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自然農法:タマネギ(エンドウとの交互連作)の無肥料無農薬栽培 [自然農法:タマネギ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事(下記)をご覧ください。
 「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 「たんじゅん農」に出会う少し前(2016年晩秋から翌春)に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、場所によってはサツマイモにけっこうな被害が出ていて、ずっと畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、2017年晩秋にサツマイモを掘ってみたところ、ほとんどその効果は感じなかった。また、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入はこれまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 タマネギの栽培は、今まで毎年全く違う畝で慣行栽培(苦土石灰と有機肥料敷き込み)してきた。なお、ずっと無農薬で来ており、今後も農薬を使うことはない。
 2017-18年から、タマネギとエンドウはセットで栽培することとし、この2品種とも無肥料で基本的に交互連作栽培に取り組むこととした。といっても、エンドウは4年サイクルを考えている。従前は、タマネギを広幅1畝とし、エンドウは1畝の作付けであったのだが、今季からは各2畝を確保する。
 そこで、広幅のタマネギ跡を2畝に作り直し、エンドウ跡とその隣接する畝(今季はたまたま空き畝になっていた)を少々作り直し、1畝を丸1年遊ばせる(後日変更:2018年からカブと大根を半畝ずつ栽培する)こととした。
 ところで、タマネギは問題ないが、エンドウは連作を嫌い、4、5年は空けよと言われる。この目論見でやってもエンドウは3年空けるだけとなり、連作障害が出かねないのだが、自然農法の力で何とか防げないかと思っている。将来的には毎年同じ畝での連作を目差したい。

<2017-18年:タマネギ栽培>
 前作のエンドウ跡は隣の畝のカボチャのツルを這わせるため概ねフラットにしてあり、隣接した空き畝とほぼつながった状態になっている。これを明確に2畝となるよう、まずは9月初めに東法面を鍬で溝立てし、カボチャのツル、雑草の枯れたものを手作業で埋め込んでいく。次に、広く一体となってる畝の中央部を両側から溝立てし、ここにも同様に措置する。最後に西法面を同様に措置。
 10月終わりに、刻み藁を少々ばら撒き、鍬とテンワで土を被せ、2畝を粗整形。埋め込んであった枯草が少々飛び出したが、けっこう堆肥化していた。
 こうして、土壌細菌の餌となるものを2回にわたって入れ込んだところである。
 タマネギは肥料を欲しがる作物だが、無肥料がたたったとしても小さな玉になるだけであろうから、何も心配要らない。
 2017年11月9日に2品種各200本の苗を植え付け、その後の異常低温にもめげず、初期はまずまず順調に育ってたものの、5月下旬以降の生育は悪く、6月14日にタマネギを全部収穫。
 例年好成績を収めていたタマネギだが、ここ2か年の有機肥料栽培はやや不作であり、今年の無肥料栽培初年度ものは、施肥栽培の昨年と同じないし若干出来が良かった。残留肥料があったからだろう。

<2018-19年:タマネギ栽培>
 昨年と同じ2畝でのタマネギ連作となる。2018年8月にカボチャのツルや枯草をタマネギ2畝の両サイドに埋め込み、スコップで畝起こしもどき(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら、10cm強のピッチで順次行っていく。(参照:三浦伸章「ガッテン農法」の一手法)を行う。
 11月5日に2畝各2列植えとし、苗300本の植え付けを行ない、後日、籾殻をしっかり被せた。今季もタマネギの生育は全体に若干悪い。籾殻をしっかり被せてあったせいか、雑草の生え方は少なく、タマネギが雑草に負けることはなく、放置。
 手前はうちの畑のタマネギ。向こう側右手が隣の畑の方のタマネギ。
DSCN0656[1].jpg

 2019年6月初めにタマネギを収穫したが、出来具合は小さな玉や極小の玉であり、昨年(無肥料)、一昨年(有機肥料)並みの感がし、3年連続の不作となった。なお、西畝より東畝のほうが若干生育が良かったから、これは土壌条件に左右されたことだろう。

 さて、来シーズンはタマネギとエンドウの畝を交替するのだが、今シーズン部分的に不作だったエンドウ畝(北4割ほど)の土壌改良を行なった。方法は次のとおり。
 基本は「たんじゅん農」を元に三浦伸章著「ガッテン農法」を応用したやり方だ。
 まず、表土15cmほどをビッチュウで東側に退け、畝は概ねフラットになる。次に、その下の20cmほどの土をビッチュウで西側に退ける。
 ここからが大変。その下の土をスコップで掘り、土を凹地に積み置く。これで深さ20cmほどになる。次に、スコップを差し込み、スコップを前方に押し、空気を入れる。
 休耕田から運び込んだ枯草を少しずつ敷きながら、退けた土を順次埋め戻していく。枯れ草は都合4層入れた。
 北4割ほどは、土がふかふかになり、枯草も入ったから畝が高く大きくなった。いずれ沈んでいくだろう。
 これで、土壌改良できたのではなかろうか。来期のタマネギが楽しみだ。

<2019-20年:タマネギ栽培>
 今季作付けするタマネギ2畝は、昨季のエンドウ1畝とカブ&大根畝1畝であるが、何も入れず。また、スコップでの畝起こしもどきもせず。
 11月3日にJAで中晩生を3束(1束100本)を買い、1畝は3列植え、もう1畝は2列植え(一部3列植え)となった。籾殻を厚めに被せておいた。
 昨年は雑草があまり生えなかったが、今年は雑草がすごい。畝が別の場所になったからか? それとも、昨季は寒い、今季は暖冬、という違いからだろうか。
 2020年5月11日に8割方にネギ坊主(とう立ち)が見られ、その全部をハサミで切り取った。そして、21日に前回の残りのネギ坊主を手でちぎる。ほぼ全部にネギ坊主ができるなんて過去にないことだが、なぜだろう?
 あとから分ったことだが、11月12月と異常な暖冬で冬季間の育ちが良すぎ、ためにネギ坊主ができたようである。11月に遅く植えたりしても十分に育つとのことで、あまり早く植えないほうがネギ坊主が出にくく、玉の育ちがいいとのことであった。
 6月9日、明日から梅雨入りとなるゆえ、少々早いが全部収穫。いずれも小振りで、昨年と変わらず不作。なお、昨年11月に土壌改良した部分も出来は一緒であった。

<2020-21年:タマネギ栽培>
 今季は再びタマネギの連作となる。9月にスコップで畝起こしもどきをし、この畝に初めて牡蠣殻粉末を入れ込む。
 11月8日に、JAより良品の苗と言われる花屋さんで中晩生苗を300本買い、植え付け、籾殻をたっぷり被せる。昨年同様、草はけっこう生え、3月までに3回草引き。
 5月にネギ坊主ちぎりや草引きをし、部分収穫し、少々早いが6月10日に全部収穫。昨年と同様に小振りのものが大半で、不作。牡蠣殻粉末の効果は感じられず。

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自然農法:チマサンチュの連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:チマサンチュ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。

 さて、チマサンチュは2016年から栽培し、2017年までは畑で1畝使い、有機肥料栽培した。でも、そうたくさん必要ではないから、2018年からは柿の木の南淵で連作・無肥料栽培することにした。
<2018年>
 東の柿の木の南淵で、肥料や刻み藁など一切入れず、草叩きして簡単な畝を作ったおいた畝に4月1日に種をばら蒔き。すぐに奇麗に発芽し、5月に適度に選る。
 6月に株ごと収穫して食用とし、7月には大きく生育した株から、かき葉する。無肥料のせいであろう、葉っぱが有機肥料栽培時に比べ小さいが、食用にするに十分な大きさだ。

<2019年>
 昨年と同じ畝であるが、両側から土寄せし、畝幅を少し広げ、草木灰を適度に振っておいた。昨年と同様に4月1日に種をばら蒔き。すぐに奇麗に発芽し、5月に適度に選る。
 6月に株ごと収穫して食用とし、7月には大きく生育した株から、かき葉する。無肥料のせいであろう、葉っぱが有機肥料栽培時に比べ小さいが、食用にするに十分な大きさだ。

<2020年>
 ここ2年、東の柿の木の南淵での栽培であったが、今年は西隣りの柿の木の南淵に変更。昨年ジャガイモを自然栽培した畝である。
 昨年、一人生えのチマサンチュが3月下旬に2株生えており、早蒔きして良かろうと思い、2月24日に種をばら撒き、枯草をほぐしながら被せる。どれだけか防寒になろう。
 3月8日にはきれいに発芽していた。なかなか大きくならなかったが、昨年より早く5月半ばから選ったものを食用にできた。7月には大きく生育した株から、かき葉する。無肥料のせいであろう、葉っぱが有機肥料栽培時に比べ小さいが、食用にするに十分な大きさだ。

<2021年>
 昨年に引き続き西の柿の木の南淵での栽培とするが、ジャガイモをメインとするので、畝の両サイドでチマサンチュを栽培することとした。
 3月1日に畝の両サイドに種をばら撒き。その後順調に発芽し、順調に生育。5月半ばから選ったものを食用にできた。6月にジャガイモを収穫したのだがさっぱりダメであるも、チマサンチュは無肥料でも十分に育つ。
 ところで、チマサンチュの使い道はあまりなく、さほどおいしいものではないから、翌年度以降は栽培を中止。

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自然農法:ソラマメの無肥料無農薬栽培 [自然農法:ソラマメ]

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 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 「たんじゅん農」に出会う少し前(2016年晩秋から翌春)に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、場所によってはサツマイモにけっこうな被害が出ていて、ずっと畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、2017年晩秋にサツマイモを掘ってみたところ、ほとんどその効果は感じなかった。また、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入はこれまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 ソラマメ栽培は2017年度に新たに取り組んだが、無肥料栽培ということもあって、初年度はまずまずであるも、2年目の2018年度は失敗に終わった。そこで、早々に栽培をあきらめたのだが、親戚から2020年6月に珍しいソラマメ2品種をいただき、まあまあおいしかった。そして、後日、種を送られてきたので栽培することにした。

<2017ー18年:須賀前サツマイモ西端の畝>
 10月21日にポット苗作りし、12個中11個が芽吹く。これを無肥料でサツマイモ西端の畝の道路側土手に11月10日に定植。うち春から初夏にかけて4株が枯れたり病気が来たりして生育が悪く、処分。7株に実が生ったが、少しずつ病気がきて、十分に育ったのは2株だけ。
 初めて栽培であるが、良くて、やや不作といったところだろう。

<2018-19年:自宅前トウモロコシ第2弾跡>
 今季は自宅前の畑で空き畝(トウモロコシ第2弾跡)が生じたので、その場所で、前作に引き続き無肥料でいくこととした。
 10月21日に昨年の残り種5粒を直播き。全部芽吹いたものの、12月2日には、まともな生長は3株となり、初夏には樹体は昨年より小さく、ほとんど実を付けず、無収穫に終わる。

<2019ー20年> いったん中止

<2020-21年>
大粒種の栽培:須賀前の畑(サツマイモ栽培の西畝東法面)
 10月21日にポット苗作りし、11月16日に定植。使用する畝は、今年サツマイモを栽培し、収穫が済んだばかりの畝である。2017ー18年サツマイモ栽培の畝だが、定植位置は畝の反対側である東法面の法尻とした。
 植え付けに先立ち、ソラマメは酸性土壌に弱いと聞くから、中和剤として牡蠣殻粉末を入れ込むことにし、スコップで畑起こしもどきをしながら入れ込む。
 畝の南のほうから発芽した10株を約50cm間隔で定植。順調に生育し、年越ししたものの、その後、枯れたり病気が付いてたものがって生育が悪いものを処分し、4月現在、残ったのは5株。無肥料でも十分に生育してくれた。
 5月に入ってから食べ頃となり、4回ぐらいに分けて順次収穫。5月30日、端の1株だけ残し、サヤが黒ずんだものを完熟させ、種取りする。

赤粒種の栽培:自宅前の畑(サツマイモ栽培の西畝)
 10月21日にポット苗作りし、11月16日に定植。使用する畝は、今年メロン栽培後、サツマイモのネコブセンチュウ対策でコブトリソウを栽培し、コブトリソウは1週間前に刈り取ってある。
 ソラマメは酸性土壌に弱いと聞くから、中和剤として牡蠣殻粉末を入れ込むことにし、スコップで畑起こしもどきをしながら入れ込む。
 約7mの畝に均等に12株を定植。順調に生育し、年越しし、4月現在、12株ともけっこう成長した。5月半ばから収穫できたが、まだだと思い、5月26日に実がいってしまったもの(サヤが真っ黒で、豆は硬い)をまず収穫。5月31日にサヤがまだ黒くなっていないもの(豆が柔らかい)を全部収穫し、後作のサツマイモ苗植え付けのため6月3日に全部引き抜く。初栽培であるが、まずまずの出来ではなかったろうか。

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自然農法:イチゴを植えっ放しで連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:イチゴ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。
 なお、「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。これは1回の処置で終わらせたが、サツマイモには大した効果はなかった感がした。「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであり、「百姓モドキの有機農法講座」に“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていた。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。 

 さて、イチゴ栽培であるが、近年、品種はずっと「早生ほうこう」ほぼ1本である。毎年親株から苗取りを行い、毎年全く違う畝で慣行栽培(苦土石灰と有機肥料敷き込み)してきた。なお、無農薬であることはずっと変わらない。
 ずっと苗更新をしなかったせいか、2016-17年(有機肥料栽培)の収穫はイマイチであったから、2017-18年(連作・無肥料栽培開始)は、作付けの3分の1(畝の南)を新規苗購入で行くことにした。なお、イチゴは連作障害が出るから2年は空けよと言われるが、連作にも挑戦することとした。
 連作・無肥料の何よりの利点は、苗作りや新たな畝作りをする手間がなくなり、親株を少々残して、ランナーが十分に走ったところで親株を引っこ抜き、秋に苗を選って藁敷きすれば済んでしまうことである。
 究極の自然栽培は、同級生のG君が小規模にやっているが、何十年も一切の手を加えず放置したままであるものの、まずまずの収穫を得ている。その状況を見たところ、少々小粒の実であり、1株に生る数も少なそうで、あまり褒められたものではないが、将来的にはこうした放任栽培もいいものだ。
 なお、通常、イチゴは早春に地温を高め成育を促進させるために黒ビニールのマルチを敷くと良いとのことだが、小生は、密閉してしまうと空気が通わなくなり、空気を欲しがる根っこが可哀想で、どうしても好きになれず、使っていない。その代わりに毎年冬なり春に藁(または刻み藁)をたっぷり敷くことにしている。そして、その藁はやがて朽ちて土壌に馴染むであろう。

 2017-18年から連作・無肥料栽培を開始したが、ずっと満足がいく収穫ができている。そして、2019-20年:無肥料・連作3年目からは、50数株栽培のイチゴのうち優良株を畝の所々に概ね1m間隔で10株ほど残し、これを親株とし、ランナーを畝全体に走らせ、数多く活着した子株のなかから概ね等間隔になるよう子株を残し、他を除去するというやり方をとることとした。一部移植せねばならないが、放任栽培に限りなく近いやり方で、これでうまくいきそうである。

 以下、各年の栽培概要を記す。
<2017-18年:無肥料・連作とも1年目>
(2017年9月1日)
 南3分の1程度は苗場になって入るから、それ以外の部分で畝作りを行う。
 2列植えの畝につき、中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたカボチャの残骸と引いた枯草を手で埋め込んでいき、最後に両端を鍬で軽く土寄せしておいた。
(10月1日)
 昨日、雑草の草叩きをしておいた。本日、畝整備。まず、籾殻(「たんじゅん農」推奨の「炭素素材」のつもり)を適当に撒く。畝幅が気持ち足りないから、両サイドの土をビッチュウで削り上げるとともに畝の上面を軽く覆土。テンワで整形して完了。
(10月8日)
 苗場はランナーを走らせっぱなしにしておいたから、密生しており、ひょろ長いものがほとんどだ。でも軸太のものがどれだけかあり、それをテボで掘り出し、適当な間隔で2列植えしていく。
 苗場のイチゴを全部掘り出して捨て、畝作りにかかる。前回と同様に中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたトマトの残骸と枯草を手で埋め込んでいき、最後に両端をテンワで土寄せし、整形。
 JA売店で「早生ほうこう」18株を買い、苗場跡に植え付け。
(11月9日、20日)
 けっこう雑草が生えている。テンワで法面を削り上げ、畝面の草削りをざっと行う。
 細かの雑草を引きながら、葉が地面に張り付かないよう、刻み藁を敷きこむ。
(2018年3月12日、25日)
 草引き、畝の両サイドを削り上げ。
(5月18日)
 5月2日からイチゴの収獲がピークに入った。購入苗は大半が好成績を上げ、繰り返し苗取りしてきた株も好成績なものがけっこうある。
 昨年の畝での連作で、施肥もしてないが、残留肥料があるであろうから完全な無肥料栽培ではなかろうが、思いのほか好成績を収めている。連作障害もほとんど出ていないのではなかろうか。
 なお、来季の苗取り用の優良株は、購入苗の中から5株を選抜し、棒を差してある。

<2018-19年:無肥料・連作とも2年目>
(2018年10月7日)
 南の方の更新苗で栽培したもののうち優良株5株を残し、ランナーを走らせて苗づくりを行い、ランナーが十分に伸びた7月10日に親株を鎌で刈り取ったが、例年どおり苗が密に育ってしまった。よって、苗はひょろ長いものが大半となり、その中からなるべく軸太のものを選んで苗とするしかなかった。
 8月20日に、空き畝部分について、昨年と同様に、中央と両端に鍬で溝を掘り、枯れたカボチャの残骸と引いた枯草を手で埋め込んでいき、今年と同様に2列植えの畝づくりを行なっておいた。
 本日、北のほうから順次、良さそうな苗を定植して行き、苗場に差し掛かったところで、定植位置に良さそうな苗があれば、それを残そうと思ったが、ひょろ長の苗が多く、3割程度しか思惑どおりにいかなかった。
(10月29日)
 定植した苗は全部が活着した。田んぼから刻み藁を運び、畝全体にたっぷり敷く。
(2019年4月28日)
 刻み藁を十分に乗っけたせいか、今年は全然草引きせずに今日まで来たが、かなり大きな雑草もあるので、ほぼ全部の草を引く。
(5月24日)
 株の成長、実の生りようとも例年並みで推移し、例年より豊作となった。これは、前年度に苗更新し、その苗ばかりでの栽培となったからだろう。

<2019-20年:無肥料・連作3年目>
 今期から、より自然農法に近づけた栽培法を実行する。その目論見は次のとおり。
 50数株栽培のイチゴのうち優良株を畝の所々に概ね1m間隔で9株残し、これを親株とし、ランナーを畝全体に走らせ、数多く活着した子株のなかから概ね等間隔になるよう子株を残し、他を除去するというやりかたである。なお、刻み藁は敷きっぱなしにし、いずれ堆肥化させるが、毎年刻み藁は補充し、熟したイチゴが汚れないようにする。 
(2019年9月8日)
 収穫後の6月以来、数回にわたって草引きし、伸びだしたランナーの位置を整える。
 概ね十分に子株が定着したが、部分的にランナーが伸びなかった箇所があり、その空白域には畝の法尻などで十分に育った子株を移植。親株を全部引き抜き、ランナーを全部切り、小さいものや密に生えているものを除去し、粗く選る。
(9月15日)
 移植苗は活着したようだ。概ね3列配置になるように最終選り。草削り、畝整形し、カボチャの敷き藁代わりに使った枯草をたっぷり敷き詰め、雑草抑えとする。
(10月21日)
 昨日、細かな草を叩きながら、イチゴの枯葉除去、伸びたランナー除去、除去できなかった苗の除去を行なった。
 敷き藁代わりの枯草が薄いので、近くの田(地主さんの了解を得て)から刻み藁を本日搬入し、厚く敷いておいた。これで、草抑えとイチゴが熟したときの腐り防止・土跳ね防止になる。
(2020年3月16日、29日)
 暖冬・暖春のせいか雑草の生え方が例年よりすごい。鎌で刈りながら小さなものは手で引く。取り残しを2週間後に丁寧に引く。
(5月27日)
 株の成長、実の生りようとも昨年よりいい感じで、株数が4割増し程度多くなったこともあり、大豊作となった。今日がピーク。
 味もまずまずで、無肥料・連作3年目で軌道に乗った感がする。 

<2020-21年:無肥料・連作4年目>
 今期から昨年と全く同様な栽培法を取る。放任栽培に近い自然農法である。
(2020年9月6日)
 収穫後の6月以来、数回にわたって草引きし、伸びだしたランナーの位置を整える。親株は半月前に全部株元から刈り取ってある。
 概ね十分に子株が定着したが、部分的にランナーが伸びなかった箇所があり、その空白域には混みあった箇所や畝の法尻などで十分に育った子株を移植。
 概ね株間30cm強、3列になるようにし、余分な苗は全部除去。
(9~10月)
 雑草がよく生え、4回草叩きし、イチゴの枯葉除去、伸びたランナー除去、法面の削り上げなどを行い、10月18日に刻み藁をびっしり敷く。刻み藁は草抑えとイチゴが熟したときの腐り防止・土跳ね防止になる。
(2020年4月19日)
 その後も雑草は生え、12月、2月、3月、そして今日、草引きし、刻み藁を少々追加して株周りに敷き込む。
(5月28日)
 4月27日に初生りを収穫し、今日、最終収穫。昨年と同様に大豊作となった。ただし、今年は雨が多く、かなり腐りが出た。黒ビニールマルチでないから致し方ない。

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