SSブログ

百姓を始めたとき、まだ50回実験ができると思っていたが、もう20回しかない(2021.9.6) [自然農法:雑感]

 別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事ですが、このブログに関係するものは再掲することにします。

 百姓は基本的に年に1回の実験を行い、その成果をもとに翌年また1回実験をする。この繰り返しで、だんだんより良い農作物を生産することができるようになる。成功のポイントは、農作物とそれを植え付ける場所の土壌細菌との相性だ。これは畑によって大きく違ってくるし、同じ畑でも違い、たった10mの畝1本だけを見ても違う。
 親父からバトンタッチを受けて百姓を始めたのが約30年前だ。小生45歳の時である。その後しばらくは先生はおふくろであり、化学肥料による慣行農法を学んだが、順次有機肥料栽培に切り替えていった。当初は、まだ若かったので、死ぬまでにまだ50回も実験ができようから十分にマスターできると安易に構えていた。
 20回ぐらい学習や実験を繰り返していたところで有機肥料栽培も概ね成功し、百姓もそうは難しくないと思ったものの、この栽培法は連作が効かないことを知った。となると、大型耕運機が必要だし、肥料搬入もかなりの力仕事を強いられる。
 そのとき、ちょうど高齢者となり、体力の衰えを身をもって感じた。ここは、何かいい手抜き農法を編み出さねばいかん。一番は、連作し、かつ、土をいじらないことであり、究極の農法は放任だ。そこで、自然農法なり炭素循環農法なり、軽作業で野菜が栽培できる方法を勉強し、1年に1回本格的な実験を繰り返し実施することとした。
 今まで数年にわたり実験したのだが、失敗が多く、なかなか前進しない。間もなく73歳になり、残された実験回数はせいぜい20回しか残っていない。この分では成功の目途が付いたところで、ご臨終となってしまう。
 焦る。今、冬野菜の作づけ本番。今までに手抜き農法が成功したものは半分で、半分は失敗している。失敗している野菜の作付け改良実験を今年も行う。試行錯誤しながらの実験であるから、1年で成功することはあり得ない。数年はかかろう。
 それがうまくいったとしても、今のところ表層10cmぐらいは土いじりしているから、今は体力的に問題ないが、10年もするとそれが重労働となる。せいぜい表層5cmぐらいしかいじれなくなる。そうなると、今度は全く土を動かさない完全自然農法への転換を求められる。これはなんとも難しすぎる。
 こうして、百姓の実験は、ついこの前、まだ50回実験ができると思っていたが、もうカウントダウンが始まった。再び焦る。
 でも、まだまだどれだけかは好奇心が残っている、変人である小生ゆえ、今年新たに取り組む試行錯誤実験にワクワクしているところです。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。