って、畝に乗せ、後作のニンニク畝の粗整備を完了。
(9月19日)
 その後、2回雑草叩きをし、ニンニク片を15日に植え付け。昨年より幅、列とも広く取り、株間15cmで列幅30cmとって2列植えとした。去年は「畝起こしもどき」を行なっておいたが、今年は昨季のニンニクがうまくいったから、省略した。本日、昨年の刻み藁の在庫があり、それをまずまずの量を畝に乗せて雑草抑え。
(11月10日)
 肥料を欲しがるニンニクゆえ、今年も草木灰&竹酢液を適当に撒いた。
(2020年5月28日)
 刻み藁をたっぷり敷いたお陰で雑草はたいして生えず、らしい草引きはぜずに済んだ。本日、収穫。地上部はややほっそりした痩せたものとなり、地下部の玉も昨期よりやや小ぶりの感がする。ほとんど無肥料・連作の2年目でありながら、まずまずの成績だ。評価は★★☆☆☆(少々甘いか)。
 近日、後作にトウモロコシ苗を植え付け予定。

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自然農法にこだわらず、利用できるものは利用して独自の農法を開拓しよう [自然農法:基本論]

(2018年8月3日)
 農業は通常慣行農法(化学肥料主体で農薬使用)によるが、化学肥料や農薬を使わず有機肥料のみで行う有機農法が少しずつ広がりだしているようである。小生もここ数年はこれに取り組んできた。そして、これらとはまたまた大きく違う自然農法というものがある。小生は今年からこれに積極的に取り組んでいる。自然農法は、肥料を使わない、当然農薬も使わないというものであるが、ひと口に自然農法といっても、いろいろなやり方がある。稲藁、麦藁、枯れた雑草を埋め込んだり敷き詰めたりするのも自然農法の範疇に入りそうだ。こういう方法は堆肥投入との境がはっきりしない。つまり有機農法との違いが不明確なものとなっている。
 自然農法を成功させたいと思っている御仁は、とことん究極の姿を追い求め、何も入れ込まない、何も手をかけない、自然に任せる、という“哲学的農法”に陥りやすい。3年ほど前にいっとき小生が取り組んだときがそうであった。
 ところで、農業とはなんぞや、という原点に立ち返ったとき、「安全で美味しい野菜を効率良くたくさん採る」のが目的となるのであり、どうしたらそれが可能になるのか、それを自分の畑でどう実現させるか、ということになる。
 その畑も大小いろいろあるし、家庭菜園のような採算を度外視したちっぽけなものまである。よって、その農法は様々な形のものとなろう。うちのような1反百姓(実際の畑は1反はなく7畝ほど)には1反百姓のやり方というものがまたあって、専業農家が目指す自然農法のやり方とはまた違ってくる。そして、その農業に誰が携わることができるか、1人か2人か、専従できるのか片手間にできるだけか。さらには、従事できる者は何歳か、いつまで畑仕事ができるのか。これによっても農法が違ってくる。
 やっと、そのことに気付いた。
 うちの場合は、間もなく70歳なる小生1人が薬屋稼業のかたわらにやるしかないのだから、いかに省力化し、手抜きし、力仕事をしなくて済むような方法を見つけ出すか、このことが一番になるのである。その解決策は、慣行農法であれば小型耕運機を購入してということになるが、これでは丈夫な野菜に育たないし、野菜の味も落ちる。
 これからまだまだ試行錯誤せねばならないが、自然農法といえども野菜の種類によっては一部有機農法であったり、はたまた当地特産「徳田ねぎ」は慣行農法に近いもの、といった小生に都合のいい独自の農法、ここらに本来目指すべき道筋が見つかりそうな気配がしてきた。
 自分で創意工夫する、ますます面白くなる、1反百姓の農業である。

 本格的に自然農法に取り組んで2年目(2018年8月現在)となるが、基本方針は次のとおり。(なお、その後の変更を追記する。)
・当地特産「徳田ねぎ」
 栽培に当たり大きく土寄せするし、収穫時に高畝を壊して畑をほぼ平らにしてしまうから、土壌細菌叢をかき乱してしまう。よって、自然農法には適しないと思われ、これは従前どおり有機栽培とするが、化学肥料として苦土石灰を使い、また、成育促進にいい石灰窒素も少々使う。

・ハクサイ
 苗は肥料を欲しがるようであり、苗づくりに肥料分がけっこうありそうな培養土「土太郎」(どんな苗にも使いやすい)を使うから、定植畝には有機肥料を入れたほうがよさそうだ。そうしないと玉が巻かないおそれがあるとのことで、現に昨年作付けの無肥料栽培ハクサイがそうであった。
 よって、ハクサイ畝には手持ちの牛糞堆肥をどれだけかまぶし、また定植穴にも牛糞堆肥をまぶして根張りを誘導することとした。なお、今年は全く牛糞堆肥を入れないものと比較実験をする。
(2019年8月追記)
 初期に虫食いもあり、生育不良もあって、牛糞堆肥効果は分からずじまい。今年はバーク堆肥を少々入れてみた。
(2020年3月追記)
 バーク堆肥の効果も全くなかった感がする。

・その他の野菜一般
 無肥料栽培とするが、1列植えの畝は法面両側、2列植えの畝は畝の中央と法面両側に、鍬で溝立てしてして稲藁や枯草・野菜の残骸(足りなければ休耕田から枯草を搬入)を埋め込み、土壌細菌の増殖を促す。これは堆肥(緑肥)となり、有機栽培とも言える。
 自宅前の休耕田では草刈り機で刈った雑草がたくさんあり、これを可能な限り畑に搬入して畝間に敷いたり、畝を覆ったりするのも効果的であろう。台風襲来の恐れがなくなった時期以降にやってみようと考えている。
 須賀前の畑は道路を挟んで田んぼがあり、親戚に管理委託して稲作をしてもらっているが、刻み藁が大量にいただける。昨年、無肥料栽培を始めるにあたって、これをたっぷり混ぜ込んで(不足したから稲藁も使用=下部に敷き込み))固定畝を作ったが、今後は刻み藁を固定畝の上部に混ぜ込みしようと考えている。

・ヤーコン
 畝間をたっぷり取り、広幅の畝を立てて、雑草との共生を図って栽培し、芋を収穫すると、徳田ねぎ同様に畑がフラットになる。よって、畝間にはヤーコンの残骸(地上部)やナスの残骸などを先に入れ込んでおいて、芋の収穫時に埋め込み、翌年は前年の畝間に畝を立てる。
 この方法で3年目を迎え、無肥料栽培は今年からだが、当面、これで行ってみようと思う。収穫時に土壌細菌叢をかき乱してしまうことになるが、1株に3kgもの芋が付くから、収穫時の作業効率からして、この方法しか取りようがない。また、ヤーコンやナスの残骸の野焼きが難しくなってきているから、その処分は埋め込むのが手っ取り早いからでもある。

・山芋(イチョウ芋)
 イチョウ芋といえどもけっこう深く掘らねばならぬ。芋が硬盤層にぶち当たって芋の先が黒変することがある。昨年、芋掘りのときスコップで硬盤層を壊しつつ、刻み藁を入れ込み、耕土層を厚くする作業を行ったが、当面、これの繰り返しを行うことにしている。
 また、高畝づくりのとき、あらかじめ持ち込んである休耕田の枯草を混ぜ込む予定である。収穫時に土壌細菌叢をかき乱してしまうことになるから、こうした堆肥(緑肥)の力を借りねばならんだろう。

(2018.11.25追記)一部の野菜に草木灰を散布
 最近、岡本よりたか著「無肥料栽培を実現する本」を購入したのだが、その中で次のとおり書かれていた。
 大事なポイントとしては、畑の畝の上に葉を敷くことです。これが「草マルチ(自然にたい肥になる)」の効果の一つでもあります。それらの草が土を守っているのが自然界の姿なのです。そこで、人間が工夫をします。どうするかと言えば、この葉を燃やすわけです。…。これらを畑に施すことによって、土は弱アルカリ性を維持することができます。これらは一見施肥しているように見えますが、実際には、枯草を畝の上で燃やしているだけです。(引用ここまで)
 さて、うちでは年に1回は休耕田で庭の剪定ごみなどを野焼きしており、草木灰がかなり得られる。自然農法に取り組みだして、草木灰の使い道がなくなり、どうしようかと思っていたが、これを特に肥料を欲しがる野菜に与えてあげればいいと思った。
 ということで、残っている草木灰を、無肥料では生育が悪くなるというニンニク、そして生育の悪いホウレンソウに与えることにした次第。
 なお、同著で「草木灰を足し込む場合の注意点は土がむしろアルカリ性が強くなること。これを防ぐには必ず希釈した酢を一緒にまくことです。」とあり、けっこうな量の草木灰を散布したニンニクには竹酢液の100倍散をジョウロで散水しておいた。
(2020年5月追記)
 2018年産のホウレンソウは芽吹き後に少量の草木灰をばら撒いたが不作であった。2019年産のホウレンソウは種蒔き前に草木灰を入れた部分と入られない部分と比較栽培することとしたが、若干の差があっただけで不作であった。
 ニンニクは2018年は草木灰・竹酢液を散布し、まずまずの成績を収めた。2019年も同様にした。
 2019年夏野菜で不作であったキュウリ、十六豆、ナス、トマトの一部にも草木灰を散布したところであるが、野焼きがあまりできなくなったがゆえに、たいした量撒くことはできなかった。

(2020.5.6追記)土壌改良に牡蠣殻粉末を入れ込み
 ホウレンソウの不作は土壌が酸性に傾いている恐れが大きいと感じられ、他の野菜の不作も同様かもしれないと思われるので、石灰代わりに牡蠣殻粉末を入れ込むこととした。3月から4月に掛け、多くの畝にこれを行なった。方法としては、三浦伸章「ガッテン農法」に基づく“畑起こしもどき”(ショベルを10cm間隔で刺して前方に少し押し、空気を入れる形で行う。)しつつ、隙間にばら撒く。
 なお、全般に野菜は酸性土壌を嫌うが、その程度は次のとおりのようである。
  極弱 ホウレンソウ、キャベツ、タマネギ、エンドウ
  弱  キュウリ、ナス、カボチャ、ピーマン、ニンジン
  少弱 トマト、大根、里芋、ジャガイモ
  強  トウモロコシ、サツマイモ

 ところが、これには異説もあり、よく分からない面がある。別のサイトでは、
  極弱 ホウレンソウ、タマネギ、ネギ、大豆
  弱  キャベツ、エンドウ
  少弱 キュウリ、ナス、トマト、ハクサイ
  強  トウモロコシ、大根、里芋、ジャガイモ

 そして、各野菜の好適土壌pHを表示したサイトから読み解くと、次のようになる。
  極弱 ホウレンソウ、ハクサイ、タマネギ、ソラマメ
  弱  トマト、ナス、エンドウ、ピーマン、ネギ
  少弱 キュウリ、カボチャ、サツマイモ、キャベツ、ニンジン、
  強  トウモロコシ、ジャガイモ、大根

 これまた異説あり。
  極弱 ホウレンソウ、エンドウ
  弱  キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、トウモロコシ、
     ハクサイ、ソラマメ、里芋、ネギ
  少弱 キャベツ、小松菜、ニンジン、大根、タマネギ
  強  サツマイモ、ジャガイモ、ニンニク

 こうなると、なんとも訳が分からんとなります。 
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