SSブログ

自然農法:オクラを一毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:オクラ]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 「たんじゅん農」に出会う少し前(2016年晩秋から翌春)に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、場所によってはサツマイモにけっこうな被害が出ていて、ずっと畑全体で輪作していたから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。
 使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。
 1回の処置で、どの程度の効果がでるか、2017年晩秋にサツマイモを掘ってみたところ、ほとんどその効果は感じなかった。また、「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであるから、土壌改良菌剤の投入はこれまでとする。また、「百姓モドキの有機農法講座」に、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていたから、なおさらである。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 さて、オクラの栽培だが、これは昔からずっと種を自家採取している。2017年のオクラは、須賀前の畑の一番東で、従前どおりの慣行農法で作付けした。収穫期間が長いから、オクラは一毛作としている。
<2018年夏作:オクラ>
 オクラはトマトやナスと違って連作が利くから、今年作付けの跡でよいのだが、白ナスについては別途記事にしたとおり、2畝のうち1畝は安全策を取って連作を避けることにし、オクラ跡を予定した。よって、オクラ(1畝栽培)は白ナス跡を予定。
 なお、白ナスが連作・無肥料でいけそうとなったら、2019年は白ナスもオクラも元の畝に戻して、無肥料・無農薬栽培することとしたい。
 そうした目論見のもと、オクラ、白ナスともに収穫は2017年10月下旬に終わったから、10月末に白ナス跡2畝とオクラ跡1畝の畝作りを行った。3畝とも雑草の枯草とかなりの量の刻み藁を畝に乗せてあり、若干の畝位置調整を行いつつ、ビッチュウではつり込んだ。雑草や藁は畝の表層近くにしか入り込まなかったが、多分これでよかろう。

 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとする。土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。

 5月14日にポットに種蒔きし、5月27日に定植。前作は白ナスで有機肥料栽培した畝であり、その後の冬野菜は作付けせず。残留肥料があろうも、無肥料栽培が大きく影響したのであろう、随分と生育が悪く、背が低いまま終わってしまったが、初生りの時期は慣行農法の前年と同じであり、収穫量も大差なかった感がする。そして、有り難いことに虫食いはやや少なかった気がする。
 
<2019年夏作:オクラ>
 2018年10月下旬、今年白ナスを栽培したが、来年はこれを従前どおりオクラ栽培に戻すべく、畝づくりを行なった。
 畝の表土5cm程度をビッチュウで畝の東側に退ける。雑草の細かな根っこが非常に多い。これは土壌細菌の格好の餌となるとのこと。なお、白ナスの根っこは掘り出さないようにした。ついで、テンワで、ほぐれた土を東側に退ける。
 次に、畝と畝間をスコップで畑起こしもどき(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら10cmピッチで順次行っていく。参照:三浦伸章「ガッテン農法」の一手法)を行う。これで根張りが深く進むというもの。
 休耕田から運んできた刻み藁をばら撒き、東側に退けた土を鍬を使って被せながら戻す。十分に被らなかったので、敷地境界の先(排水路の公共用地)から土を調達し、再度土を被せる。けっこうな高畝となったが、これで来季のオクラ用の畝づくり終了。その後、休耕田の刈り草を軽トラで運び、雑草抑えに畝全体を覆う。
 5月13日にポットに種蒔きし、5月25日に定植。前作は白ナスで無肥料栽培した畝であり、その後の冬野菜は作付けせず。
 オクラは昨年と同様に背が低いが生り方は普通であり、病害虫も付かず、順調である。夏野菜全般に無肥料がために不作だが、オクラはうまくいった。

<2020年夏作:オクラ>
 2019年11月下旬に昨年と同様に来年用の畝づくり。
 5月17日にポットに種蒔きし、5月30日に定植。生育は昨年より悪く、7月12日に北のほう3分の1ほど木灰を散布したが、その後の効果は感じられなかった。樹体も小さいままで、お盆頃から枯れるものも出てきた。例年に比べ、収穫は1か月ほど早く終わった。
 11月には雑草をテンワで草叩きし、田んぼから刻み藁を搬入し、雑草抑え。
 
<2021年夏作:オクラ>
 4月上旬に畑起こしもどきしながら、酸性土壌改善のために牡蠣殻粉末を入れ込む。枯草は多くが飛んでいたが、若干は畑起こしのときに地中浅く入り込んだであろう。
 4月に行った作業はまだしてないと勘違いし、5月下旬に再び畑起こしもどきしながら牡蠣殻粉末を入れ込んでしまった。
 昨年と概ね同じ時期に種蒔きと定植を行う。順調に生育し、収穫も順調で、昨年はやや不作であったが、一昨年並みに好調である。もっとも、樹体の大きさは有機肥料栽培時よりうんと小さいが、有機肥料栽培時は1本立てであったが、無肥料栽培を始めるようになってから3~4本立てとしているから、収量に差がない状態になっている。
コメント(0) 

自然農法:冷床種蒔きから育てたトマト苗をキャベツ類との二毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:トマト]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。
 なお、「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。これは1回の処置で終わらせたが、サツマイモには大した効果はなかった感がした。「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであり、「百姓モドキの有機農法講座」に“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていた。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 トマト栽培は慣行農法であってもけっこう難しい。以前、収穫前に全部立ち枯れして無収穫のこともあった。最近は固定種(F1種つまり交配種ではない)「世界一トマト」(昔ながらのトマトらしい味がして好評)で好成績を収めているので、より成果を挙げようと2016年から種取りも自家採取とした。
 2016年までのトマトの育苗は、お隣さんのハウスで管理をしていただいていたが、高齢となりハウスを止められたので、2017年から自分一人での種蒔きからの冷床育苗となり、ほぼ1か月遅れで定植し、成育も1か月遅れとなった。

 無肥料栽培の結果を今まで取った土壌改良の方策を中心に以下に記録しておく。
<2017年:トマト栽培>
 トマトの前作は、部分的に若干位置がずれるが、1畝はメロン&サツマイモの混植、もう1畝は山芋である。前作で使った肥料は苦土石灰の他は有機肥料であるが、けっこう残留肥料があるかもしれない。畝づくりは、ごく普通にビッチュウで畑起こしし、鍬で畝立てしただけ。
 なお、2、3年前に同一品種について時差収穫しようと、冷床育苗したことがあったが、そのときは肥料過剰からだろうが、ツルボケし、ほとんど無収穫であった。その心配があったが、苗の定植時に植え付け穴に牛糞を少し入れ(本当は入れてはいけないが)、そして苦土石灰も振ってしまった。何も施肥しないのでは全然生育しないかもしれないとの恐れから、ついそうしてしまったところである。慣行農法が染み付いてしまっているから、こういうことになってしまった。
 その結果、どうなったかというと、葉の付き方、葉の色艶は従前どおりであったが、前年に比べて若干背丈が低く、収穫量は半減した感がするが、期待した以上の出来であった。2、3年前に冷床育苗で無収穫であったことを思えば、今年は成功したと言えよう。

<(参考)2017~18年:トマトの後作キャベツ類栽培>
 トマトの後作として、2畝ともキャベツ類(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)を栽培したが、これは完全無肥料とした。なお、キャベツ類の畝作りにあたっては、今後は省力化のために基本的に畝を固定したいので、畝間が広いところは狭め、狭いところは広めるといった若干の畝位置の調整を行い、その作業を行うときに高炭素素材を入れ込むのがいいのだが、残念ながら藁がなくなってしまったので、雑草の枯草や枯れたトマトの残骸を畝の法面に埋め込んでおいた。
 キャベツ類は従前の有機肥料栽培のときと同様に概ね豊作であった。

<2018年:キャベツ類の後作トマト栽培>
 3月下旬に西畝(カリフラワー、ブロッコリー跡)の残骸を鎌で切り刻み、そして刻み藁を若干ばら撒き、腐敗(発酵)を促すために、鍬で畝間から土を削って被せる。4月下旬に東畝(キャベツ跡)は位置を少し東へ移動させたほうが畝の形が整うから、畝の東側に刻み藁をばら蒔き、ビッチュウではつり込み、若干の土移動を行った。
 その結果はというと、トマト栽培を2畝とも無肥料連作という冒険をしたのだが、昨年より更に若干の収穫減となったものの、まずまずの合格点が付けられたのではなかろうか。

<(参考)2018~19年:トマトの後作キャベツ類栽培>
 トマトの収穫後に後作のキャベツ類の苗定植用の2畝を完成させる。畝の両サイドに溝を掘り、枯れたトマトの残骸と枯草を埋め込む。そして、スコップで「畑起こしもどき」(スコップを差し込み、前方に軽く押し、隙間を作り、空気を入れる。後退しながら、10~15cmピッチで順次行っていく。参照:三浦伸章「ガッテン農法」の一手法)を行っておいた。
 その結果はというと、他の冬野菜全般にも言えるが、無肥料だと1か月ほど成育遅れがする感がするも、ブロッコリー、カリフラワーは平年並みの出来で無肥料を感じさせない。ただし、キャベツは玉の巻き方が一般に小さく、また、ほとんど巻かないものもあり、不作だった。

<2019年:キャベツ類の後作トマト栽培>
 前作のキャベツ類収穫後に、スコップで「畑起こしもどき」しておいた。トマト苗は例年どおり種蒔きから冷床育苗し、例年通りの定植をしたのだが、成長は芳しくなく、収穫は7月末からほんの少々しか出来ず、チョウ不作となった。

<(参考)2019~20年:トマトの後作キャベツ類栽培>
 後作のキャベツ類購入苗の定植に当たっては、畝は休耕田から持ち込んだ枯草やこの畝で生えた雑草の枯草でけっこう覆われており、土がふわふわしていそうであるから、何もせず、枯草をかき分けての定植。
 その結果は、ブロッコリー・カリフラワーは昨年より若干の生育不良、キャベツは逆に若干良好であった。無肥料3年目だが、従前とさほど遜色ないといったところか。

<2020年:キャベツ類の後作トマト栽培>
 3月にスコップで畑起こしもどきを行い、西畝には牡蠣殻粉末&草木灰入れ込みとし、東畝は牡蠣殻粉末のみ入れ込みとした。そして、東畝は同じナス科の白ナス連作・無肥料栽培畝跡とし、違いを見てみることにしたが、結果は大差なしで終った。
 スコップでの畑起こしもどきと、牡蠣殻粉末入れ込みが功を奏したのか、一昨年の無肥料栽培2年目と同等以上の成績が得られた。3年前の非連作、残量肥料有りで、かつ微肥料栽培と同等程度のように感じられた。

<(参考)2020~21年:トマトの後作キャベツ類栽培>
 トマトの後作のキャベツ類購入苗の定植に当たっては、再度、スコップで畑起こしもどきし、牡蠣殻粉末を入れ込んだ。
 その結果はというと、キャベツは小さな玉しか巻かず、ブロッコリーも不作。ただし、カリフラワーは満足のいく成育であった。昨年、今年の出来からすると、苗の良し悪しが最大の原因となっている感がした。

<2021年:キャベツ類の後作トマト栽培>
 昨年、トマトとキャベツに牡蠣殻粉末を合わせて2度入れ込んだから、今年はこれを入れず、スコップでの畑起こしもどきだけを行った。
 その結果はというと、トマト栽培は昨年より若干不作に終わった。

<(参考)2021~22年:トマトの後作キャベツ類栽培>
 トマトの後作のキャベツ類購入苗の定植に当たっては、トマトの残骸を片付けた後、何もせず単に苗を植え付けただけである。
コメント(0) 

自然農法:接木苗トマトをホウレンソウとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:トマト]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちでは、廃菌床は容易には手に入らないし、トウモロコシも麦も栽培したことはないし、破砕機もない。たっぷり簡単に手に入るのは藁(一部は刻み藁)であり、これでいくことにした。

 自宅前の畑は、南側が空いているだけで3方は建物が建っていて風通しが悪い。よって、野菜によっては病害虫が付いたりして育ちが悪い。特にトマトは生りだした頃に立ち枯れしてしまう傾向にある。よって、トマトは病害虫に丈夫な接木苗でないと栽培は難しい。
 そうしたことから、1畝5mほどの畝にゴールデンウイークに接木トマト苗を買ってきて栽培することにしている。そして2018年から連作・無肥料無農薬栽培に取り組んだ。

<2018年:前年の晩生枝豆(無肥料栽培)跡に接木苗トマト栽培>
 接木苗トマト栽培は従前から自宅前の畑・北東区画で行っている。ネギ以外は無肥料栽培とし、ネギ以外の6畝を5畝に減らし、畝間を少しずつ広げることとした。
 北東区画で冬野菜を作付けしていないのは晩生枝豆(無肥料栽培)跡だけであり、ここに2017年12月に刻み藁をばら撒いて、ビッチュウで起こしながら、枯草とともに混ぜ込んだほか、畝の両サイドへ藁入れも行った。ここはネギ畝に隣接し、畝移動はなく、ここで2018年の接木苗トマト栽培を連作で行う。
 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことで、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとする。土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。
 その結果、従前の有機肥料栽培であっても成績は悪いことが多く、今年は、昨年と同様にあまり良くない成績であった。

<(参考)2018~19年:接木苗トマト跡に菊菜栽培>
 後作は菊菜とし、トマトの垣根を壊した後で、スコップで畝起こしもどき(スコップを10~15cm間隔で刺し込み、前方へ少し押し、空気を入れる)を行っておいた。これも無肥料である。その結果は、無肥料でも物凄い成育であった。

<2019年:菊菜跡に接木苗トマト栽培>
 菊菜同様にスコップで畑起こしし、接木苗「ホーム桃太郎」を無肥料栽培。
 成育はいたって悪く、樹体はヒョロヒョロしており、やっと生きていると言った感じ。小さ目のものがポツポツ採れているだけで、全くの不作。

<(参考)2019~20年:接木苗トマト跡にホウレンソウ栽培>
 今年の接木苗トマトの不作の原因は菊菜にあるかもしれないと思い、後作はホウレンソウとし、トマトの残骸は切り刻み、枯草とともに畝の両サイドに埋め込み。ホウレンソウは酸性土壌を嫌うから、畝の半分に草木灰を振り、完全無肥料との比較栽培を試みた。
 その結果、草木灰効果はあった。草木灰を撒いた箇所は成育も順調であったが、部分的に初収穫した後で虫食いが急に激しくなり、大半は収穫不能となった。

<2020年:ホウレンソウ栽培跡に接木苗トマト栽培>
 3月に畑起こしもどきをしながら、牡蠣殻粉末&草木灰を適量入れ込み、接木苗「王様トマト<昔懐かしい品種>」を無肥料栽培。昨年悲惨な成績であったが、今年は例年並みに収穫でき、まずまずの成績を収めた。無農薬3年目にして有機肥料栽培時と概ね同程度の成績となったが、例年が物足りない状態にあるから、来年を期待。

<(参考)2020~21年:接木苗トマト跡にホウレンソウ栽培>
 後作はホウレンソウとし、畑起こしもどきをし、牡蠣殻粉末と木灰を入れ込む。今年は虫食いも少なく、まずまずの成績を収めたが、例年イマイチだから喜べない。
 
<2021年:ホウレンソウ栽培跡に接木苗トマト栽培>
 裏作表作で計3回にわたり草木灰や木灰を振り、2回にわたり牡蠣殻粉末を入れ込んだので、今回は畑起こしもどきのみで接木苗トマト苗を定植することとした。
 無農薬3年目の昨年は、有機肥料栽培と同程度の成績となったが、今年は昨年より若干生りが悪かった。

コメント(0) 

自然農法:紫ナスをブロッコリー&カリフラワーとの二毛作で連作・無肥料無農薬栽培 [自然農法:ナス]

 このブログ「チャレンジ自然農法」は、2017年春に知った「たんじゅん農」(=炭素循環農法)を主な拠りどころとしています。その「たんじゅん農」の詳細は、サイト「百姓モドキの有機農法講座」 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html をご覧ください。
 なお、「たんじゅん農」の概要と、その後に知った河名秀郎さんが勧めておられる無肥料・無農薬の「自然栽培」の概要については、このブログの最初の記事をご覧ください。
「たんじゅん農」との出会い、そして河名秀郎さんの「自然栽培との出会い」

 無肥料栽培に取り組むに当たって初期の土壌改良については「百姓モドキの有機農法講座」には、「窒素を多く含むものは絶対避けること。高炭素素材を入れ込むことがポイント」と書かれている。一番のおすすめは、廃菌床(茸栽培の残渣)、ついでトウモロコシの残骸や麦藁などであり、稲藁もまずまず使える、となっている。うちで簡単に手に入るのは刻み藁であり、これでいくことにした。
 なお、「たんじゅん農」に出会う少し前に、畑全体のネコブセンチュウ対策に取り組んだ。これは、サツマイモにけっこうな被害が出ていて、畑全体で輪作しているから、空いた畝に順次、土壌改良菌剤と藁を入れ込んだところである。使用した土壌改良菌剤は、「粒状YKD」(線虫捕食菌、繊維分解菌を含有)と「バイオS5」(繊維分解菌、病原菌抑制菌を大量に含有)であり、「粒状YKD」の説明書に「稲藁をも分解し、一緒にすき込むとよい」とあり、そうした。また、1回の処置でネコブセンチュウは根絶できず、翌年、半量を同様にすき込むよう書かれていた。これは1回の処置で終わらせたが、サツマイモには大した効果はなかった感がした。「たんじゅん農」がうまくいけば、ネコブセンチュウもいなくなるとのことであり、「百姓モドキの有機農法講座」に“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれていた。「粒状YKD」と「バイオS5」が「EM菌」とどう違うのか知らないが、似たような感じがし、少々心配である。

 さて、紫ナスの栽培だが、うちは焼きナスにするととても美味しい白ナス栽培を中心としており、紫ナスは塩もみや漬物(どちらも白ナスよりうまい)にする程度であるから、半畝~1畝栽培にとどめている。毎年、苗を適当に購入し、ゴールデンウイーク頃に定植している。
 2018年から無肥料無農薬栽培、2019年から連作・無肥料無農薬栽培に取り組むこととした。今まで取った土壌改良の方策を以下に記録しておく。

<2018年夏作:紫ナス>
 2018年は半畝栽培とし、2017年12月にビッチュウで畑起こしするとき、刻み藁や枯草をすき込んだ。前作の枝豆の残留肥料があるだろうし、豆が窒素固定して肥料が残っているであろうから、肥料は何も入れないが、施肥栽培とさほど変わらないのではなかろうかと思われた。
 なお、「たんじゅん農」によると、枝豆(大豆)の連作は窒素固定が進みすぎ、大半の土壌細菌の生育に支障が出てきて自然農法が難しくなるとのことである。
 ゴールデンウイークに購入苗を定植したが、「肥料食い」と呼ばれるナスであり、やはり無肥料では生育がかんばしくなかった。それでも初期は何とか収穫できていたが、今年は早々に梅雨明けし、猛暑到来で雨なしが続いたから、水を欲しがるナスであるがゆえに生育も止まり、生りもガクンと悪くなった。7月20頃まで収穫できていたが、その後は完全にストップ。秋になってもくずナスが生るだけで食用にならず。

<2019年夏作:紫ナス>
 2019年度対応であるが、ナスは水を欲しがるから低畝にしたほうがよく、そのためには硬盤層崩しをせねばならない。(硬盤層崩しは三浦伸章「ガッテン農法」による)
 これを2018年10月に実施。ただし、この作業は大変な労力がいるから、畝全体はとても無理で、今年の紫ナス跡(半畝)だけとした。なお、来年の紫ナスは1畝作付けとし、半畝は連作、半畝は新規作付けとする。
 「たんじゅん農」を行うに当たっては、土はあまりいじらないほうが良いとのことであり、こうした藁を敷き込んでの畝作りは今回だけとする。土壌菌が健全な状態になるのに、うまくいって0~3年かかるとのことであり、是非そうなってほしいものである。
 2019年4月、購入苗の植え付けに先立ち、スコップを使って、畑起こしもどき(10~15cmピッチでスコップを差し込み、空気を入れ、土ほぐし)をしておいた。
 4月末に苗購入し植え付けたところ、お盆までは昨年に比べて成育も悪いし、生りも悪かったが、9月10日頃から少々元気が出てきて秋ナスがポツポツと収穫できた。全体としては連作、新規作付けの差もなく、昨年(猛暑)よりはいいが、施肥栽培に比べると断然不作となった。

<2020年夏作:紫ナス>
 2019年11月に来年用の畝づくりを行う。まず、枯れ草を畝の両サイドに退ける。小型ビッチュウで表土を数センチ削り、畝の両サイドへ。次に、刻み藁をばら撒き、スコップで畑起こしもどき。このとき、刻み藁をどれだけか地中に入れ込めた。最後に、退けておいた枯草をばら撒き、鍬で土寄せしながら枯草を埋め込む。
 雑草抑えと堆肥化のため、休耕田から枯草を搬入し、畝全体を覆う。
 2020年3月にスコップで畑起こしもどきをしながら、牡蠣殻粉末&草木灰を適量入れ込む。微肥料栽培となるが、これで生育がよくならないだろうか。なお、草木灰が底を突き、北のほう3分の1程度しか草木灰は入らなかった。よって、栽培比較ができ、好都合となった。→全体に生育不良で草木灰の効果分らず。
 6月下旬に初生りを収穫し、去年より育ちが良かったが、その後、梅雨の長雨や梅雨明けが遅くなり、ナスの生育が良くなっていいのだが、全然ダメで、8月以降はほとんど収穫できず、秋ナスは採れず。

<2020~21年:後作にブロッコリー&カリフラワー>
 ナスは収穫期間が長いので、連作すると一毛作となるが、今年は早々に終わったから、後作にブロッコリー&カリフラワーの第3弾を作付けすることにした。その作付けに当たっては、10月にスコップで畑起こしもどきをし、蛎殻粉末を入れ込んだ。
 ブロッコリー&カリフラワーの苗の植え付けが時期的に遅かったから、ともに翌年3月初めにやっと収穫適期となったが、まずまずの収穫が得られた。

<2021年夏作:紫ナス>
 白ナスもそうだが、紫ナスも無肥料栽培は非常に難しく、土壌の酸性化対応の牡蠣殻粉末投入の効果もなさそうで、お手上げ状態。土壌改良対策は、4月にスコップで畑起こしもどきをするだけに止めた。
 例年、ナス苗は普通の苗を購入していたが、今年は1畝の北半分を接木苗とした。そうしたところ、普通苗は昨年より生りが悪く、ほとんど収穫できなかったものの、接木苗は施肥栽培時と同等の生育で、生りも非常に良く、とても無肥料栽培とは思えない成績を収めた。9月半ば過ぎても好調である。
 接木苗の台木の根張りの良さに驚かされた。

<2020~21年:紫ナス普通苗の後作にブロッコリー&カリフラワー>
 南半分の普通苗で育てた紫ナスは早々に処分し、8月末にブロッコリー&カリフラワー苗を定植。
 
コメント(0) 

百姓を始めたとき、まだ50回実験ができると思っていたが、もう20回しかない(2021.9.6) [自然農法:雑感]

 別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事ですが、このブログに関係するものは再掲することにします。

 百姓は基本的に年に1回の実験を行い、その成果をもとに翌年また1回実験をする。この繰り返しで、だんだんより良い農作物を生産することができるようになる。成功のポイントは、農作物とそれを植え付ける場所の土壌細菌との相性だ。これは畑によって大きく違ってくるし、同じ畑でも違い、たった10mの畝1本だけを見ても違う。
 親父からバトンタッチを受けて百姓を始めたのが約30年前だ。小生45歳の時である。その後しばらくは先生はおふくろであり、化学肥料による慣行農法を学んだが、順次有機肥料栽培に切り替えていった。当初は、まだ若かったので、死ぬまでにまだ50回も実験ができようから十分にマスターできると安易に構えていた。
 20回ぐらい学習や実験を繰り返していたところで有機肥料栽培も概ね成功し、百姓もそうは難しくないと思ったものの、この栽培法は連作が効かないことを知った。となると、大型耕運機が必要だし、肥料搬入もかなりの力仕事を強いられる。
 そのとき、ちょうど高齢者となり、体力の衰えを身をもって感じた。ここは、何かいい手抜き農法を編み出さねばいかん。一番は、連作し、かつ、土をいじらないことであり、究極の農法は放任だ。そこで、自然農法なり炭素循環農法なり、軽作業で野菜が栽培できる方法を勉強し、1年に1回本格的な実験を繰り返し実施することとした。
 今まで数年にわたり実験したのだが、失敗が多く、なかなか前進しない。間もなく73歳になり、残された実験回数はせいぜい20回しか残っていない。この分では成功の目途が付いたところで、ご臨終となってしまう。
 焦る。今、冬野菜の作づけ本番。今までに手抜き農法が成功したものは半分で、半分は失敗している。失敗している野菜の作付け改良実験を今年も行う。試行錯誤しながらの実験であるから、1年で成功することはあり得ない。数年はかかろう。
 それがうまくいったとしても、今のところ表層10cmぐらいは土いじりしているから、今は体力的に問題ないが、10年もするとそれが重労働となる。せいぜい表層5cmぐらいしかいじれなくなる。そうなると、今度は全く土を動かさない完全自然農法への転換を求められる。これはなんとも難しすぎる。
 こうして、百姓の実験は、ついこの前、まだ50回実験ができると思っていたが、もうカウントダウンが始まった。再び焦る。
 でも、まだまだどれだけかは好奇心が残っている、変人である小生ゆえ、今年新たに取り組む試行錯誤実験にワクワクしているところです。

コメント(0)