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「チャレンジ自然農法」、山芋(むかごからの2カ年栽培)の連作・無肥料無農薬栽培 [各論:山芋]

(この記事は2020-11-19が最終追記で、その後の状況は新規記事「自然農法:山芋(むかごからの2か年栽培)の連作・無肥料無農薬栽培」で書き改めています。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、サツマイモは晩秋に掘ってみないことには分からないが、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、これまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。
(後日追記:サツマイモを3箇所で栽培していたが、大した効果はなかった感がする。)

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。
(2017年11月11日)
 さて、山芋栽培であるが今年5年目に入った。品種は不明であるが、2012年の秋に富士五湖へ行った折、忍野八海で河口湖産の丸芋を売っており、これを買ってきてトロロにしたら、けっこう天然の山芋に近い味であり、ゴツゴツしていない芋であるから調理もしやすかった。よって、種芋として一部を残し、2013年から栽培を始めた。
 河口湖産となると、標高900メートルであるから夏は涼しく、当地(海抜10mの濃尾平野)とは気象条件が大きく違い、ちゃんと収穫できるか心配であったが、十分に収穫できた。ただし、年々芋の形が変わってきて、イチョウ芋となり、それがまた長くなり、物によってはふと短い長芋となった。でも、味のほうは変化なく、購入時より若干水分が増えた感がするが、すりおろしたときトロロとしてちょうどいい水分量である。
 栽培は、収穫した山芋の小芋や大きな芋の上部を切り取って種芋とし、1畝(10m)で単年栽培で行っていたが、毎年芽吹かないものがけっこうあって、2017年からは自然薯(むかご)からの2年がかり栽培の畝を新設し、単年栽培との比較実験することとした。自然薯はほぼ100%発芽し、欠損株が生じないからだ。
(後日追記:ただし、自然薯発芽の小芋が越冬時に一部凍みてしまったようで、翌年発芽しなかったり、発芽が随分と遅れ、生長遅れするものがけっこうあった。→第2作からは真冬はビニールシート掛け)
 2018年からもう1畝、自然薯(むかご)からの2カ年栽培畝を新設し、毎年2畝収穫を目論むこととした。
 例年、連作とせず、栽培したことのない畝での作付けとしていたが、2018年からは連作とし、無肥料とする。もちろん無農薬栽培である。
 もう1畝新設する2年がかりの自然薯栽培の畝、これは永年グラジオラスを栽培していた畝であるが、今冬に深く掘り起こして刻み藁を混ぜ込もうと考えている。
 そして、ここはネコブセンチュウ対策を施していないから、土壌改良菌剤の「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)を刻み藁とともに入れ込むことにしたい。(後日追記:菌剤はサツマイモ[西端]のネコブセンチュウ被害がひどく、再度使用してしまって在庫がなくなり、山芋新設畝には投入せず)
 なお、この畝はスギナまるけの畝であり、掘り返すときにスギナの地下茎を極力放り出そうと思っているが、完璧にはいかないであろうから、スギナがけっこう生えるであろう。それが、刻み藁を入れることによってどう変化するか、これも見ものである。

<2018-19年の2か年栽培>
(2017年12月17日)
 来期から山芋栽培は3畝とする。種芋による単年栽培(別記事)は1畝とし、自然薯(むかご)からの2年がかり栽培を2畝とし、まず2017年春に1畝(慣行農法)で開始し、2018年春からもう1畝(「たんじゅん農」)で開始する。
 先日、予定した畝(グラジオラスの一番西の畝)のグラジオラス球根を全部掘り出した。スギナが密生しているから、その地下茎を丁寧に除去。
 本日(12月17日)、畝作りを行う。「たんじゅん農」にのっとって無肥料栽培とするが、炭素素材として田んぼに放置してあった藁(刻み藁が底を突き、長藁。だいぶ地上微生物分解が進み、望ましくなかろうが)を入れ込むこととした。なお、「たんじゅん農」も最初は深く耕すほうがいいようであり、また、山芋はイチョウ芋であってもけっこう深く伸びるから、可能な限り深く土起こしすることにした。
 まず、鍬でグラジオラス側へ可能な限り土を寄せる。次にビッチュウで反対側のネギ側に大きく土を移動させる。これで、大きな窪みができた。
 窪み(概ね硬盤層が露出)をさらにビッチュウで細かく起こしつつ藁を敷き込んでいく。スギナの地下茎がけっこうあり、それを除去しつつ作業を進める。
 藁が少々露出しているので軽く土を乗せ、再び藁を敷き、土を少々厚めに乗せる。もう1回藁を敷き、土を盛って粗畝にする。最後に畝を整形し、高畝とし、畝作り完成。
(2018年7月)
 4月23日に47個のむかご(一部小さな収穫芋)を畝に埋め込み。5月下旬に半分ほどが発芽し、6月5日には7割程度が発芽したが、未発芽なものも多い。高畝につき、発芽後に乾いて枯れてしまったかもしれず、その箇所に自然薯(むかご)の余りを埋め込んでおいた。
(2018年10月)
 まあまあの生育のものと生育が悪いものが半々。無肥料のせいというよりは、7月早々に梅雨明けし、高畝が乾いて、土の水不足が原因ではなかろうか。
(2018年11月)
 10月末にはほとんど枯れ、11月には支柱を抜き(ただし、折れた短い支柱を差して翌年支柱を同じ位置に立て直す)、ツルを株から切り取り、畝をいったん奇麗にした後、休耕田の枯草を持ち込んで畝を覆い、芋が凍みるのを防ぐこととする。1年物を植わったままの年越しで、これだけでは不十分だろうから、ビニールシートを張る予定。(12月2日にビニールシートを張り、19年2月25日に外した。)
(2019年6月6日)
 4月22日には幾つもの芽吹きがあり、支柱を立て直し、5月31日にはほとんど全部が芽吹いた。未発芽個所を探したら3箇所あり、むかごを埋め込んでおいた。
(10月20日)
 種にするむかごを収穫。四角いザルで受けながらむかごを採る。すでにこぼれたものやこぼしたものも多く、丁寧に拾い集める。大中小様々な大きさ。ヤーコンの畝間に全部捨て、大きそうなものを種芋とすべく、拾い出す。
(11月3日)
 ほとんど全部枯れたので、今日、全部収穫。初めて2か年栽培した昨年の収穫では、山芋ほぼ全部に全体に小さなイボイボがびっしりついていたが、2回目となる今年は、全くそうした山芋はなくてホッとした。なお、2か年栽培1回目も2回目も山芋の形は、単年栽培物に比べてイチョウの形より太短い形が目立った。このほうが調理しやすい。
 昨年の11月と今年の6月に休耕田の草を被せ、繁茂した草の草刈りを何度かしたが、思いのほか枯草は少なかった。そこで、掘る前に近くの田から刻み藁を運び込んだ。
 スコップで掘り進め、所によってはテボを補助的に使う。掘り進めるとともに枯草や山芋のツルそして刻み藁を混ぜ込む。
 最後に、刻み藁を畝にばら撒き、小型ビッチュウで畝尻の土をかき揚げ、粗整形。この畝で、再び来年むかごを植え付けて2か年栽培することとする。
 さて、収穫量だが、昨年収穫のものは有機肥料栽培で25.6kgあったが、今年収穫の畝は以前はグラジオラスをずっと栽培しており、残留肥料はほぼゼロの無肥料栽培であるも、19.4kgと、まずまずの成績を収めた。
(11月21日)
 雑草抑えと堆肥化のため、休耕田から枯草を搬入し、畝全体を覆う。
 来年、この畝で引き続き、むかごからの2か年栽培に挑戦する。

<2019-20年の2か年栽培>
(2018年11月2日)
 栽培畝は2017-18年のむかごからの2か年栽培畝と同じ個所とし、畝づくりの詳細は2018-19年栽培と同様だが、一番のポイントは硬盤層くずしである。耕土の下部は砂質土となっており、芋がここにぶち当たると先端が黒ずんでしまい、それ以上には深く芋が伸びていかないようなのだ。
 そのため、硬盤層をさらに20cmほど掘り出し、スコップにより畑起こしもどき(10cm間隔でスコップを刺し、前方に少し押す)を行い、山芋のツル、刻み藁、土混じりむかごを投入し、100倍散の竹酢液をジョウロで適当に散水。酢は土壌細菌の増殖を促すとのことであるから使うことにした。なお、今年はむかごが異常と言えるほどに生り、畝周りに散らばって一部畝間に埋まってしまったので、畝間を少し削り、土混じりむかごを処分するために地中深く埋め込むことにした次第。
 埋め戻しに当たっては、刻み藁をまぶしつつ、畝を順次高くしていき、前と同じ程度の高さにしたが、法面の勾配は緩くした。混入有機物の分解とともに多少畝が低くなるのではなかろうか。
(11月14日)
 2日前に安納芋を掘り、そのツルを山芋畝に被せた。そして、今日、休耕田から刈り取った雑草を搬入し、畝に覆い被せた。これは畝の雑草抑えとむかご植え付け後の畝の乾燥防止のためであり、2年後の山芋収穫後の土への有機物投入のためでもある。
(2019年4月21日)
 畝の峰やや東側に大きそうな自然薯を約30cm間隔で並べつつ、約5cmの深さに埋め込んでいく。36個植えることができた。
 畝がけっこう広幅だから、晩秋にいったん掘り出して保存して単年栽培の種芋にするため(後日、予定変更し、植えっ放しで2か年栽培)、もう1列植え付けた。畝の西側法面の中央辺りに概ね30cm間隔で同様に埋め込み。
(7月15日)
 むかごは5月に峰では概ね芽吹いたが、法面の発芽は思いのほか少ない。6月にはこぼれたむかごの発芽がけっこうあり、雑草も繁茂。余計なむかごを抜いたり、雑草を刈ったり。6月下旬には休耕田の枯草を運び込み、山芋の畝に雑草抑えのため敷き込んだ。その後もやたらと雑草が生育し、山芋は貧弱である。
(10月20日)
 例年より、ツルの勢いが悪い。これではたいした芋ができていないと思われ、来年の芋はあまり大きくならないのではなかろうか。連作障害が心配。
 なお、むかごを収穫したが、ほとんど生っていなかった。
(11月4日)
 ほとんど全部枯れ、支柱を除去し、2日前にツルが伸びていた箇所には目印に短い棒を差したが、けっこう歯抜けになっており、そうした箇所には、昨日今日収穫した別畝2畝のイチョウ芋で小さなもの(200g~50g)を植え付けることとした。40か所ぐらい植え付けて、目印の棒を差しておいた。
 そして、2、30gのものが10個ほどあったので、これを東面の法の上部に埋め込み、目印の棒を差しておいた。けっこう広幅の畝につき、これもけっこう生育するのではなかろうか。
(11月21日)
 雑草抑えと堆肥化のため、休耕田から搬入した枯草を補充し、畝全体を覆う。
 冷え込んできたら、ビニールシートで覆って防寒することに。
(2020年)
 2月24日に、もう冷え込みはなさそうだから、シートを外す。
 3月29日に、草刈機(紐タイプ)で畝の法尻を草刈りした後、畝の草引きをしながら、目印の棒を抜き、支柱(150cm、一部120cm)立て。全部で95本。
 その後、幾度か草刈機で草を刈ったり、手で引いたりし、10月4日と25日に、むかごが畝にこぼれないよう、全部収穫。若干はこぼれたであろう。
11月15日)
 本日、収穫。欠損株はほとんどなく、まずまずの出来。
 掘るときに、刻み藁や枯草を混ぜ込もうかと思ったが、出来はまずまず良いし、掘る作業がやりにくくなるので、混ぜ込みせず。畝整形のときまで、どうするか保留。
 なお、食用にするには小さすぎる山芋は、今年開始のむかごからの2か年栽培畝の欠損箇所に埋め込んでおいた。また、極小の山芋は、むかご代わりに来年植え付けするために保存することに。この方法は昨年に同じ。
 11月15日に収穫し、翌日水洗いして計量したら、28.1kgあった。株数が多かったせいもあって、まずまずの豊作となった。

<2020-21年の2か年栽培>
 ネギ連作栽培の両側の畝(東畝はむかごからの2年がかりの栽培で昨年収穫、西畝は単年栽培で昨年収穫)で、今年、むかごからの2年がかりの栽培を行う。
 2019年11月3日の山芋収穫時に、スコップで掘り進めるとともに、枯草や山芋のツルそして刻み藁を混ぜ込む。最後に、刻み藁を畝にばら撒き、小型ビッチュウで畝尻の土をかき揚げ、粗整形。
 4月26日にむかごを植え付け。まず支柱を差していく。両端と中ほどに太い支柱を差し、あとは細い支柱を順次差していく。畝がまあまあ広幅ゆえ、2列植えとし、支柱も2列とした。
 草引きしながら、むかごを埋め込んでいく。深さは約3cm。枯草がけっこう乗せてあるので、それを敷き直し、草抑えとする。西畝(1列42×2列)85個植え付け。東畝((1列45×2列)90個植え付けとなるところ、むかごが14個不足。不足部分は2020年収穫の小芋を埋め込み単年栽培。
 その後、何度か草刈り、草引きをし、10月4日と25日に、少しばかり生ったむかごを全部収穫。極小のものが少しこぼれたであろう。
 11月18日に支柱に結わい付けた麻紐をカッターナイフで切り、次に、支柱を1本ずつ除去しつつ、目印に短い棒(折れた野菜用支柱)を差していく。
 12月に防寒のためビニールシートを掛け、目印棒は来春に抜いて支柱を差す。

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「チャレンジ自然農法」、単年栽培の山芋の連作・無肥料無農薬栽培 [各論:山芋]

(山芋の単年栽培は2020年産でもって終了。それ以降は、むかごからの2か年栽培のみとなります。)

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、サツマイモは晩秋に掘ってみないことには分からないが、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入は、これまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。
(後日追記:サツマイモを3箇所で栽培していたが、大した効果はなかった感がする。)

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。ネコブセンチュウ対策でも、けっこうな量を入れ込んだから、正解ではなかったろうかと、ひそかに思っている。
(2017年1月11日)
 さて、山芋栽培であるが今年5年目に入った。品種は不明であるが、2012年の秋に富士五湖へ行った折、忍野八海で河口湖産の丸芋を売っており、これを買ってきてトロロにしたら、けっこう天然の山芋に近い味であり、ゴツゴツしていない芋であるから調理もしやすかった。よって、種芋として一部を残し、2013年から栽培を始めた。
 河口湖産となると、標高900メートルであるから夏は涼しく、当地(海抜10mの濃尾平野)とは気象条件が大きく違い、ちゃんと収穫できるか心配であったが、十分に収穫できた。ただし、年々芋の形が変わってきて、イチョウ芋となり、それがまた長くなり、物によってはふと短い長芋となった。でも、味のほうは変化なく、購入時より若干水分が増えた感がするが、すりおろしたときトロロとしてちょうどいい水分量である。
 栽培は、収穫した山芋の上部を切り取って種芋とし、1畝(10m)で行っていたが、芽吹かないものがけっこうあって、2017年からは自然薯(むかご)からの2年がかり栽培の畝を新設し、2畝栽培とした。自然薯はほぼ100%発芽し、欠損株が生じないからだ。2018年からもう1畝自然薯2年栽培を新設し、毎年2畝収穫を目論む。
 このページでは、単年栽培の山芋の連作・無肥料無農薬栽培について記し、山芋(むかごからの2カ年栽培)の連作・無肥料無農薬栽培は別ページで記す。

 例年、連作とせず、栽培したことのない畝での作付けとしていたが、2018年からは連作とし、無肥料とする。もちろん無農薬栽培である。
 さて、今年(2017年)収穫する畝については、来年も、小芋や山芋の上部を切り取った種芋を作付けするのだが、もう少し深く耕そうと考えている。
 というのは、ここの畑は、60年ほど前に行われた圃場整備のとき、かなり強く踏み固めてから畑土が乗せられたようで、30cmぐらい下は非常に固い土の層(砂混じり粘土)になっている。よって、山芋が長く伸びたとき、その硬い層にぶち当たり、それ以上は入り込めない状態にある。
 硬い層には土壌細菌も少ないであろう。よって、今年、山芋を掘るときに、硬い層が現れたら、刻み藁を撒いて掘り進め、上層の土壌を混ぜ込みながら埋め戻し、かつ、昨年同様に上層にも刻み藁を混ぜ込もうと考えている。これでもって土壌細菌も増殖し、無肥料であっても山芋が十分に生長してくれるのではなかろうか。

(2017年11月29日)
 本日、山芋掘り。栽培は1畝(10m強)であり、昨年は2時間で掘り終えたが、今年は4時間もかかった。来季もこの畝で連作するから、可能な限り深く掘って、芋が十分に生長しやすいようにしようとしたからである。昨年は大きく生育した芋が硬盤層にぶち当たって、黒く凍みたような芋が幾つかあった。この経験を踏まえて、そうすることにした次第。
 まず、スコップでなるべく深く掘り、芋が折れないようにして掘り出す。そして、さらに硬盤層(黄色っぽく、砂が気持ち多い固まった土)を10cmほど掘り出し、田んぼから集めてきた刻み藁(だいぶ地上微生物分解が進み、望ましくなかろうが)をまぶしながら若干埋め戻しつつ、順次掘り進めていく。なお、耕土を掘るときにも少しずつ刻み藁をばら撒いていった。こうして、例年より深く掘っていったから、倍の時間がかかった。
 掘り終わった後、来季の畝作りを行う。掘るときに刻み藁が概ね混ざっているが、さらに掘り跡に刻み藁をばら撒き、小型ビッチュウで大雑把に畝作りを行う。次に、鍬でざっと畝整形。最後に畝の法尻を鍬で軽く土さらいし、高畝にして、畝作り完成。

<2018年の栽培管理>
 4月23日に種芋切り分けを行い、切り口に草木灰を付け、4月29日に芽出し場に埋め込む。まだ芽吹きは少ないが5月17日に掘り出し、所定の畝に支柱を立てながら定植。6月5日には7割方が発芽したが、未発芽なものも多い。腐ってしまったかもしれず、その箇所に自然薯(むかご)の余りを埋め込んでおいた。
 詳細記事は「山芋(イチョウ芋)の栽培」で記す。
(2018年11月5日)
 ほとんど枯れているので、今日、山芋掘り。計量したら21kgであった。輪作・肥料投入して栽培した昨年は28kg、同一昨年は26kgであったから、連作・無肥料栽培初年度は3割減の収穫となったが、高畝のため夏の旱魃被害もあったかもしれない。枯れてしまって芋が全くできていない株が今年は幾株かあったからである。
 大きな芋は硬盤層に入り込んでいたものが若干あったが、先っちょが黒ずむものはなかった。これは、昨年、割と深くまで掘って刻み藁を入れたからだろう。
 よって、今年は、掘り進めながら刻み藁は投入したが、単に掘るだけとした。
(11月8日)
 本日、畝づくり。まず、刻み藁を追加して全体に少々振り撒く。畝に生えていた雑草の枯草と半分堆肥化しかけた休耕田から運び込んで畝の覆いに使った枯草がサツマイモ側に退けてあるので、それを畝の法面に埋め込むべく、鍬で溝を掘り、畝の粗整形をしつつ埋め込む。
 次に反対側法面を鍬で粗整形。けっこうな量の刻み藁が入った感がする。
 先日畝づくりを行なった、むかごからの2カ年栽培畝と同様に、前年と同程度の高畝となったが、法面の傾斜が緩い幅広の畝となった。
 後日、雑草抑えと畝の乾燥防止のため、休耕田の枯草で覆うこととする。→11月14日にサツマイモのツルも足してたっぷり覆う。

<2019年の栽培管理>
(4月27日)
 昨年の収穫時に、小さな種芋がけっこうあり、3割ほどは保存中に凍みてしまったが、それで事足り、本日、30数個を植え付け。同時に支柱も植え付け際に差しておいた。また、草引きし、枯草の覆いを直しておいた。
(9月1日)
 成育は芳しくない。枯れてしまった株もけっこうある。
(11月4日)
 ほとんどが枯れてしまったので、今日収穫。2017年有機肥料栽培で28kg、同じ畝で連作し無肥料とした昨年は21kg、3連作・無肥料2年目の今年が6.5kg。これは、連作と無肥料のダブルパンチで悪い成績となったこともあろうが、今年の種芋は前年より悪かったし、数も少なかった面もある。

<2020年の栽培管理>
 昨年、新品種2種類の試験栽培と在来品種を3分の1ずつ栽培した畝で、在来品種のみの単年栽培を連作で実施。
 欠損株やごく小さな芋しかできていなかった株があり、水洗い後の計測で、収穫量は8.4kgと少なかった。連作無肥料が災いしたようだ。
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