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自然農法:里芋を一毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:里芋]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。

 以下、ヤーコンの連作・無肥料無農薬栽培の概要について紹介することにする。
 里芋は連作を嫌い4年空けよと言われており、今までうちもそうしてきた。でも、2018年からは連作とし、無肥料とした。
 2017年の作付けは、慣行農法によったうえに石灰窒素が好成績を収めるとのことで、けっこうな量を敷き込んだ。ところが、冬季の種芋保存に失敗し、植え付けはクズ芋が過半であり、生育も悪かった。よって、かなりの肥料分、特に窒素分が相当量残っているであろうから、2018年は無肥料と言えども、半分施肥栽培ということになり、連作にもかかわらず、普通作となり、びっくりした。
 ところが、2019年、2020年と悲惨な収穫量となり、何か工夫せねばと2021年産は3畝あるから3通りの方法で土壌改良を試してみることとしたが、少々上向いただけであり、2020年産に向けて再度土壌改良を実施。

 初期の土壌改良については次のとおり手当てした。
<2018年産>
 2017年11月に、3畝とも少々深く掘って稲藁を3層に敷き詰め、退けた土は刻み藁をまぶして畝立てを行った。初期生育は連作にもかかわらず、例年並みであったが、10月になってから畝のよって差は出たが、成育が極端に悪くなった。
 でも、小芋の収穫は予想外に普通作に近いものとなり、ビックリした。もう一つビックリしたのは、連作の影響か、残留肥料だけの栽培の影響か、定かでないが、親芋が極端に小さくなったことである。

<2019年産>
 2018年11月に、2年目の無肥料・連作栽培に向けての畝づくり。昨季の畝づくりほどのことはせず、ほぼ枯れた雑草(少々足りないから休耕田の枯草を補充)を埋め込み、刻み藁を適量ばら撒き、小型ビッチュウで畝の両サイドの土をかき上げ、畝立てする。
 夏場の生育は明らかに悪い。10月27日には地上部が枯れたものがほとんどになり、収穫するも、無収穫株がけっこうあり、3畝とも非常に凶作。

<2020年産>
 2019年11月に昨年同様(一昨年に近い形で)枯草や刻み藁を入れ込み、さらに2020年4月に畑起こしもどき(スコップを10~15cm間隔で刺し込み、空気を入れ、土をほぐす)をしながら土壌のアルカリ化のため牡蠣殻粉末を入れ込んだ。
 連作3年目、そして無肥料栽培も3年目の里芋栽培である。大冒険だ。
 牡蠣殻粉末の効果なのか、梅雨明けが大幅に遅れたせいなのか、昨年より少しはいい生育であったが、11月2日には昨年同様に枯れてしまい、収穫するも、3畝とも非常に凶作。

<2021年産>
 2020年11月に、3畝の土壌改良法を少しずつ変え、どのような成果が出るか試すこととしている。
<東畝:畑起こしもどき・刻み藁敷き込み>
 堀跡の土を畝間と同レベルまでビッチュウで両側に退け、スコップで畑起こしもどきをし、刻み藁を適当量撒いたのち、両側の土(けっこうな量の枯草混じり)を戻して整形。
<中畝:畑起こしもどき・刻み藁を地中へ入れ込み、野焼きした草木灰>
 堀跡の土を畝間と同レベルまでビッチュウで両側に退け、スコップで畑起こしもどきをしつつ、刻み藁を地中へ入れ込み。両側の土(けっこうな量の枯草混じり)を戻して整形。
 1~4月に、古くなったむしろや細かい枯れ枝をこの畝で野焼きし、少しは草木灰が入った状態となる。
<西畝:畑起こしもどき・蛎殻粉末を地中と表層へ入れ込み>
 堀跡の土を畝間と同レベルまでビッチュウで両側に退け、スコップで畑起こしもどきをしつつ、牡蠣殻粉末を少々多めに地中へ入れ込み。片側の土(けっこうな量の枯草混じり)を戻した後、刻み藁と蛎殻粉末を適当量撒き、もう片側の土(けっこうな量の枯草混じり)を戻す。
 その結果:この3畝の栽培実験で、刻み藁を入れた東畝と中畝のほうが成績が良かった。草木灰の効果はなし。

<2022年産>
 2021年11月末に、3畝とも表層土を退けてから刻み藁をばら撒いてビッチュウですき込み、表層土にも刻み藁を混ぜ込む。昨年より刻み藁の投入量を幾分多くした。
 

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自然農法:キュウリ第2弾を大根&カブとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:キュウリ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 自宅前の畑は、南側が空いているだけで3方は建物が建っていて風通しが悪い。よって、野菜によっては病害虫が付いたりして育ちが悪いが、キュウリはその影響は少ない感じがする。また、キュウリは毎日収穫せねばならず、離れた須賀前の畑より自宅前の畑での栽培が楽できる。なお、キュウリは足が短いから3回に分けて時差栽培している。
 その第2弾は、南区画の西側1畝7mほどの畝に、5月20日頃にポットに種蒔きした苗で栽培することにしている。そして2018年から連作・無肥料無農薬栽培に取り組んだ。

 南区画の西側は、2016年に8畝に直し、交互に1年休ませての作付けとしたが、2018年からは5畝で固定することとしたので、全面的に畝の立て直しを行った。
 冬に予定畝位置に刻み藁をばら撒き、ビッチュウで起こしながら枯草とともに混ぜ込んだ。次に鍬で粗畝の法面に溝立てし、藁を敷き込み、埋め戻す。これを両サイドとも行い、最後に畝間を削り上げて畝整形。
 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとする。
 土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。

<2018年夏作:キュウリ第2弾>
 キュウリ第2弾は従前からこの区画で一毛作で行っており、5月20日に「聖護院節成胡瓜」をポットに種蒔きし、6月9日に定植。その後の生育は、背丈は順調に伸びたが、葉が黄緑色で、明らかに肥料欠乏の呈を示している。小さな実が少し付いているが曲がっている。これも肥料欠乏の印だ。
 初期の実は色は薄く、頭が黄色になり、味は苦味がきつい。その後、ツルは伸びることは伸びるが、実の付きようは悪く、無収穫に近いチョウ不作。
 秋に枯草を畝間に退け、スコップで畑起こしもどき(10~15cmピッチでスコップを差し込み、前へ少し押す)。休耕田の草を一輪車で運び、雑草抑えに畝全体を覆う。
 
<2019年夏作:キュウリ第2弾>
 昨年はキュウリだけの一毛作で、5月20日に「ときわ地這胡瓜」をポットに種蒔きし、6月3日に定植。畝はいじらず、植え付け後、枯草や引いた草を畝にざっと被せただけ。
 その後の生育は、良好そうに見えたが、有機肥料栽培時のようなことはなく、収穫もポツリポツリで終ってしまった。昨年のような悲惨さはなかったが、不作で終った。

<2020年夏作:キュウリ第2弾>
 無肥料連作栽培3年目であり、今年もキュウリだけの一毛作。過去2年、不作続きであったから、畑起こしもどきをしながら、牡蠣殻粉末を適量入れ込む。
 5月17日に、品種は産地が岐阜県の固定種「夏節成胡瓜」をポットに種蒔きし、5月31日に定植。
 その後の生育は、良好そうに見えた。収穫も昨年の倍はあろう。でも、有機肥料栽培時に比べれば明らかに落ちる。やや不作といったところ。

<(参考)2020~21年冬作:大根&カブ>
 キュウリ終了後、来年用にスコップで畑起こしもどきをし、牡蠣殻粉末を入れ込み。
 後作は予定していなかったが、急きょ大根&カブを作付けすることとし、勘違いして再びスコップでの畑起こしもどきと牡蠣殻粉末入れ込みをしてしまった。
 大根は9月6日、カブは9月21日に須賀前の畑と同じ日に種蒔きしたが、こちら(自宅前)は初期の虫食い(特にカブにひどい)がために生育遅れし、カブはほぼ全滅、大根は暖冬で須賀前の畑は巨大なものに生育したが、小振りで生育が止まった。

<2021年夏作:キュウリ第2弾>
 無肥料連作栽培4年目であり、今年は大根&カブの後作となる。
 4月にスコップで畑起こしもどきだけを行う。昨年より時期を遅らせて、5月31日に種蒔き、6月13日に定植。なお、種は昨年自家採取したものを使用。
 その結果はというと、昨年より若干収量が落ち、不作続きである。

<2022年夏作:キュウリ第2弾>
 キュウリの不作の原因がネコブセンチュウかもしれないと思い、キュウリ栽培の後半(2021年8月上旬)にコブトリソウの種蒔きをし、コブトリソウを生やし、10月末に刈り取り。11月半ばに、土壌改良を試みる。
 まず表層の土を数センチ退け、ついで10センチほどを反対側に退け、概ねフラットにし、籾殻と刻み藁を入れ、ビッチュウではつり込む。若干の籾殻などが地中に入る。次に、刻み藁をばら撒き、退けておいた10センチほどの土を戻し、再度刻み藁をばら撒き、最後に表層の土を戻す。
 なお、若干の施肥栽培となるが、11月20日に、里芋畝で燃やしてできた草木灰を畝に被せる。けっこうな量あった。
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自然農法:キュウリ第3弾をホウレンソウとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:キュウリ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 自宅前の畑は、南側が空いているだけで3方は建物が建っていて風通しが悪い。よって、野菜によっては病害虫が付いたりして育ちが悪いが、キュウリはその影響は少ない感じがする。また、キュウリは毎日収穫せねばならず、離れた須賀前の畑より自宅前の畑での栽培が楽できる。なお、キュウリは足が短いから3回に分けて時差栽培している。
 その第3弾は、北東区画の1畝7mほどの畝に、7月初めにポットに種蒔きして作った苗で栽培することにしている。そして2018年から連作・無肥料無農薬栽培に取り組んだ。

 北東区画は4畝あり、冬野菜との二毛作としてきた。そのうちの1畝をキュウリ第3弾の連作畝とし、2017年夏過ぎに小松菜を有機肥料栽培した。

<2018年夏作:小松菜の跡にキュウリ第3弾>
 小松菜の跡を2018年3月に刻み藁をばら撒いて、ビッチュウで起こしながら、枯草とともに混ぜ込んで、粗畝作りを行った。その後、草刈機で草刈り。
 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとする。土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。
 7月1日に「奥武蔵地這胡瓜」ポットに種蒔きし、7月8日に定植。
 成育は良く、ツルは伸びることは伸びるが、雄花ばかりで雌花はほとんどない。実の付きようは悪く、無収穫に近いチョウ不作。2013~17年の4年間、キュウリ第3弾は豊作1回、チョウ不作3回で、今年の不作も時期的な問題かもしれない。また、品種によるかもしれない。

<(参考)2018~19年キュウリの後作にホウレンソウ>
 ホウレンソウ「日本ほうれん草」を時差栽培し、後蒔きとした。芽吹きは良かったものの、部分的に葉が黄色い。そこで、完全な自然農法とはならないが、全体に草木灰を散布。でも、その効果は全くなし。無収穫に終わった。発芽後の冷え込みで生育不良。春になっても大きくならず。

<2019年夏作:ホウレンソウ跡にキュウリ第3弾>
 前作のホウレンソウ畝は草刈機で草刈りし、スコップで畝起こしもどきしておいた。
 7月1日にキュウリの種蒔きをし、7月13日に定植。その後の生育はとんと悪い。生りもほとんどなく9月半ばにくずキュウリを4個収穫しただけで終わった。

<(参考)2019~20年キュウリの後作にホウレンソウ>
 9月下旬に枯草や枯れたキュウリのツルを畝の法面北側に鍬で溝立てし、埋め込み。
 10月5日に草木灰を撒いてからホウレンソウの種蒔き。発芽は概ねあったが、成育は悪く、3月にほんの少々収穫できただけで、ほぼ無収穫に終わった。

<2020年夏作:ホウレンソウの後作にキュウリ第3弾>
 前作のホウレンソウ畝は草刈機で草刈りし、スコップでの畝起こしもどきは省略。
 6月26日に「アタリヤ 節成胡瓜 品名:夏みどり」をポットに種蒔きし、7月3日に植え付け箇所に木灰を軽く一握り撒き、かき混ぜて穴を空け、植え付け。
 ツルはまずまずの生育を示し、お盆頃からぽつぽつ収穫できたが、1日に1本程度の収穫で、9月に入ったら、収穫頻度は落ちた。不作ではあったが無収穫ではない。

<(参考)2020~21年キュウリの後作にホウレンソウ>
 9月下旬に、後作のためスコップで畑起こしもどき、蛎殻粉末と木灰入れ込み。
 9月27日にホウレンソウを、東側に「日本」、中央に「次郎丸」、西側に「西洋大葉」の種蒔き。3品種ともきれいに発芽したものの、時期が遅くて生育は悪い。ただし、黄変は少なく、望みが持てそうであったが、寒くなってからは成育はストップ。ほんの少しの収穫で終る。

<2021年夏作:ホウレンソウの後作にキュウリ第3弾>
 4月に、スコップで畑起こしもどきだけをしておいた。
 今年は、昨年種取りした固定種「夏節成胡瓜」の種を使用。6月下旬に種蒔きし、7月上旬に定植。生りはポツポツで、昨年より若干成績が悪い感じであった。

<2022年夏作:キュウリ第3弾>
 当初、2021年は後作にホウレンソウを予定していたが、キュウリの不作の原因がネコブセンチュウかもしれないと思い、キュウリ栽培の後半にコブトリソウの種蒔きをし、コブトリソウを晩秋まで生やすこととした。
 2021年10月末にコブトリソウを刈り取り、11月半ばに本格的な土壌改良を実施。畝の土を2回に分けて大根畝側に退け、更にピーマン畝にも退けて、凹んだ状態にし、籾殻を適当量撒いてビッチュウですき込む。刻み藁を少量撒いてピーマン側の土を戻し、つぎに再び刻み藁を少量撒いて大根側に土を半分戻し、今度は籾殻を撒いて残りの土を戻す。
 なお、西のほうにしだれ梅があり、だんだん大きくなってきたので、畝の3分の1ほど縮めて畝づくりを行ったところである。

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自然農法:白ナスを一毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:ナス]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。
 なお、「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。これは1回の処置で終わらせたが、サツマイモには大した効果はなかった感がした。「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであり、「百姓モドキの有機農法講座」に“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていた。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 白ナスの栽培は、焼きナスにするととても美味しいから皆さんに差し上げるために大量作付けとし、2畝(1畝10m強)栽培し、昔からずっと種を自家採取している。
 2016年までの白ナスの育苗はお隣さんのハウスで管理をしていただいていたが、高齢となりハウスを止められたので、2017年から冷床育苗となり、ほぼ1か月遅れで定植し、成育も1か月遅れとなった。なお、2017年は従前どおりの慣行農法(連作を避け、有機肥料栽培)で作付けした。その結果、初収穫は遅れはしたものの、まずまず例年どおりの収穫となった。なお、例年チャノホコリダニの被害に遭い、8月半ば以降はナスの尻がゴワゴワとしたものになりやすく、農薬使用を定期的に3、4回行っていたが、2017年は生育が1か月ほどずれたせいか被害は軽微で無農薬でいけた。

 さて、2018年から白ナスの栽培は露地育苗(といっても、どれだけか保温措置を取る)した苗で連作・無肥料無農薬栽培に取り組むこととした。
 ナスは連作を極度に嫌う(5年空けよ)というから、2018年作付けは安全策を取って1畝は白ナスを連作するが、もう1畝はオクラの跡とし、オクラを白ナスの跡とした。その連作障害の結果はというと、白ナスの出来はともに悪く、差異はほとんどなかった。よって、2019年から元に戻し、2017年2畝作付けの位置に戻して連作することとした。なお、2020年からは1畝(東)は同じナス科であるトマトと位置替えをして出来具合を比較したが、トマト・白ナスともに差異はほとんどなかった。毎年連続しての不作である。
 毎年不作となった原因は、肥料を欲しがるナスにつき、肥料に変わる土壌細菌の繁殖がいまだ不十分であると結論づけられよう。

 そこで、今まで取った土壌改良の方策を以下に記録しておく。
<2018年:白ナス>
 2017年10月、白ナスの収穫が終わり次第、白ナス跡2畝とオクラ跡1畝の畝作りを行った。3畝とも雑草の枯草と刻み藁を畝に乗せてあり、若干の畝位置調整を行いつつ、ビッチュウではつり込んだ。雑草や藁は畝の表層近くにしか入り込まなかった。
 残留肥料があったからであろう、不作ではあったが、まずまず収穫できた。

<2019年:白ナス>
 「たんじゅん農」によれば、慣行農法からの転換初期は、表土5~10cmの土壌改良(高炭素素材の入れ込み)に止め、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、2018年10月に表土の土壌改良を行うことにした。
 表土5cmの土壌改良には、西畝は枯草とまあまあの高炭素素材である刻み藁、東畝は枯草やイチゴ苗の枯れたものを使用。その方法は、表土をはねた後、スコップで畑起こしもどき(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら10~15cmピッチで順次行っていく。参照:三浦伸章「ガッテン農法」の一手法)を行い、はねた表土と刻み藁などを混ぜ込みながら畝立て。
 出来は昨年より悪くなり、種取りもできなかった。ただ、唯一良かったには、遅くまでぼつぼつ収穫できたこと。

<2020年:白ナス>
 2019年11月、来年用の畝づくりを昨年とほぼ同様に、表層の土壌改良とスコップによる畑起こしもどきを行った。違いと言えば、スコップでの畑起こしもどきをするとき、刻み藁をどれだけか地中に入れ込んだことである。そして、雑草抑えと堆肥化のため、休耕田から枯草を搬入し、畝全体を覆った。
 2020年3月にも再度畑起こしもどきをし、このとき牡蠣殻粉末を入れ込んだ。不作の原因が、土壌が酸性傾向になってはいまいかと思われたからである。そして西畝だけ草木灰も適量入れ込み、草木灰の土壌中和力と肥料効果を効果を期待したのだが、成育・収穫に差異はなかった。
 昨年より若干良くなり、種取りはできたものの、不作であることには変わりない。

<2021年:白ナス>
 半ばあきらめムードとなり、今年は表層の土壌改良は効果が期待できそうになく省略。4月にスコップによる畑起こしもどきのみとした。なお、これを行いながら、昨年と同様に牡蠣殻粉末を入れ込み、酸性土壌の中和化をより図ろうと計画したのであったが、その入れ込みを忘れた。あとで気が付いて牡蠣殻粉末を振り撒いたのであるが、スコップ跡の溝へ雨で牡蠣殻粉末がどれだけか流れ込もうが表層に留まるものが多かろう。
 昨年と同等の生育であり、種取りはできたものの、昨年と同程度の不作であった。

<2022年:白ナス>
 4年間も不作続きであるから、2011年11月に抜本的な土壌改良をすることに。畝土を表層、中層が混ざり合わないように両サイドに退け、畝間とフラットな状態にし、刻み藁をビッチュウではつり込み、中層の戻し土にも刻み藁を混ぜ込む。
 これで5年目の無肥料連作がうまくいかないだろうか、期待している。

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自然農法:ピーマンを一毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:ピーマン]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 自宅前の畑は、南側が空いているだけで3方は建物が建っていて風通しが悪い。よって、野菜によっては病害虫が付いたりして育ちが悪いが、ピーマンはその影響は少ない。
 ピーマンはゴールデンウイークに苗を購入し、北東区画の1畝7mほどの畝に定植し、一毛作栽培としている。そして2018年から連作・無肥料無農薬栽培とした。なお、2022年から畝を東半分とし、北隣の堆肥場との間のスペースにもう1畝新設し、両畝とも土壌改良(刻み藁をどれだけか深くまで入れる)を行った。

<2018年夏作:ピーマン>
 2017年12月にピーマン跡に刻み藁をばら撒いて、ビッチュウで起こしながら、枯草とともに混ぜ込んで、粗畝作りを行った。その後、草刈機で草刈り。
 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとしたい。土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。
 ゴールデンウイークに購入苗を8本定植。畝は7mで西のほうは2株分ほど空いたまま。前年の有機肥料栽培と変わらぬ生育をし、収穫も前年と変わらぬ、上出来であった。もっとも、有機肥料栽培の豊作年よりは落ちるが。

<2019年夏作:ピーマン>
 定植前の畝整備は、枯草を除けて畑起こしもどき(スコップを10~15cm間隔で差し込み、前に少し押し、空気を入れ込む)を行う。
 4月末に購入苗を8本、株間を十分とって定植後、雑草抑えに枯草で畝を覆っておいた。
 成育は非常に悪く、樹体は小さいし、生りもとんと悪い。猛暑が去ったら若干生育が進み、ポツポツ収穫でき、昨年同様、暖かい11月につき、ピーマンはまだまだ元気だったが、12月9日に最終収穫し、処分。不作であった。

<2020年夏作:ピーマン>
 4月に畑起こしもどきをしながら、牡蠣殻粉末と若干の枯草を入れ込む。
 4月27日にJAで苗(京みどり)を10ポット購入し定植。
 蛎殻粉末をいれたせいか、長梅雨のせいか、生育は昨年よりずっといい。無肥料1年目の一昨年より少し生育が悪いかもしれないが、昨年よりうんといい。収穫も順調で11月いっぱいけっこう収穫でき、無肥料1年目と同様の普通の成績となった。

<2021年夏作:ピーマン>
 4月に畑起こしもどきだけを行う。5月3日に苗を10ポット購入し定植。
 成育はまずまずの感がするが、生りが悪い。ずっとポツポツ生るだけ。
 猛暑や旱魃もなく、比較的天候に恵まれた年であると思うが、かなりの不作となり、11月半ばに収穫が終わってしまった。

<2022年夏作:ピーマン>
 ピーマン畝の北隣りに甘夏の木があり、だんだん大きくなって畝の西半分は使えそうになくなった。そこで、畝の長さを東半分だけにし、隣の堆肥場との間に空きスペースがあるから、畝間が少々きつくなるが、そのスペースを使って、短い畝2畝栽培することとした。
 そのために2021年11月に既存の畝も含めて土壌改良することにした。その方法は、畝の土を退けてから刻み藁をビッチュウではつり込むというもの。なお、新設畝の表層部分には枯れ草と牡蠣殻粉末を投入した。
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